KADOKAWA Technology Review
×
日本発・世界を変える「U35 イノベーター」募集中!
米国の「AI輸出規制」はむしろ中国に追い風だ
ニュース 無料会員限定
A US attempt to keep AI out of China’s hands could actually help China

米国の「AI輸出規制」はむしろ中国に追い風だ

米国のAIテクノロジーの中国への輸出規制は、米国企業の競争力を低下させるリスクがある。そのうえ規制のない中国のほうが、AIの開発、商品化が有利になる恐れもある。 by Karen Hao2018.12.06

米国と中国は、今世紀の人工知能(AI)超大国としての覇権を握ろうと競争を繰り広げている。大きな賭けとなる戦いだ。勝者は莫大な経済的利益を得られるだけでなく、新たな軍事的優位性を確立できる可能性もある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2017年に語ったように「AI分野のリーダーになる者が、世界の支配者になる」のである。

専門家の誰もがこれに同意しているわけではなく、大半のAI研究者は自分たちが軍拡競争に関わっているとはまったく思っていない。だがそれでも、両国のリーダーたちがその攻勢を急速に強めている流れは止まらない。

11月19日月曜日、米国はテクノロジーの輸出に関する規制範囲の拡大を提案した。米国商務省が公開したのが、国外への持ち出しに特別な許可が必要となる軍事機密テクノロジーのリストである。

商務省は今回、このリストに、ニューラル・ネットワーク、深層学習、コンピューター・ビジョン、エキスパート・システム(AIによって人間の専門家の意思決定能力をエミュレートするもの)といったAI分野における幅広い基礎的なツールや手法を、その他のテクノロジーとともに加えると提案したのだ。これらのテクノロジーは、Siri(シリ)を搭載したiPhone、コンピューター・ビジョンを搭載したルンバ、自動運転自動車やIBMのワトソン(Watson)などといった消費者製品の基礎を成している。

ここではっきりさせておくべきなのは、政府が全面的な禁止を提案しているわけではないということだ。商務省の「法案の事前公告(ANPRM)」は、パブリック・コメントを求めているだけである。このANPRMには、フィードバックを基に、 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  2. The UK’s generational tobacco ban might not work. I’m supporting it anyway. 2009年以降生まれには一生売らない——英「たばこ根絶」への賭け
  3. AI agents are not your “coworkers” AIエージェントの「従業員化」、作業ミスの見逃しを招く
  4. IBM has unveiled chip technology that could help extend Moore’s Law another decade 微細化の限界を超え、IBMがムーアの法則を10年伸ばす積層チップ
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る