KADOKAWA Technology Review
×
発表!MITテクノロジーレビューが選ぶ
2022年のイノベーター14人。
【12/15 Summit開催】
Baidu Is Bringing Intelligent AR to the Masses

バイドゥが
「電脳コイル」を実現

コンピュータービジョンと自然言語処理を組み合わせた拡張現実で、数億人のユーザーがレイヤーを拡張された現実を体験する。 by Jamie Condliffe2016.08.03

中国の大手インターネット企業バイドゥが発表した新しいARプラットフォームは、ユーザーが多岐にわたるアプリのテクノロジーを利用できる。

DuSeeと呼ばれるシステムは「高度なコンピュータービジョンと深層学習」により「ユーザーが3次元環境を理解し、現実世界を操作し、フィードバックを受けられるバーチャルオブジェクトが作成できるという。DuSeeは、ポケモンGOや、より進んだ最新テクノロジーを使用するグーグルのTangoのような基礎的ARシステムのひとつのようだ。ポケモンGO型なら、単にアニメーションをデバイスの画面に映し出して現実世界に違和感なく表示し、Tango型なら、3Dカメラテクノロジーで、周囲の環境を映像として、ビジュアルグラフィックスを重ねる。

一方でDuSeeは、スマホのカメラに映った被写体をコンピュータービジョンで検知して解釈し、ユーザーに追加情報を表示する。

バイドゥはDuSeeの使用例を2つ示した。ひとつは、ソフトウェアが上海の2次元地図を認識し、SimCityのような3次元のイラストに書き起こす。もうひとつは、シャンプーの広告を識別し、花を基調とするブランドイメージに調和するバーチャルな花びらを追加し、広告が空間を動き回っても花びらの位置は変わらない。

恐らく、もっとも素晴らしいことは、バイドゥはDuSeeをモバイルBaidu検索など、最も人気の高い自社アプリに用いる計画を立てていることだ。アプリだけでも数百万人のユーザーに使われており、ARはすぐに多くの人の生活の一部になるのだ。

バイドゥは、近年AIシステムへの投資を倍増させている。過去には、本当にくだらないけれど大がかりな画像加工ソフトを手掛けたり、役立つ製品や試作品を開発するために、中国の国産深層学習システム「パドル」を使ったりしてきた。中には、コンピュータービジョンで画像を音声に変換して、目の前に何があるかを視覚障害者に伝えるヘッドセットや、音声インターフェイス用の強力な音声認識ソフトもある。実際、バイドゥは「ARと言語認識や自然言語処理をDuSeeに統合するなど、将来の方向性に期待しています」と述べている。

可愛いキャラクターや魅力的な遊び方で人気のポケモンGO(中国ではまだ公開されていない)は、全世界にARの魅力を広めた。一方でバイドゥは本当に知的な拡張現実体験を一般大衆に最初に提供するかもしれない。

関連ページ

人気の記事ランキング
  1. Here’s how a Twitter engineer says it will break in the coming weeks ツイッターで「非公式RT」が一時復活、崩壊の始まりか
  2. Former Twitter employees fear the platform might only last weeks 「ハードコア」大量離職で、元従業員らがツイッターに余命宣告
  3. We could run out of data to train AI language programs  大規模言語AIにアキレス腱、訓練用データが2026年にも枯渇か
  4. President Biden reveals the James Webb Space Telescope’s “poetic” first image of the universe ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の最初の写真、130億年前の銀河も
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Here’s how a Twitter engineer says it will break in the coming weeks ツイッターで「非公式RT」が一時復活、崩壊の始まりか
  2. Former Twitter employees fear the platform might only last weeks 「ハードコア」大量離職で、元従業員らがツイッターに余命宣告
  3. We could run out of data to train AI language programs  大規模言語AIにアキレス腱、訓練用データが2026年にも枯渇か
  4. President Biden reveals the James Webb Space Telescope’s “poetic” first image of the universe ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の最初の写真、130億年前の銀河も
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8脱炭素イノベーション

2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、世界各国で研究開発が加速する脱炭素技術、社会実装が進む気候変動の緩和・適応策などGX(グリーン・トランスフォーメーション)の最新動向を丸ごと1冊取り上げる。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る