KADOKAWA Technology Review
×
Ben Barry / OpenAI
人工知能(AI) 無料会員限定
OpenAI’s fiction-spewing AI is learning to generate images

画像の半分から残りを生成、オープンAIがGPT-2を応用

オープンAIは、機械学習技術を利用して、画像の半分から残り半分を予測し、1つの画像を完成させられるAIシステムを開発した。以前に開発した驚くほど自然な「フェイクニュース」を量産できる文章作成ツールの画像版だ。 by Karen Hao2020.07.22

サンフランシスコに拠点を置く非営利の研究機関オープンAI(OpenAI) は2019年2月、もっともらしい英語の文章を書ける人工知能(AI)システムを発表した。「GPT-2」と呼ばれるこのAIシステムに文章や段落の冒頭部分を入力すると、AIが文章の続きを勝手に考えてくれるというものだ。GPT-2はエッセー程度の長さの文章まで生成でき、その内容はまるで人間が書いた文章のように一貫性がある。

そして今、オープンAIは、GPT-2と同じアルゴリズムに、画像の一部を与えたら何が起きるのかを探っている。重大な影響力と可能性に満ちた新たな画像生成手法に通じる成果は、2020年7月12日から7月18日にかけて開催された「機械学習に関する国際会議(ICML)」で最優秀論文に選ばれた論文にまとめられている。

GPT-2の核となるのは、強力な予測エンジンだ。GPT-2は、インターネットの端々から集められた何十億という単語や文章、段落の例を基にして、英語の構造を把握することを学習した。学んだ言語構造を使って単語の出現順序を統計的に予想し、並べることで、新しい文章を生成できる。

そこで、オープンAIの研究者たちは単語を画素(ピクセル)に替えて、深層学習の分野で最もよく利用されている画像データベースである「イメージネット(ImageNet)」の画像を使って、GPT-2と同じアルゴリズムを訓練した。このアルゴリズムは文字列や …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. A long-abandoned US nuclear technology is making a comeback in China 中国でトリウム原子炉が稼働、見直される過去のアイデア
  2. Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
  3. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る