KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
The Paris Climate Pact Is Officially Go

発効要件満たしたパリ協定は
ただの紙切れに過ぎない

パリ協定の発効に必要な条件を満たされたが、本当に大変なのはこれからだ。 by Jamie Condliffe2016.10.07

気候変動に関するパリ協定の発効に必要な「地球の炭素排出量の55%を占める55カ国の批准」の条件が、ついに満たされた。

昨年12月、COP 21気候会議で195カ国がパリ協定に署名したが、各国は国内で承認を受けた上で、最終的な批准書を国連に提出しなければならなかった。今週初め、欧州議会は投票でパリ協定の批准を決定したことで、欧州連合と7つの加盟国が協定を批准した。カナダネパールインドも批准した。

各国の批准(日本は批准していない)により、発効に必要な条件が満たされた。現在、世界の二酸化炭素排出量の56%以上を占める73カ国が協定に署名したことで、11月4日に発効の見込みだ。

U.N. Secretary General Ban Ki-moon, Chinese President Xi Jinping, and U.S. President Barack Obama shake hands after China and the U.S. signed on to the Paris climate agreement in September 2016.
2016年9月、中国と米国のパリ協定批准後に握手する、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長、中国の習近平国家主席、米国のバラク・オバマ大統領

協定の発効は、国連の潘基文事務総長の願いそのものだった。2週間前、潘基文事務総長は、国連総会の会議場で、パリ協定が今年批准されることに「これまで以上の自信がある」と話した。潘基文事務総長の願いは実現し、ニュースに接したオバマ大統領は、パリ協定の発効は”gives us the best possible shot to save the one planet we got”(我々の唯一の星を救う、随一の試みになる)」と述べた。(韻が決まってるぜ、バラク)

さて、このあとが大変だ。地球の気温を、協定に書かれている通り2度以上上昇させないことを保証する道のりはいまだに遠い。結局のところ、この協定は1枚の紙切れと大差ない。人類を、人類自身から救うには、地方と中央政府による行動が必要なのだ。

人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
タグ
クレジット Photograph by How Hwee Young | Getty
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る