KADOKAWA Technology Review
×
「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集中!
私が外出を控える理由——新型コロナの死亡リスクをどう捉えるか?
David Ramos / Getty
生物工学/医療 無料会員限定
If you’re over 75, catching covid-19 can be like playing Russian roulette

私が外出を控える理由——新型コロナの死亡リスクをどう捉えるか?

新型コロナウイルスとの共存を強いられる世界で我々はどの程度、生き残れるのだろうか。ニューヨーク市保健局とコロンビア大学が発表した報告書から、新型コロナの死亡リスクについて考えてみた。 by Antonio Regalado2020.07.08

私は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しないよう外出を控えている。理由は簡単だ。新型コロナウイルスに感染すると、死亡する可能性が高いからだ。

私は先週、ニューヨーク市保健局とコロンビア大学が発表したレポートによって、このリスクを思い知らされた。このレポートでは、3月から5月の期間で、新型コロナウイルスに感染した人の死亡率(致死率)は平均して1.45パーセントと推計されていた。

これは一生のうちに自動車事故で死亡する確率より高い。他の車が前に割り込んできたり、角を曲がる時スピードを出しすぎていたり、高速道路で居眠り運転しそうになったりすることによる死亡率を全部合わせたよりも高いのだ。そんな病気にはかかりたくない。私の母の年代(75歳以上)では致死率は13.83パーセントで、17パーセントに達する場合もある。それは大まかに言って6人に1人、つまりロシアンルーレットで負ける確率である。そんなゲームを母にプレイしてほしくはない。

新型コロナウイルスの致死率はこれまで何度も推計され、さまざまなな方法で計算されている。例えば、新型コロナウイルス感染者として政府の公式記録に記載されるような場合だと、致死率は5パーセントほどになる。治療や検査が必要になるくらい具合が悪くなっているからだ。

しかし、今回のレポートではそのような致死率の代わりに「感染者致死率(IFR)」を計算している。これは、無症状者や鼻詰まり程度の症状の人、家で療養していて検査を受けない人などを含む「感染者全体」のうち死亡する人の割合を示しており、注意を払うべき真のリスクである。

検査を受けなかった人については正確な情報がつかめないので、IFRは常に推定値となる。ニューヨーク市の数値1.45パーセントは、ほぼ1パーセント前後であることが多い他の地域より高い値になっている。これは、ニューヨーク市内に糖尿病や心臓病 を患う人が多いためか、研究で使用された推定値が原因であろう。

個々の場合によって、新型コロナウイルス感染症(COVI …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Lego bricks are making science more accessible 科学を身近にするレゴブロック、大学の実験装置にも応用
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2024 「Innovators Under 35 Japan」2024年度候補者募集のお知らせ
  3. Why artists are becoming less scared of AI 見えてきた「生成AIの限界」がアーティストの不安を取り除く
  4. A way to let robots learn by listening will make them more useful 見落とされてきた「耳」、音を学んだロボットはもっと賢くなる
  5. How fish-safe hydropower technology could keep more renewables on the grid 水力発電の環境負荷を軽減、魚と共生する次世代タービン
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る