KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
ヴァージン・オービット、空中打ち上げロケットの初試験に失敗
AP
Virgin Orbit’s rocket has failed on its first attempt to get into space

ヴァージン・オービット、空中打ち上げロケットの初試験に失敗

米国の人工衛星企業であるヴァージン・オービットは、同社の主力ロケットであるランチャーワン(LauncherOne)の初飛行試験に失敗した。 by Charlotte Jee2020.05.27

ヴァージン・オービット(Virgin Orbit)は5月25日、「ランチャーワン(LauncherOne)」ロケットの飛行試験に失敗した。7年間かけて開発とテストを重ねた後の初の飛行試験だった。ランチャーワンはボーイング747によって輸送され、カリフォルニア沖の太平洋上で切り離された。ロケットは数秒間落下した後、空中でエンジンを点火して地球を周回する低軌道に突入するはずだった。だが点火はしたものの軌道には乗らず、海上に落下した。今回の飛行は実際に衛星を宇宙に打ち上げるというよりも、データ収集を意図したもの。ボーイング747の搭乗員と2機目の安全確保用飛行機は、無事にモハベ航空宇宙空港に戻った。

ヴァージン・オービットは ツイッターで、失敗の原因は飛行の第1段階で「異常」が発生したためとし、「今日収集した大量のデータをエンジニアが分析した後、さらに多くのことが分かるでしょう」と約束した。今回の試験に先立ち、同社の特別プロジェクト統括責任者であるウィル・ポメランツ副社長は、成功するチャンスは50%しかないと語っていた。「歴史を振り返ってみても、初飛行が必ずしもうまくいくわけではありません」。ランチャーワンは今回の飛行試験の前に、飛行機から投下されたことはあった (2019年7月に撮影された上の写真を参照)。しかし、エンジンに点火したのは今回が初めてだった。

ポメランツ副社長が述べたように、初飛行が失敗に終わることは珍しいことではない。今回の失敗がヴァージン・オービットにどんな影響を与えるかはすぐには分からない。同社によると、現在、問題発生の原因を分析中であり、代替用ロケットを使ってできるだけ早く次の飛行試験に乗り出すことを「熱望している」という。ポメランツ副社長は次のチャンスについて楽観的な見通しを示しており、エンジンが期待通りに点火したということ自体、「最大の技術的リスクの一つ」を首尾よく克服したことを意味すると述べている。

人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
シャーロット・ジー [Charlotte Jee]米国版 ニュース担当記者
米国版ニュースレター「ザ・ダウンロード(The Download)」を担当。政治、行政、テクノロジー分野での記者経験、テックワールド(Techworld)の編集者を経て、MITテクノロジーレビューへ。 記者活動以外に、テック系イベントにおける多様性を支援するベンチャー企業「ジェネオ(Jeneo)」の経営、定期的な講演やBBCへの出演などの活動も行なっている。
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る