KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
脳が発達、心臓も鼓動——「人工胚」の成長で世界初
Amadei and Handford
生物工学/医療 無料会員限定
Scientists have created synthetic mouse embryos with developed brains

脳が発達、心臓も鼓動——「人工胚」の成長で世界初

ケンブリッジ大学やカリフォルニア工科大学の共同研究チームは、幹細胞から作られたマウスの人工胚を、脳が発達する段階にまで成長させることに成功した。ヒトの妊娠の初期段階における失敗などについて新たな知見をもたらす可能性があるという。 by Rhiannon Williams2022.09.14

最近、幹細胞から作られたこのマウスの人工胚は、これまでに作られたどのマウスの人工胚よりも、多くの脳の発達を示している。

この研究を実施したケンブリッジ大学とカリフォルニア工科大学の研究者によると、これまでも幹細胞からマウスの胚を作り出した研究はあったが、脳の前部を含む脳全体が発達し始める段階に達したのは初めてだという。

8月25日付けでネイチャー誌に掲載されたこの研究成果は、ヒトの胚の発達についての詳しい解明につながり、さまざまな病気に関する洞察を得るのに役立つだけでなく、動物に代わる実験材料となる可能性がある。

この新しい人工胚は精子や卵細胞を使わずに作られ、研究室で、自然のマウスの胚と並行して成長した。人工胚と自然胚は受精後8日半までは同じように成長し、鼓動する心臓や、最終的に脳と脊髄になる神経管など、臓器の基礎となる部分が形成された。

スペインのマドリードにあるセベロ・オチョア分子生物学センター(Center for Molecular Biology Severo Ochoa)のレオナルド・ベッカーリ博士は、「これは大きな進歩だと思います」と評価した(ベッカーリ博士は今回の研究には関与していない)。

発生のこの段階におけるマウスの幹細胞の相互作用に関する研究は、人間の妊娠が初期段階で失敗する理由や、それを防ぐ方法について有益な見識をもたらす可能性がある。

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  3. Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る