KADOKAWA Technology Review
×
Facebookログイン終了のお知らせ(2026/3/31 予定)
アンデルセンの故郷、
ロボット産業の中心地に
デンマーク小都市の成功物語
Getty Images
ビジネス Insider Online限定
Welcome to robot city

アンデルセンの故郷、
ロボット産業の中心地に
デンマーク小都市の成功物語

童話作家アンデルセンの生誕地であるデンマークの小さな都市オーデンセは現在、協働ロボットで世界的に知られるようになった。地元大学発のスタートアップの相次ぐ成功が、人材や投資を引き寄せている。 by Victoria Turk2025.03.11

この記事の3つのポイント
  1. デンマークの小規模都市オーデンセには150社以上のロボット関連企業が集積
  2. 造船業の衰退からロボット産業が発展し大学発ベンチャーが次々と生まれた
  3. 資金や人材不足が課題だが拡大に伴い国際的な人材誘致も容易になってきた
summarized by Claude 3

デンマークのオーデンセを訪れる観光旅行客は、この都市の豊かな歴史と文化を目的にやって来る。ここは、11世紀にデンマーク最後のバイキング王であるクヌート王が殺害された場所である。また、その700年ほど後に、有名な童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが生まれた場所でもある。

しかし現在、人口21万人強のオーデンセには、150社以上のロボット工学、オートメーション、ドローン関連企業の所在地でもある。この都市は特に、協働ロボット(コボット)で知られている。コボットは人間と共に働くために設計されたロボットのことで、多くの場合、産業環境で使用される。ロボットはこの都市にとって「最も大切な産業」であり、市民の誇りであると、ピーター・ラーベック・ジュエル市長は言う。

オーデンセのロボット産業の成功は、より伝統的な産業である造船にルーツを持つ。1980年代、マースク・グループ(Mærsk Group)が所有するリンドー(Lindø)造船所は、アジアとの競争激化に直面した。そして造船工程の効率向上を図るため、近隣にあった南デンマーク大学に溶接ロボットの開発協力を申し入れた。当時は学生だったニールス・ユル・ヤコブセンは、このプロジェクトに参加するチャンスに飛びついたことを思い出す。10代の頃に『スター・ウォーズ』を見て以来、ロボットを扱う仕事をしたいと思っていたからだ。しかし、「デンマークでは、その可能性はないように思えました」と、ヤコブセンは言う。「何の活動もなかったのです」。

その状況が、造船所と大学の提携によって変わり始めた。90年代に入ると、海運会社マースクの財団が、自律型システムの研究に特化したマースク・マッキニー・モーラー研究所(Mærsk Mc-Kinney Møller Institute、MMMI)の設立に資金を提供したことで、この提携関係に大きく弾みがついた。リンドー造船所は最終的にロボット工学プログラムを縮小させてしまったが、MMMIでは研究が続けられた。 MMMIには、学生たちがロボット工学を学ぶために集まった。そして、まさにこの研究所で、3人の研究者が、より軽量で柔軟性があり、使いやすい産業用ロボット・アームのアイデアを思いついた。このアイデアがスタートアップ企業のユニバーサル・ロボッツ(Universal Robots)を生み出し、オーデンセ初のロボット …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Emerging Technology Nite #36 Special 【3/9開催】2026年版「新規事業の発想と作り方」開催のお知らせ
  2. EVs could be cheaper to own than gas cars in Africa by 2040 アフリカでEVがガソリン車より安くなる日——鍵は「太陽光オフグリッド」
  3. RFK Jr. follows a carnivore diet. That doesn’t mean you should. 「肉か発酵食品しか食べない」米保健長官が目指す「健康な米国」
  4. Why EVs are gaining ground in Africa アフリカ初のバッテリー工場も建設中、「次のEV市場」は立ち上がるか?
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る