KADOKAWA Technology Review
×
新型コロナで注文激増、アマゾンが米国で10万人を新規雇用へ
Amazon
Amazon is hiring 100,000 new workers in the US to deal with the coronavirus boom

新型コロナで注文激増、アマゾンが米国で10万人を新規雇用へ

アマゾンは新型コロナウイルスの感染拡大によるネット販売の需要急増に対応するため、倉庫および配送の作業に携わる従業員を米国で新たに10万人雇用する計画を発表した。 by Charlotte Jee2020.03.20

アマゾンは、米国で10万人を追加で雇用する計画を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生し、インターネット販売にかかわる配送の需要がかつてなく急増しているのに対応するためだ。今回大量に雇用するのは、同社の倉庫および配送全体の作業に携わる従業員。アマゾンは4月末まで暫定的に、時給を米国では2ドル、英国では2ポンド、多くのEU諸国では2ユーロ増額することも約束している。アマゾンは米国で2番目に大きな雇用主であり、米国ですでに47万人近くの従業員がいる。

アマゾンは、米国におけるネット販売にかかわる配送の39%近くを占めている。そのため、人々が自らを隔離することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大を抑制しようとしている中、需要の急増による重圧を受けている。トランプ大統領は3月16日に、バーやレストランに行ったり、10人以上での集会を避けるよう国民に勧告した。

もちろん、自宅に待機し、インターネットで注文する人々にも不都合な面がある。注文の品を誰かに届けてもらわなければならないのだ。新型コロナウイルスによってアマゾン社内の不平等が露呈しつつある。アマゾンのオフィスで勤務している従業員は自宅勤務を指示されているが、アマゾンの配達員は最前線で危険に晒されることになる。これに対してアマゾンは、「建物内や店舗内において人々が健康を維持できるよう、推奨されているあらゆる予防措置」をとっており、たとえば他人との距離を取ることや、より頻繁でより強力な消毒を実施していると述べている。アマゾンによれば、新型コロナウイルスに感染した従業員には有給の病気休暇を付与するとともに、時給で雇用されているすべての従業員について3月中は無期限の無給休暇を与えるとしている。

(関連記事:新型コロナウイルス感染症に関する記事一覧

人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Why it’s so hard for China’s chip industry to become self-sufficient 中国テック事情:チップ国産化推進で、打倒「味の素」の動き
  2. How thermal batteries are heating up energy storage レンガにエネルギーを蓄える「熱電池」に熱視線が注がれる理由
  3. Researchers taught robots to run. Now they’re teaching them to walk 走るから歩くへ、強化学習AIで地道に進化する人型ロボット
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る