KADOKAWA Technology Review
×
トランプ抵抗でも変わらない、米大統領選の認定プロセス
Photo by Andrew Neel on Unsplash
How election results get certified

トランプ抵抗でも変わらない、米大統領選の認定プロセス

トランプ大統領はいまだに敗北を認めず、法廷闘争に持ち込もうとしている。だが、選挙結果認定プロセスは変わらず、淡々と進んでいる。 by Patrick Howell O'Neill2020.11.24

米国の選挙では、投票終了後間もなく当選者が発表されるのが通例だが、投票当日に結果が確定することはまずない。今回の大統領選挙でも、11月第2週にメディアが勝敗予測を発表しても、それは公式の結果とはならない。州や地域の選挙当局が有効票がすべて集計されたことを確認し、正式に認定したときに、公式の選挙結果となる。

ドナルド・トランプ大統領は、引き続き選挙に異議を唱えている。不正の検認を迫り、集計に疑問を呈し、選挙結果の確定を遅らせるため、十数件の訴訟を起こしている。しかし、これまでのところ、すべての訴訟が実質的に退けられている

トランプ政権に任命された選挙当局者は大統領の主張は危険であり、信憑性に欠けるものだと話している。すべての州が不正の証拠はないと述べており、民主・共和両党の連邦および地方の選挙担当者も、まさにそれに同意する内容の共同声明を発表している。トランプ大統領は不正選挙について何年も前から非難を繰り広げているが、その主張は完全に空虚なものだ。

選挙結果の認定とは、実際にはどのように進むのだろうか? そのプロセスは、今年も、これまでの年も、変わらない。選挙管理人が州全体で結果を集計・検証して、詳しく調査する。暫定的な票や、州法(ときには郡法)に基づいて異議が申し立てられた票を確認していく。詳細な確認が終われば、結果を認定する。これが、選挙結果が公式なものとなる正規のプロセスだ。細かい方法は州ごとで異なるが、通常は集計終了後に州務長官や州の選挙管理委員会が集まり、結果認定書に署名する。

今年は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミック(世界的な流行)により郵便投票が大幅に増えたため、集計に時間がかかった可能性はある。だが、唯一の重要な相違点は、現職大統領が選挙結果について前例のない攻撃を仕掛けているということだ。トランプ大統領の法的な異議申し立てや再集計の要求は、理論上は認定スケジュールを変えてしまう可能性がある。しかし、裁判所はこれまでのところ、証拠不足を理由にトランプ陣営の訴えを退けている。

つまり、これからの数週間は、選挙結果が次々と認定されることになり、その1つ1つが全体のプロセスを前進させる。党派色の強い州や地域の公務員が認定を阻止したり、独自の選挙人を任命することは理論上は可能だが、現在、そのようなことが計画されている様子はほぼ見られない。ジョージア州では、大統領の嘘に賛同しようとしない共和党派の公務員に対して、トランプ大統領が厳しい非難を浴びせる事態になっている。オハイオ州では、トランプ再選運動を共同で取り仕切った共和党選出の知事がジョー・バイデン候補の勝利を認め、トランプ大統領はすぐさまツイッターで知事を攻撃した。

大統領選挙の鍵を握る州の、今後のスケジュールは以下のとおりだ。

  • ジョージア州の認定期限は11月20日。
  • ペンシルベニア郡は11月23日までに認定書を提出しなければならない。
  • ミシガン州の認定期限は11月23日。
  • ネバダ州の認定期限は11月24日。
  • アリゾナ州の認定期限は11月30日。
  • ウィスコンシン州の認定期限は12月1日。

バイデン候補は、これらすべての州で勝利している。

12月14日に選挙人団が票を投じると、州の作業は終了する。その後は、選挙プロセスが連邦政府に移行する。 投票日から2カ月後、米国議会は上下院合同で選挙人の票を数え、1月6日に次期大統領を正式に選出する。

人気の記事ランキング
  1. Forget dating apps: Here’s how the net’s newest matchmakers help you find love 出会い系アプリはもううんざり、「運命の人」探す新ネット文化
  2. How tackling tech’s diversity challenges can spur innovation デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか?
  3. What Europe’s new covid surge means—and what it doesn’t 欧州で新型コロナの感染が爆発的に拡大、今なぜ?
パトリック・ハウエル・オニール [Patrick Howell O'Neill]米国版 サイバーセキュリティ担当記者
国家安全保障から個人のプライバシーまでをカバーする、サイバーセキュリティ・ジャーナリスト。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Forget dating apps: Here’s how the net’s newest matchmakers help you find love 出会い系アプリはもううんざり、「運命の人」探す新ネット文化
  2. How tackling tech’s diversity challenges can spur innovation デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか?
  3. What Europe’s new covid surge means—and what it doesn’t 欧州で新型コロナの感染が爆発的に拡大、今なぜ?
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.5
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.5Cities Issue

新型コロナのパンデミックによって激変した都市生活は、ポストコロナでどう変わるのか? 都市部への人口集中が世界で加速する中、環境、災害、貧困といった負の側面をテクノロジーは解決できるのか? 多様な人々が集まり、化学反応が起きるイノベーションの集積地としての役割を都市は今後も果たし続けるのか? 世界の豊富な事例と識者への取材を通して、新しい都市の未来像を描く。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る