KADOKAWA Technology Review
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見るために、消す——
ローマン宇宙望遠鏡が挑む
太陽系の外の「木星」
NASA's Goddard Space Flight Center
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Shape-shifting mirrors on NASA’s new space telescope could unveil Jupiters like our own

見るために、消す——
ローマン宇宙望遠鏡が挑む
太陽系の外の「木星」

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡は、宇宙で初めて「アクティブ」コロナグラフを搭載する。恒星のまぶしい光を能動的に打ち消し、その隣にある系外惑星を直接撮影する装置だ。2枚の変形鏡が、水素原子の10分の1ほどの精度で光を消す。狙うのは、太陽系の木星によく似た成熟した惑星である。 by Eshan Raul2026.07.23

この記事の3つのポイント
  1. ローマン宇宙望遠鏡は来月末打ち上げ予定で、宇宙初のアクティブコロナグラフを搭載する
  2. 変形可能鏡による波面制御で迷光を能動的に打ち消し、従来比最大1000倍の系外惑星検出感度を実現する
  3. 木星型惑星の直接撮像と大気分析を足がかりに、将来の地球型惑星探査ミッションへの道を開く
summarized by Claude 3

早ければ来月末にも打ち上げられる予定のNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(Nancy Grace Roman Space Telescope)は、天文学史上最も精密な「消去」技術の一つに挑む。この望遠鏡には、宇宙で運用される初の「アクティブ」コロナグラフが搭載される。コロナグラフとは、撮影時に恒星の光の大部分を効果的に消し去る装置だ。

これにより天文学者は、太陽系の惑星に似た、他の恒星を公転する惑星を初めて直接撮影できるようになる。さらに将来的には、地球に似た世界を初めて写真に収めるミッションへの道を開く可能性もある。

「地球2.0を発見するための重要な踏み台として記憶されることを願っています」と、NASAジェット推進研究所(JPL)でこの装置の主任機械エンジニアを務めるブランドン・クリーガーは語る。

NASA初代天文学部門長ナンシー・グレース・ローマンにちなんで命名されたこの新しい望遠鏡には、約3億画素の広視野カメラが搭載される。このカメラは、ハッブル宇宙望遠鏡の最も広い視野で撮影した画像と同等の解像度を保ちながら、約100倍広い範囲を撮影できる。

こうした性能は、ダークマター(暗黒物質)とダークエネルギー(暗黒エネルギー)の謎の解明に役立つだけでなく、約10万個の新たな系外惑星(太陽系外に存在する惑星)の検出も可能にする。これらの惑星の存在は、さらに遠方にある恒星の光が重力マイクロレンズ効果によってゆがむ様子から推定される。ローマン宇宙望遠鏡の競争率の高い初年度観測プログラムに2件の研究課題が採択されたハーバード大学の研究科学者、ハビエル・ビアーニャは、この飛躍を「一握りの人々にインタビューすること」から「世界規模の国勢調査を実施すること」への転換にたとえる。

もう一つのカメラにはコロナグラフが搭載され、一度に一つの恒星系を観測しながら恒星の光を遮断する。この装置により、天文学者は恒星周辺をこれまでにない精度で観測できるようになり、より小さく、より暗く、恒星により近い軌道を公転する系外惑星を直接捉えられるようになる。「これまで直接見ることのできなかった惑星を観測できるようになります」とクリーガーは語る。

消える手品の仕組み

宇宙で使用されるコロナグラフ自体は新しい技術ではない。しかし、現在ハッブル宇宙望遠鏡やジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)に搭載されている従来型のコロナグラフは、固定された光学系によって恒星の光を遮断している。この方法は確かに効果があるが、暗い部屋でホタルを探しながら懐中電灯に親指をかざすようなものだ。電球は見えなくなっても、迷光が漏れ出して虫の光をかき消してしまうことがある。望遠鏡の内部では、この迷光は機械の縁から漏れる光や、鏡やコーティングのごく微細な欠陥によって星の光がスペックル(斑点状の散乱光)に散乱されることで生じる。これらすべてが惑星を隠したり、惑星が存在するかのように見せかけたりする原因になり得る。

しかしローマン宇宙望遠鏡のコロナグラフは、これまで宇宙望遠鏡では一度も実現され …

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