KADOKAWA Technology Review
×
「脱絶滅」企業、ジュラシック・パークの技術は実現可能か?
Science Photo Library
生物工学/医療 無料会員限定
A de-extinction company is trying to resurrect the dodo

「脱絶滅」企業、ジュラシック・パークの技術は実現可能か?

米国のスタートアップ企業コロッサル・バイオサイエンシズ(Colossal Biosciences)は、はるか昔に絶滅した巨大な鳥類「ドードー」を復活させようと試みている。遺伝子編集技術を駆使して復活させる計画だが、成功の見込みはどれくらいあるのか。 by Antonio Regalado2023.02.14

ドードーは、身体が大きすぎて、空を飛べない、大食いの鳥だった。インド洋に浮かぶ島であるモーリシャスに生息していたが、欧州人が帆船で島に到来してからわずか150年後の1662年ごろ、絶滅したとされる。

現在、米国のあるバイオテクノロジー企業が、ドードーを復活させようと試みている。

ドードーは、テキサス州オースティンに拠点を置くコロッサル・バイオサイエンシズ(Colossal Biosciences)が、技術的な「脱絶滅」と呼ぶプロセスに選び出した3番目の種である。同社は広範囲な遺伝子工学を利用して、現在のゾウをケナガ・マンモスに変容させたり、タスマニア・タイガーを復活させたりしようと挑戦している。

MITテクノロジーレビューのインタビューで、ベン・ラム最高経営責任者(CEO)は、コロッサル・バイオサイエンシズは、41人の博士号保有者など十分な人材を抱えており、資金も十分にあると語った。プロジェクトへの注目を集めることで、動物保護と人間の健康に「広範な」影響をもたらすことができるという。

絶滅種を復活させるには、古代DNAのシーケンシング、クローニング(クローンの作製)、そして人工子宮など、『ジュラシック・パーク』に登場する技術がそのまま必要だからだ。設立から2周年のスタートアップ企業であるコロッサル・バイオサイエンシズは、直近で1億5000万ドルの追加資金を獲得し(累計資金調達額は2億2500万ドルとなった)、その一部は鳥類のゲノム解析に関する新たな取り組みに充てられるという。

ドードーを復活させることは、理論上は可能かもしれない。これはカリフォルニア大学サンタ・クルーズ校の古代DNA専門家であるベス・シャピロ教授の功績によるところが大きい。シャピロ教授らは、デンマークの博物館に保管されていた500年前のドードーから、詳細なDNA情報を回収することに成功したという。

現在、コロッサル・バイオサイエンシズに協力しているシャピロ教授は、MITテクノロジーレビューのインタビューで「私はドードーのゲノムを持っています」と答えた。「我々が最近仕上げたばかりのものです」。

このような遺伝子情報からドードーを作り出すためにコロッサル・バイオサイエンシズが立てた計画は次のようなものだ。現存する鳥類の中でドードーに最も近い、色鮮やかなミノバトの遺伝子を組み替えて徐々にドードーに近づけていく。さらに可能であれば、ドードーの元の生息地で「再野生化」させることも視野に入れている。

コロッサル・バイオサイエンシズは現在のところ、まだどの動物も作っていない。今はまだ、必要なプロセスを開発している段階だ。ドードーを作ることも実際には不可能かもしれない。ミノバトを、巨大なク …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
10 Breakthrough Technologies 2024

MITテクノロジーレビューは毎年、世界に真のインパクトを与える有望なテクノロジーを探している。本誌がいま最も重要だと考える進歩を紹介しよう。

記事一覧を見る
気候テック企業15 2023

MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」は、温室効果ガスの排出量を大幅に削減する、あるいは地球温暖化の脅威に対処できる可能性が高い有望な「気候テック企業」の年次リストである。

記事一覧を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る