脳が発達、心臓も鼓動——「人工胚」の成長で世界初
ケンブリッジ大学やカリフォルニア工科大学の共同研究チームは、幹細胞から作られたマウスの人工胚を、脳が発達する段階にまで成長させることに成功した。ヒトの妊娠の初期段階における失敗などについて新たな知見をもたらす可能性があるという。 by Rhiannon Williams2022.09.14
最近、幹細胞から作られたこのマウスの人工胚は、これまでに作られたどのマウスの人工胚よりも、多くの脳の発達を示している。
この研究を実施したケンブリッジ大学とカリフォルニア工科大学の研究者によると、これまでも幹細胞からマウスの胚を作り出した研究はあったが、脳の前部を含む脳全体が発達し始める段階に達したのは初めてだという。
8月25日付けでネイチャー誌に掲載されたこの研究成果は、ヒトの胚の発達についての詳しい解明につながり、さまざまな病気に関する洞察を得るのに役立つだけでなく、動物に代わる実験材料となる可能性がある。
この新しい人工胚は精子や卵細胞を使わずに作られ、研究室で、自然のマウスの胚と並行して成長した。人工胚と自然胚は受精後8日半までは同じように成長し、鼓動する心臓や、最終的に脳と脊髄になる神経管など、臓器の基礎となる部分が形成された。
スペインのマドリードにあるセベロ・オチョア分子生物学センター(Center for Molecular Biology Severo Ochoa)のレオナルド・ベッカーリ博士は、「これは大きな進歩だと思います」と評価した(ベッカーリ博士は今回の研究には関与していない)。
発生のこの段階におけるマウスの幹細胞の相互作用に関する研究は、人間の妊娠が初期段階で失敗する理由や、それを防ぐ方法について有益な見識をもたらす可能性がある。
…
- 人気の記事ランキング
-
- It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
- China has approved the world’s first invasive brain-computer chip—here’s what’s next 中国、BCIを国家戦略に 世界初の商用化で イーロン・マスクにも先行
- Anthropic’s Code with Claude showed off coding’s future—whether you like it or not 「Claudeに任せてしまおう」 たった1年で激変したソフトウェア開発
- A reality check on the AI jobs hysteria 「ホワイトカラー消滅」 まだデータに兆候なし ——ただし若者に警戒信号
