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スマートシティはなぜ
失敗し続けるのか?——
都市に今求められているもの
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スマートシティはなぜ
失敗し続けるのか?——
都市に今求められているもの

スマートシティが話題になって10年以上が経つが、都市の抱える問題を解消、あるいは軽減できているようには見えない。テック企業が主導する現在のスマートシティ・プロジェクトは、テクノロジー機器とサービス、およびそれらが生成するデータの市場開拓に重点を置いており、都市インフラをアップグレードするものではない。 by Jennifer Clark2021.05.07

都市テクノロジー・プロジェクトが長らく目指してきたのは、都市の管理だ。つまり曖昧性を整理し、不確実性を軽減し、都市の成長と衰退を予測または調整することである。最新の「スマートシティ」プロジェクトには、以前の都市計画プロジェクトと多くの共通点がある。これまで何度も、こうした取り組みは都市の「問題」に対する新しい「ソリューション」を約束してきた。

Cities Issue
この記事はマガジン「Cities Issue」に収録されています。 マガジンの紹介

スマートシティの誇大広告の元になっているものの一つとして、テクノロジーが都市部にかつてない価値をもたらすという信念がある。テクノロジーがもたらす機会は非常に広大であるように思えるため、その機会について測定、評価、決定するのが困難であると感じることすらある。テクノロジーが都市へ向かって発しているメッセージはこうだ。「あなたは自分が何を扱っているのかわからないでしょうが、取り残されたくはないでしょう?」

しかし、10年間にわたるパイロット・プロジェクトと派手なデモンストレーションの後でも、スマートシティのテクノロジーが実際に都市の直面する課題を解決あるいは軽減できるかどうかは依然としてはっきりしない。 ブロードバンド接続、手頃な価格の住宅、公共交通機関など、最も差し迫った都市問題に関して多くの進歩を成し遂げるには、より良い政策とより多くの資金提供が必要とされるだろう。そして、こうした問題は必ずしも目新しいテクノロジーを必要としていない。

ただ、明らかなのは、政府や自治体が長い間果たしてきた管理およびインフラに関する責任を、テック企業がますます引き受けるようになっているということだ。スマートシティが都市における不平等の悪化を回避しようというなら、こうしたプロジェクトがどういった面で新しい機会と問題を生み出すのか、その結果として誰が損失を被る可能性があるのかを理解しなければならない。そのプロセスは、都市がこれまでどのように発展してきたかをしっかりと見つめることから始まる。

スマートシティ・ブームの発祥

「スマートシティ」が話題にのぼるようになったのは、2010年にIBMが「スマーターシティズ・チャレンジ」を打ち出してからだ。インフラのアップグレードを希望する都市に対し、IBMは数百万ドル相当のテクノロジーを提供する約束をした。この構想では何よりも、都市イノベーションへの非常に競合的なアプローチを確立し、民間から無料の製品やサービスを獲得する目的で都市が互いに競い合うことになった。

2010年代には、パイロット・プロジェクトを誘致する都市を選んだ企業に後押しされて、こうした競争の波が起こった。ブルームバーグ慈善財団、ロックフェラー財団といった多くの慈善団体が同様のイベントを開始した。2015年には、米国運輸省が自らの「スマートシティ・チャレンジ」に同じアプローチを用い、申請した78の都市の中から運輸テクノロジーの試験台としてオハイオ州コロンバスを選んだ。

こうした初期の取り組みの多くは、テクノロジー企業と個々の都市との間のパートナーシップであり、運輸、エネルギー、廃棄物、通信に関する大都市システムのアップグレードを目的としていた。ハードウェア、ソフトウェア、ビジネスサービス、コネクティビティを提供する企業が、システム全体のソリューションを提供するために提携を結んだ。

AT&Tが2016年に立ち上げた提携は 、このアプローチを象徴している。AT&Tは、シスコシステムズ、デロイト、エリクソン、ゼネラル・エレクトリック、IBM、インテルと提携し、アトランタ、シカゴ、ダラスではクアルコムとも提携した。目標としたのは、統合された製品とサービスの総合的パッケージで構成するスマートシティ・システムの開発だった。この業界主導のコンソーシアム・モデルには、中小企業やスタートアップが参入する余地はほとんどなかった。

振り返ってみると、この初期段階の取り組みは、現在とは大きく異なっている。2021年には、 シビック・スマートスケープス(Civiq Smartscapes、通信ネットワークインフラを販売)、ノードセンス(Nordsense、廃棄物管理用の組み込みセンサーネットワーク)、スーファ(Soofa、情報および経路探索キオスク)、アーバンフットプリント(UrbanFootprint、マッピング分析プラットフォームおよびサービス)といったより多様な企業が、より幅広い収益モデルとマーケティング戦略を模索している。ただし、こうした新規参入企業が一般に重点を置いているのは、都市全体のシステムの構築や物理的インフラのアップグレードではなく、特定のセクターを対象とした新しいデジタルサービスや、居住者自身を対象としたアプリの開発だ。

この傾向は、ビジネスモデルとテクノロジー戦略の変化だけでなく、テクノロジー産業にとって最も困難な課題も浮き彫りにしている。すなわち、テクノロジー自体を開発することではなく、スマートシティ・プロジェクトの市場とプロジェクトを展開していくコンテキストを理解することである。

スマートシティ・プロジェクトの多くを推進してきたのは、新しい製品向けの独自市場を作るのに慣れているテック企業だ。事実上、こうしたプロジェクトはすべて、テクノロジーの「ソリューション」を個々の都市や地域のニーズに適合させるのに失敗してきた。

初期の都市テクノロジー・ …

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