KADOKAWA Technology Review
×
NASAの火星探査機インサイトが初成果、活発な地震活動を観測
NASA/JPL-Caltech
宇宙 無料会員限定
NASA’s InSight mission proves Mars is rocked by hundreds of earthquakes

NASAの火星探査機インサイトが初成果、活発な地震活動を観測

NASAの火星探査機「インサイト(InSight)」による初の成果が、複数の論文として発表された。火星の地震の観測によって得られた複雑な内部や地質に関する洞察を示すものが主だが、水を巡る火星の歴史に関する新たな疑問を提起するものもある。 by Neel V. Patel2020.02.26

火星は外面上、寒冷で不毛で、地獄のような風景の惑星に見える。しかし、地面の中では、地震や他の地質学的活動が頻繁に起こっている。

米国航空宇宙局(NASA)の火星探査ミッション「インサイト(InSight)」の初の観測結果から得られたこの成果は、ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)の複数の論文と、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)の1本の論文として発表された。インサイト探査機は、2018年11月から火星表面の「エリシウム平原(Elysium Planitia)」にとどまっている。

「ついに、火星が地震活動の活発な惑星であることが立証されました」。そう語るのは、インサイト・ミッションの主任研究員であるブルース・バナートだ。火星の地震活動は月より活発だが、地球ほどではない。「現在、そうした兆候から火星内部に対する知見を得始めています」とバナート主任研究員はいう。

約1年前に火星に配置されて以来、昨年4月に初めて揺れを検知したインサイトは、これまでに174回のマーズ・クウェイク(火星地震)を検知している。火星地震には2つのカテゴリーがある。頻繁に起こり、マグニチュードが小さく地殻を伝わる150回もの地震と、地表内部のマントルから伝わって起こるマグニチュード3〜4の地震だ。後者は地表深くで発生するため、火星表面に …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. A long-abandoned US nuclear technology is making a comeback in China 中国でトリウム原子炉が稼働、見直される過去のアイデア
  2. Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
  3. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る