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工業デザイナーがデザインした、見た目がソフトな警備ロボット
Security Robots Get a Designer Makeover

工業デザイナーがデザインした、見た目がソフトな警備ロボット

警備ロボットのゴツいイメージとは真逆の、布で覆われたソフトな見た目が特徴だ。メーカーは、最終的にビル管理業務全般をこなせるように改善する意向だが、人間の雇用を奪うつもりはなさそうだ。 by Rachel Metz2017.03.02

警備ロボットが、無機質なドロイドではなく、かわいらしい、布で覆われた外見になったら、ロボットとの対話は心地よくなるだろうか?

スタートアップ企業コバルトはそう考えている。コバルトの新型警備ロボットは著名な工業デザイナーであるイブ・ベアールとベアールの会社ヒューズプロジェクトが設計した。ロボットはしゃれたオフィスを巡回して人間と対話でき、大きさは人間と同じくらいでなめらかな外見だ。ボードゲームのコマのような形で、金属の骨組みが上から下に曲線を描く布で覆われている。片側にタッチ画面があり、オフィスで働く人は必要に応じて別の場所にいるオペレーターと話ができる。

コバルトの共同創業者であるトラビス・デイルCEO(MIT Technology Reviewは2015年の35歳未満のイノベーター35人に選出)は「普段は、従業員に安心感を与えます。警備員が常駐していて、何かあったときに話せるのと同じ水準でロボットと対話できるのです」という。

デイルCEOともうひとりの共同創業者のエリック・シュルンツCTO(ふたりはロボット工学の知識が豊富で、グーグルXリサーチラボでスマート・コンタクトレンズの開発に一緒に関わった)は昨年3月、パロアルトでコバルトを設立した。会社の設立については黙っていた。試作機2台を開発し、現在はいよいよロボットの最初の製品版の開発を開始しており、活動について公言するようになった。

A touch screen on the front of the robot lets people interact with it, and a badge reader can be used for identification.
ロボットの前面にあるタッチスクリーンで人間と対話したり、バッジリーダーで従業員を認証したりできる

デイルCEOによれば、コバルトの最初のロボットは今月、予約済みの顧客(大手金融機関や上場テクノロジー企業数社)に納入予定だ。デイルCEOは納入先やロボットの販売額を明かそうとしなかったが、シュルンツCTOは「警備員を雇うより安い」という。

コバルトの警備ロボットは、既存の警備ロボットからホテルや街中を動き回るロボットまで、人との対話を目的に開発され、急速に利用が進むロボットのひとつだ。

少なくとも導入初期段階では、コバルトのロボットは大半の時間、人間とは関わらず、単独で動作する。デイルCEOの説明によれば、ロボットは主に夜や週末にビルを巡回し、たとえば、閉まっているはずの窓やドアが開いている、といった異常や侵入者を発見すると人間のオペレーターを呼び出す。

ロボットはたくさんのカメラやマイク、ライト、センサーを内蔵している。ライダー(レーザー測距装置)と深度カメラで周囲の地図(ドアや窓の位置データをコバルトが拡張する)を作成し、上部のリング状のLEDは、ロボットが曲がるときに点灯する。バッテリーは一晩持続するが、完全に充電するため、1時間ごとに充電器に戻る。前面のタッチ画面で別の場所にいるオペレーターとビデオチャットしたり、従業員をバッジリーダーで識別したりできる。ガラスが割れたり誰かがロボットを呼んだりすれば感知できる。

最終的には、ロボットが画面に地図を表示して来客を会議室に案内したり、トイレの水漏れなど、ビル内の異常を従業員に伝えたりして、日中のビル管理業務並みの仕事もさせたいとデイルCEOは考えている。

自動化により、今まで人間が担ってきた仕事がなくなる懸念が大きくなっており、コバルトや競合のナイトスコープ製ロボットは、既存の警備員の競争相手とみなされる可能性もある。

ただしデイルCEOは、ロボットが人の仕事を置き換えるのではなく、ひとりの人間がビルの多くの場所を効率よく把握できるように、補助する意味合いが強いのだ、という。人間の警備員がいない小さなサテライトオフィスや、広すぎて人間だけでは監視しきれない広大な敷地の監視費を企業は抑えられる。

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レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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