KADOKAWA Technology Review
×
12/16開催 「再考ゲーミフィケーション」イベント参加受付中!
大腸菌の全遺伝子を合成ゲノムに置換、遺伝コードを「圧縮」
NIAID
生物工学/医療 無料会員限定
Researchers have swapped the genome of gut germ E. Coli for an artificial one

大腸菌の全遺伝子を合成ゲノムに置換、遺伝コードを「圧縮」

ケンブリッジ大学の研究チームは、大腸菌の全遺伝子の置き換えととともに遺伝コードの書き換えに成功した。自在な物質を合成できる細菌の作成もいずれ可能になるかもしれない。 by Antonio Regalado2019.05.28

大腸菌(E.coli)のすべての遺伝子を、人工的に合成された完全なゲノムのコピーに置き換えた研究成果が発表された。「ケブラー」などの特定の繊維や他のポリマーを体内で合成できる遺伝子改変細菌の作成に、また一歩近づいたことになる。

ケンブリッジ大学の研究者らは、ネイチャー誌にて、400万ものDNA配列を持つ大腸菌の全ゲノムを、人工的な遺伝子に段階的に置き換えた方法を報告している。

「今回は2年かかりましたが、将来的には合成ゲノムを一カ月以内に作れるようにしたいと考えています」。そう語るのは、英国医学研究協議会の生物学者であり、研究チームを率いた、ジェイソン・チン教授だ。「合成ゲノムの作成スピードが上がれば、私たちの実験の幅が広がり、合成生物学の研究が大いに加速するでしょう」。

細菌の合成ゲノムは、2008年と2010年に、J.C.ベンター研究所で初めて作られた。しかし、それらの4倍の長さを持つ大腸菌ゲノムの合成は、記録を塗り替えたことになる。

別の研究団体は、パン …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #31 MITTR主催「再考ゲーミフィケーション」開催のご案内
  2. 3 things that didn’t make the 10 Breakthrough Technologies of 2025 list 2025年版「世界を変える10大技術」から漏れた候補3つ
  3. OpenAI’s new defense contract completes its military pivot オープンAIが防衛進出、「軍事利用禁止」から一転
▼Promotion 再考 ゲーミフィケーション
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る