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徹底した隔離で死者ゼロを維持していたベトナムの新型コロナ対策
Pixabay
Vietnam’s covid hospital

徹底した隔離で死者ゼロを維持していたベトナムの新型コロナ対策

ベトナムでは新型コロナウイルス感染症に対して政府が厳しい隔離措置を実施することで8月の初めまで死者数をゼロに抑え込んだ。これまでに新型コロナウイルスに感染した医療従事者はわずか2人だ。 by Krithika Varagur2020.08.27

人口9700万人のベトナムは、8月の初めまで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による死者数がゼロの世界最大の国だった。その後、少数の死者が発生している。一党独裁制のベトナムでは政府が厳しい隔離措置を実施した。また、ほとんどの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者をホーチミン市の大病院1か所に送り込んだ。国立熱帯病病院(National Hospital for Tropical Diseases)で患者の治療に当たったトラン・ティ・ハイ・ニン内科部長が、ベトナムにおける新型コロナウイルス感染症への対応について語った。

なお、このインタビューは、発言の趣旨を明確にするため、要約・編集されている。

◆◆◆

ベトナムの新型コロナウイルスによる死者:25人


2020年8月19日時点/出所:世界保健機関(WHO)

武漢で発生した新型ウイルスについて私が初めて耳にしたのは、2019年12月のことでした。中国はベトナムに非常に近く、中国とベトナムは長い国境で接しているので、この感染症はすぐにベトナムにまで拡大すると私たちは考えました。そして、複数のシナリオを検討しました。最初の感染例が報告された場合はどうすべきか? 感染者が10人出た場合はどうすべきか? 感染者が100人の場合は? 膨大な数の場合は? そして、各シナリオに対して慎重な準備をしました。それから、職員全員に対し、感染予防のために病院のあらゆる指針に厳密に従い、感染から身を守る必要があることを繰り返し指示してきました。

ベトナム国立熱帯病病院のトラン・ティ・ハイ・ニン内科部長

当病院は熱帯病専門の国立病院ですので、政府は新型コロナウイルス患者の大半を当院に送ることに決定しました。ベトナムで最初の症例が報告されたのは2020年1月でした。約2か月後に感染はピークを迎え、当院には約100人の新型コロナウイルス感染症患者がいました。さらに数百人の隔離措置患者も入院していました。つまり、当院は新型コロナウイルス患者だけに対応していました。

職員全員が病院に滞在し、自宅に帰りませんでした。したがって、私たちも3か月以上隔離されていたことになります。当院には約350人の職員がいます。職員全員が病院に滞在することが決定したのは1月です。家族と離れて毎日新型コロナウイルス患者の治療にあたり、病状に耳を傾ける必要があったので大変でした。

個人用防護具(PPE)が不足することはありませんでした。2月には工場で追加生産も開始されました。パンデミック初期にはPPEが不足するのではないかと心配し、N95マスクを再利用するように心がけ、PPEの使用数を減らそうと努力しました。例えば、患者に直接対応するエリアで働く場合は4時間連続で同じPPEを着用しました。しかし、現時点ではPPEは十分にあり、他国に輸出しているほどです。

職員全員が病院に滞在し、自宅に帰りませんでした。したがって、私たちも3か月以上隔離されていたことになります。

ベトナムの新型コロナウイルス感染症対策では、メディアがとても重要な役割を果たしてきたと思います。メディアは継続的に情報を提供するので、国民はリアルタイムで最新情報を入手できます。したがって、政府を信じてすべてのガイドラインに厳密に従っています。手洗いやマスク着用に関するおもしろい動画もたくさんあり、有名歌手が出演している動画もあります。おかげで、子どもや高齢者もガイドラインを理解しやすく、実行しやすくなりました。

ベトナム国民が基本的にすべてのルールを守ってくれたことを高く評価しています。当院の大きな助けとなりました。現在まで国民を支えられているのは、(新規感染者)数を抑えることに成功したからです。ベトナムは開発途上国ですから、リソースはとても限られています。

ようやく自宅に戻って家族に会えるようになったのは5月29日でした。当院内に陽性患者がいなくなり、帰宅を許可されました。3月と4月のピーク時には、ほとんど24時間働いているような感じでした。パンデミックの初期に世界中で感染が急速に拡大していたため、あの3か月は思っていたよりもあっという間でした。

しかし、私たちはベトナムにいて幸運です。これまでに全国で新型コロナウイルスに感染した医療スタッフはたった2人です。2人ともICUで重度の患者への気管挿管をしていました。これは苦い経験でしたが、おかげで安全手順を改善できました。私たちの部門はまだ新型コロナウイルス感染症患者に対応しているため、私はまだ普通の生活には戻れていません。行動範囲はまだ狭い範囲に限定されています。しかし、私たちの1日の勤務時間は以前ほど長くはありません。

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