ブロックチェーン・ベースのカードゲームが示す、「所有」の未来
イーサリアム・ブロックチェーン上の「NFT(代替不可能トークン)」により、プレイヤーにデジタルカードの所有権をもたらすオンライン・トレーディングカード・ゲームが話題を呼んでいる。NFTの概念は、ゲームの枠を超えた「所有」の概念にも影響を及ぼす可能性がある。 by Mike Orcutt2019.07.18
新たなトレーディングカード・ゲームである「ゴッズ・アンチェインド(Gods Unchained)」はまだ本格的なサービス開始にすら至っていない。だが、カードを収集できるこのゲームはすでに、これまでのどのブロックチェーン・ベースのゲームより大きな盛り上がりを見せている。何カ月にもわたるプライベート・テストを経て、ベータ版が7月上旬に公開された。ゲームを開発しているスタートアップ企業、フューエル・ゲームズ(Fuel Games)によると、同社は先行販売ですでに何百万枚ものゲームカードを販売し、400万ドルの売上を上げているという。
同様のゲームが多数存在する中、この新たなトレーディングカード・ゲームが話題になっているのはなぜだろうか。他ならぬこのゲームが、それほどまでに重要なゲームになり得ると考えられている理由を理解するには、一般に「NFT(non-fungible token)」と呼ばれる「代替不可能トークン」について理解する必要がある。
NFTの背後にある技術は複雑だが、ユーザーにとってNFTは「収集可能なもの」というごく単純なものだ。レアあるいは唯一無二の野球カードやビーニーベイビー(Beanie Baby:世界中で販売されている、それぞれが唯一無二のぬいぐるみ)のデジタル版だと考えてほしい。それらが本物かどうか、どうすれば分かるだろうか。中央の権威を必要とせず(非中央集権的に)本物かどうかを暗号学的に検証できるブロックチェーンネットワークを使えばいい。多くの人たちが、このアイデアによって、ようやく人々がブロックチェーンを使う気になるのではないかと考えている。あるいは少なくとも、ブロックチェーンを用いたゲームをする気にはなるだ …
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