スマート契約「実用化の壁」
オラクル問題解決へ新展開
スマート・コントラクトの実用化を長年妨げてきた「オラクル問題」を解決する1つの方法をあるスタートアップ企業が発表した。ブロックチェーンと現実世界との「接続」は実現するか。 by Mike Orcutt2018.11.28
ブロックチェーン技術と「スマート・コントラクト」が私たちの生活に革命をもたらす、という話を聞いたことがあるかもしれない。
ただし、1つ問題がある。スマート・コントラクトを実用化するためには、信頼できる方法に則った上で、スマート・コントラクトを実社会の出来事と結び付ける必要があるのだ。そして、それはこれまで不可能であることが証明されてきた。これがいわゆる「オラクル問題」であり、ブロックチェーンが現状を打破し、私たちの日常生活の一部となるチャンスを妨げ続ける技術上の大きな課題だ(日本版編注:ここでの「オラクル」はソフトウェア企業のオラクルおよび同社のデータベース製品とは無関係)。
だが、オラクル問題とももうすぐおさらばできるかもしれない。「チェーンリンク(ChainLink)」と呼ばれるスタートアップ企業は同社のソフトウェアを、学術界において暗号通貨研究をリードするグループが開発した信頼性の高いハードウェアシステム「タウン・クライアー(Town Crier)」と組み合わせようとしているのだ。これによって、オラクル問題の解決にこれまで以上に近づく可能性がある。
スマート・コントラクトは、ブロックチェーンに格納されているコンピューター・プログラムである。スマート・コントラクトを使えば、あらかじめ定めれらたルールの下、ユーザー間で暗号通貨を自動的に送金できる。一方、「オラクル」とは、気象データや為替レート、航空会社のフライト情報、スポーツの統計データといった情報をリアルタイムでスマート・コントラクトに配信するためのデータフィードだ。
チューンリンクのソフトとタウン・クライアーのハードを組み合わせて使えば、現行のオラクルシステムよりも信頼性の高い方法で、ブロックチェーンベースのシステムが実社会のイベントとデータをやり取りできるようになる——。それがチェーンリンクの発想だ。たとえば、フライトが欠航になったときに乗客が航空用の保険を購入していれば、スマート・コントラクトは、フライト時間に関する最新情報を信頼できる情報元か …
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