KADOKAWA Technology Review
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Microsoft’s Bid to Connect Rural America: Send Out Internet in between TV Signals

マイクロソフト、テレビ電波で農村のネット難民救済へ

ブロードバンドインフラの整備が遅れている米国では、いまだ高速ネット回線を利用できない人が2000万人以上もいる。マイクロソフトはテレビの空き周波数帯を使ったネット接続でブロードバンド難民を救う計画だ。 by Jamie Condliffe2017.07.19

グーグルには風船がある。フェイスブックにはドローンがある。スペースXには人工衛星がある。だが、マイクロソフトには情報格差を乗り越え、地方部にインターネットを届けるための、いくぶん慎ましい計画がある。

ブルームバーグの報道によれば、マイクロソフトは7月11日、農村地域に向けてデータを飛ばすための新たな構想を発表するという(日本版編注:予定通り発表された)。これは、未使用のテレビ電波帯にデータを差し込むことでデータ通信を実現するというものだ。その発想はかなりシンプルだ。テレビ放送の周波数帯の間には、干渉を避けるための小さな隙間(ホワイトスペース)があって、マイクロソフト(2017年版スマート・カンパニー50に選出)はそこにブロードバンドデータを乗せようと計画しているのだ。

マイクロソフトは、このテクノロジーを使って米国の人々にインターネット接続を提供するため、来年、12州の12の計画において、地域の通信企業との連携を始めようと計画している。同社のさらに大きなビジョンは、2022年までに、米国の200万人の人々にブロードバンド通信を提供することだ。マイクロソフトは、このプログラムを「市民としての投資」と見ているという。ただ、いっせいにインターネット接続提供を競争している他のテック企業と同様、マイクロソフトも新たな顧客の開拓に期待しているのだろう。

ホワイトスペース電波を活用するには、該当する周波数帯の信号を送信する基地局、そして、家庭にはそれに合ったアンテナが必要だ。アンテナは、テレビの代わりにモデムにつながれる。テレビ信号は最大13キロメートル先まで届くため、広い範囲をカバーしやすい。

この方法はかなり安価でもある。必要なインフラが比較的単純であるためだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、マイクロソフトは、ホワイトスペースを使って150億ドルで米国地方部をインターネットにつなぐことが可能だと試算している。これは、光ファイバーを使った場合の650億ドルにも上る予算に比べてずっと小さい。しかしながら、その分、難点もある。バージニア州南部で試験導入した際、ダウンロード速度は1秒あたり10メガバイトにしか達しなかった。

データをテレビ周波数帯の合間に乗せて送るという考えが連邦通信委員会に初めて承認されたのは、2008年にさかのぼる。だが、米国ではまだテクノロジーとして広く採用されてはいない。しかしながら、マイクロソフトはアフリカの数か国ですでにこのアプローチを試験導入しており、ジャマイカ、ウルグアイ、フィリピン、ブータンでも同様に試験を行っている。

ホワイトスペース構想がインターネット接続を求める米国民に支持されても、全員が満足するわけではない。全米放送事業者協会はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、マイクロソフトの計画がテレビ放送に対する妨げになるのではないかと心配していることを語っている。だが、考えてもみてほしい。私たちにはネットフリックスがあるじゃないか。

(関連記事:Bloomberg, The Wall Street Journal, “Microsoft Starts Slashing African Internet Prices with White-Space Networks,” “The Coming Wireless Revolution,” “The Unacceptable Persistence of the Digital Divide”)

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ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
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