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コネクティビティ A Cheap, Simple Way to Make Anything a Touch Pad

ぷるんぷるんのタッチセンサーも作れる夢の新技術

スプレー塗料と電極を使えば、壁から自動車のハンドル、小麦粘土まで、あらゆるものにタッチセンサー機能を「後付け」できる技術が発表された。 by Rachel Metz2017.08.14

Electrick can turn all kinds of objects, like this molded Jell-O brain, into touch pads.
「エレクトリック」は、あらゆる種類の物体をタッチパッドに変えることができる。例えば、ゼリー菓子の素を型に入れて作った、この脳も。

タッチパッドのついた、玩具、自動車のハンドル、壁、あるいはエレキギターはいかが?

あなたはきっと、毎日、小さなタッチスクリーンに(携帯電話の画面や、店舗のレジカウンターで)お目にかかっているだろう。だが、大きな面積のものや、平面以外のタッチセンサーにはなかなか出会わないのではないだろうか。大きくて起伏のある表面にこうしたインタラクティブな性質を与えるのには、費用と技術が必要だ。

この傾向は近いうちに変わるだろう。というのも、カーネギーメロン大学の研究者たちが、さまざまな種類の機器をタッチ操作に反応させる方法を考案したと発表したからだ。その方法とは、機器に導電性塗料をスプレーして電極を取り付け、機器のどこを押しているかをコンピューターで測定するだけだ。

「以前から持っている非インタラクティブな玩具やさまざまなモノを、インタラクティブなツールに変えることができるのです」と話すのは、研究プロジェクトを率いた大学院生ヤン・チャンだ。

チャンによると、「エレクトリック(Electrick)」と名付けられたこのシステムは、プラスチック、ジェロー(ゼリー菓子の素)、シリコンなどの材料に対応しているうえに、すでに流通している塗料や電子部品を利用しているため、今までよりずっと安価にタッチ・トラッキングを実現できるという。このプロジェクトは、コロラド州デンバーで開催された「CHI(コンピューター・人間相互作用カンファレンス)」で発表された。

チャンによるとチームの研究者は、導電性スプレーを(彼らが購入した製品は、通常、電子機器をコーティングして電波障害を弱めるために使われる)、自動車のハンドル、テーブル、玩具の犬、米国の地図、壁などたくさんのものに吹きかけた。そして、それぞれのものの周囲に複数の電極を取り付け、その電極をセンサーボードに接続した。センサーボード自体は、研究チームが開発したソフトウェアを動かしているノートPCに接続されている。

導電性スプレーでコーティングされたものの表面にタッチすると、電極によって作られた電場に乱れが生じる。その乱れをセンサーボードが拾い上げ、ソフトウェアが分析して、どこがタッチされたかを判別する。そして、タッチされた場所に応じて、予め設定しておいた機能や動作を実行する(例えば、仮想スライダーを上下させたり、仮想ボタンを押したり、音を出したりなど)。

研究者たちが作ったデモ映像ではエレクトリックを使って、自動車のハンドルを握る手の位置とその動きを感知する様子や、小麦粘土で作った雪だるまの各部を触ると、それに応じて効果音を再生する様子が紹介されている。また、ユーザーが壁を触って電球を点灯・消灯させたり、指を上下に滑らせることで、電球の明るさを調節したりするデモも紹介された。

チャンによれば、エレクトリックでタッチ・デバイス化した場合のタッチ認識率はおよそ99%だという。また、タッチ・トラッキングの距離を測定する際の平均誤差は、1センチメートル未満とのことだ。

このシステムは、現在は有線で接続されているが、センサーボードにはすでにBluetoothモジュールが搭載されていることから、無線化は容易だろう。データをスマホアプリに送るのに、Bluetoothモジュールが使えそうだという。

チャンは、ゆくゆくはエレクトリックを市販製品にしたいと考えている。ただ、その前に取り組んでおかなければならない問題は多い。研究チームにはこのテクノロジーの耐久性をまだ調べておらず、導電性塗料の上から別のコーティングで覆った場合、機能がどれほど長く保たれるかはわかっていない(コーティングを施した状態でもエレクトリックは動くという)。また、電子レンジや電灯からくる電磁気干渉が、タッチ・トラッキングのデータに影響を与えることもあるという。

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クレジット Images and video courtesy of Future Interfaces Group, Carnegie Mellon University
レイチェル メッツ [Rachel Metz]米国版 モバイル担当上級編集者
MIT Technology Reviewのモバイル担当上級編集者。幅広い範囲のスタートアップを取材する一方、支局のあるサンフランシスコ周辺で手に入るガジェットのレビュー記事も執筆しています。テックイノベーションに強い関心があり、次に起きる大きなことは何か、いつも探しています。2012年の初めにMIT Technology Reviewに加わる前はAP通信でテクノロジー担当の記者を5年務め、アップル、アマゾン、eBayなどの企業を担当して、レビュー記事を執筆していました。また、フリーランス記者として、New York Times向けにテクノロジーや犯罪記事を書いていたこともあります。カリフォルニア州パロアルト育ちで、ヒューレット・パッカードやグーグルが日常の光景の一部になっていましたが、2003年まで、テック企業の取材はまったく興味がありませんでした。転機は、偶然にパロアルト合同学区の無線LANネットワークに重大なセキュリテイ上の問題があるネタを掴んだことで訪れました。生徒の心理状態をフルネームで記載した取り扱い注意情報を、Wi-Fi経由で誰でも読み取れたのです。MIT Technology Reviewの仕事が忙しくないときは、ベイエリアでサイクリングしています。
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