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気象予測で最高性能、グーグルが生成的機械学習モデル開発
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Google DeepMind’s new AI model is the best yet at weather forecasting

気象予測で最高性能、グーグルが生成的機械学習モデル開発

グーグル・ディープマインドは生成的機械学習を用いた新しい気象予測モデル「ジェンキャスト(GenCast)」を発表した。従来の気象予測システムと比べて正確な予測が可能で、異常気象の予測にも優れているという。 by Scott J Mulligan2024.12.06

この記事の3つのポイント
  1. グーグルが新しい気象予測AIモデル「GenCast」を発表
  2. 過去40年分のデータで訓練され確率的な予測を生成する
  3. 従来モデルよりも性能が高く、気象学者との協働による活用に期待
summarized by Claude 3

グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)は、現在の最高性能のシステムよりも優れた気象予測能力を持つ人工知能(AI)モデルを発表した。「ジェンキャスト(GenCast)」と呼ばれるこの新しいモデルは、学術誌ネイチャー(Nature)に12月4日付けで発表された。

GenCastは、グーグルがここ数カ月の間に発表した2つ目のAI気象モデルである。同社は今年7月、既存の気象予測ツールで使われているような物理学ベースの手法とAIを組み合わせたモデル「ニューラルGCM(NeuralGCM)」の詳細を発表した。このモデルはより少ない計算能力で従来の手法と同様の性能を示した。

GenCastは、AIの手法だけに頼っている点がNeuralGCMと異なる。大雑把に言えばチャットGPT(ChatGPT)のような仕組みで機能するが、文中で次に来る可能性が高い単語を予測する代わりに、次に来る可能性が高い天候状態を予測する。モデルの訓練では、ランダムなパラメーターの重みから開始し、その予測結果を実際の気象データと比較する。訓練を繰り返すうちに、GenCastのパラメーターによって出力される予測は実際の天候に一致し始める。

研究チームは、1979年から2018年まで40年間の気象データを用いてGenCastのモデルを訓練し、2019年の予測を作成した。GenCastの予測は、現在もっとも正確な予測であるアンサンブル予測(ENS)を、評価対象の97%で上回り、風況や熱帯低気圧の進路のような異常気象の予測能力にも優れていた。風況予測能力が向上すれば、風力発電の実用性が高まる。風力発電事業者がタービンを停止したり起動したりするタイミングを計算するのに役立つからだ。異常気象をより正確に予測することで、自然災害に対する備えもしやすくなる。

気象予測にAIを応用している巨大テック企業はグーグル・ディープマインドだけではない。エヌビディア(Nvidia)は2022年に「フォーキャストネット(FourCastNet)」をリリースした。ファーウェイ(Huawei)は2023年、39年分のデータで訓練した「パングー・ウェザー(Pangu-Weather:盘古气象)」モデルを開発した。Pangu-Weatherは、決定論的な予測により、範囲ではなく単一の数値を予測する。明日の気温は-1°C、降水量は18ミリといった具合だ。

GenCastは、厳密な予測ではなく、確率的な予測(さまざまな天候の可能性)を生成する点でがPangu-Weatherと異なる。たとえば、「最低気温が-1°Cになる確率は40%」とか、「明日の降水量が18ミリになる確率は60%」というような予測を出す。この種の分析は、当局がさまざまな気象現象の可能性を理解し、それに応じて計画を立てるのに役立つ。

このような結果は、従来の気象学が分野として終焉を迎えることを意味するものではない。モデルは過去の気象条件に基づいて訓練されている。遠い未来に対してモデルを適用しても、変動し、ますます不規則になっている気候を正確に予測できない可能性がある。

GenCastは、1940年以降のさまざまな大気変数の1時間ごとの推定値を提供する「ERA5」のようなデータセットに依然として依存している。そう指摘するのは、今回の研究には関与していない、オクラホマ大学気象学部のアーロン・ヒル助教授である。「ERA5の基盤となっているのは物理学に基づくモデルです」とヒル助教授は言う。

さらに、大気には我々が直接観測していない変数がたくさんある。そのため気象学者は、物理学の方程式を使って推定値を算出している。これらの推定値は、アクセス可能な観測データと組み合わされ、GenCastのようなモデルに組み込まれる。また、精度の高い予測をするには常に新しいデータが必要となる。「2018年までのデータで訓練されたモデルの2024年における予測精度は、2023年までのデータで訓練されたモデルよりも劣ります」と、ディープマインドの研究者であり、GenCastの開発者の一人であるイラン・プライスは言う。

ディープマインドは今後、風速や湿度の測定値などのデータを使ってモデルを直接テストし、観測データだけで予測することがどれだけ実現可能かを調べる予定だ。

上部対流圏の状況の推定など、AIモデルが苦手とする予測はまだたくさんある。また、モデルは熱帯低気圧の進路を予測するのは得意かもしれないが、モデルの訓練に十分な低気圧の強度のデータがないため、低気圧の強度を過小予測してしまう。

現時点で期待されているのは、気象学者によるGenCastの活用だ。「実際に、予測を見て判断を下し、特定の予測を信頼できない場合は追加データを調べる気象学の専門家たちがいます」とプライスは言う。

ヒル助教授も同意見だ。「AI予測システムについて語るとき、著しく過小評価されているのは、これらの断片を組み合わせることができる人間の価値です。人間の予報士は、もっと多くの情報を見て、その情報を抽出し、非常に優れた予測ができます」。

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政策、ガバナンス、AIの内部構造などを取材するAI担当記者。AIに特化した若手ジャーナリスト育成プログラム「ターベル・フェローシップ(Tarbell Fellowship)」の支援を受けている。ヴァイス(VICE)ニュースでのドキュメンタリー映像制作、ビデオゲーム・デザイナーなどを経て現職。
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