KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
Facebook’s Fake News Ad Ban Is Not Enough

フェイスブック、保守派への配慮でねつ造ニュースの選別を自粛?

フェイスブックやグーグルは批判を受けて、ねつ造ニュースの広告がフィードに表示されないよう改善に乗り出したが、誤情報が広がり続ける可能性はまだある。 by Jamie Condliffe2016.11.16

大統領選後に渦中にあるねつ造ニュース問題について、フェイスブックは誤情報を流すサイトの広告利用を中止する、新たな対策を策定した。しかし、新対策は、ほんの一部の問題の解決にしかならず、現在でも、悪ふざけや偽の話題はフェイスブックのフィードに表示され続けている。

米国では、ねつ造ニュースが選挙を歪曲した可能性に関して懸念が広がっており、フェイスブックは、ねつ造ニュースサイトによる広告ネットワークの使用を禁止すると発表した。この措置により、誤情報を広める他のサイトが、フェイスブックのオーディエンスネットワークによって提供される広告を利用して稼げなくなる。

グーグルも同様に「パブリッシャー、パブリッシャーのコンテンツ、または主目的に関して、虚偽や間違い、隠蔽している情報を掲載しているページでの広告配信を制限する」決断を下したと発表した。ねつ造選挙ニュースを検索結果に含めたことで批判を受けたことで、急きょ対策したことは間違いない。

両社の新方針により、ねつ造ニュースサイトが売上を上げるのはより困難になるだろう。マケドニアのティーンエイジャーが一儲けしたようだが、理論的には、この方針によって、ねつ造記事を公開する動機をなくなるはずだ。

しかし、どちらの対策によっても、グーグル検索やフェイスブックのニュースフィードに表示される、ねつ造ニュースがすぐになくなるわけではない。多くのフェイスブックユーザーは、明らかにねつ造ニュースを好んでおり、それで金を稼ぐつもりがあるかはともかく、世論を動かすようなねつ造コンテンツをユーザーが作成する可能性はある。

この点に関して、Gizmodoに掲載された記事によれば、 フェイスブックはねつ造ニュースがフィードに表示されないようにするツールを開発済みだ。しかし、ツールは実際には使われていない。Gizmondoの情報源によれば、フェイスブックのトレンディング・セクションの編集者が、リベラル側に偏向しているとの今年初めの騒動により「保守派を怒らせることへの恐怖」によってツールを使わない判断になった(フェイスブックは否定している)という。

だが、フェイスブックに、この問題に対する全般的解決策があるとは思えない。 ねつ造コンテンツと真実を確実に区別する方法があるとしても、どの程度検閲されるべきかは明確ではない。 ユーザーは、ステータス(今なにしてる?)を更新して、ねつ造情報を掲載できるのに、Webサイトは、なぜ投稿記事で嘘の情報を掲載できないのだろうか? 風刺はどうだろう?

フェイスブックは、誤情報の問題に対処するために何かをする必要があり、その対策が始まっていることは明らかだ。 しかし、究極の解決策は、単純な広告禁止よりも、もっと重要であり、むしろさらに複雑であるはずだ。

(関連記事:Wall Street Journal, Bloomberg, Gizmodo,  “Facebook Has a Lot to Lose by Appearing Biased,” “Regardless of Its Influence on the Election, Facebook Needs to Change”)

人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  2. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
タグ
クレジット Image courtesy of Wikimedia Commons
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る