KADOKAWA Technology Review
×
機械学習で設定をアドバイス、個人情報を守るスマホアプリ
ニュース Insider Online限定
Personal AI Privacy Watchdog Could Help You Regain Control of Your Data

機械学習で設定をアドバイス、個人情報を守るスマホアプリ

個人情報の宝庫であるにも関わらず、スマホのプライバシー・ポリシーや個人設定を確認しないユーザーは多い。カーネギーメロン大学の研究者が作ったアプリは、そうした状況を変える可能性がある。 by Mike Orcutt2017.05.14

モバイル・アプリが収集・利用し、共有している個人情報に絶えず注意を払うには、長くて曖昧で面倒なプライバシー・ポリシーと、個人情報へのアクセスを許可する設定を理解する必要がある。だが、今なら役立つアプリがある。

カーネギーメロン大学の研究者が作ったプライバシー・アシスタントは、アンドロイド(Android)スマホのアプリが収集する個人情報を、機械学習を使ってより的確に管理するアプリだ。スマホのアプリのいくつかの質問、たとえば、金融アプリが「あなたの位置情報にアクセスしてもよいですか?」といったよくある質問に対する答えと、アプリの分析から得られる情報を組み合わせ、ユーザーがどのようにアクセス許可設定をするべきかを助言する。

このアプリはルート化(いわゆる「脱獄」)された端末でのみ利用可能だ。つまり、オペレーティングシステムのロックが解除され、未承認のアプリでも使えるようにする必要がある。しかし、カーネギーメロン大学の「パーソナライズ・プライバシー・アシスタント・プロジェクト」を率いるノーマン・サデー教授(コンピューター科学)は、このテクノロジーを競合との最終的な差別化手段だと主要なテック企業が考えれば、メジャーなツールになるきっかけになると期待している。

ターゲティング広告のためのユーザー・データの収集や解析はますます盛ん …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. A long-abandoned US nuclear technology is making a comeback in China 中国でトリウム原子炉が稼働、見直される過去のアイデア
  2. Here’s why we need to start thinking of AI as “normal” AIは「普通」の技術、プリンストン大のつまらない提言の背景
  3. The US has approved CRISPR pigs for food CRISPR遺伝子編集ブタ、米FDAが承認 食肉として流通へ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る