KADOKAWA Technology Review
×
A Laser Sensor on an iPhone Would Make a Lot of Sense

新型アイフォーンはARマシン? 3Dレーザー・センサー搭載か

ある情報筋によると、アップルが今秋発表するiPhone次期製品には、奥行を検知するレーザー・システムが搭載されるという。もし実現すれば、これまでにない拡張現実(AR)アプリが可能になる。 by Jamie Condliffe2017.07.14

将来のアイフォーン(iPhone)には奥行きを検知するレーザー・システムが装備されそうだ。これはそれほどクレイジーなアイデアではない。

米国メディアのファスト・カンパニーは、アップル製品に詳しい情報筋によると「アップルは今秋発表する新しいアイフォーンの裏側に、背面3Dレーザー・システムを追加しようと必死に取り組んでいる」と2017年7月12日の記事で報じている。この情報は、アップル製品の情報サイトであるマックルーモア(MacRumors)での今年2月のうわさ、将来のデバイスには 「完全な3Dセンシング機能」が備わるかもしれない、という話と一致する。

このところ、「レーザー・センサー」と言えば多くの自律自動車が使っているライダー(LIDER:レーザーによる画像検出・測距)ユニット を思い浮かべるだろう。周囲の世界の位置情報を高精度で測定するための仕組みだ。しかし、レーザー・センサーにさほど高度な技術は必要ない。昨年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちは10ドルのレーザーと簡単な回路で、普通のスマホに低出力の測距機能を追加できることを示した。しかも、誤差が数ミリメートル以下の正確さであった。

実際、ファスト・カンパニーの情報筋は、奥行きセンサーのためのレーザー、レンズ、検出器、電子部品にかかるコストは、アイフォーン1台あたり2ドル程度と見ている。無人乗用車と同じレベルのマッピングとはいかないことは明らかだが、距離計測と空間マッピングが可能になれば、カメラを1つだけ搭載したアイフォーンにはできないことができるようになる。しかもレーザー測距はアイフォーン7 プラス(iPhone 7 Plus)のステレオカメラ・システムよりも正確で、暗い状況下でも機能する。

アイフォーンへの機能追加は、アップルが旗艦製品を進歩させようとしている方向性に合致する。2017年6月に開かれた開発者会議で同社は、長年の拡張現実(AR)製品の製造に対する要望に応じる形で アップルデバイス向けにARソフトウェアを作成する新たな開発ツールを発表し、カメラを1つだけ使っても、素晴らしいアプリを作れるというソフトウェアの例を示した。しかし、レーザー・センサーにより、一層正確な測距情報が得られるようになり、さらに、よりリアルなARが実現できるようになる。レーザー・センサーは、空間の3Dマッピングや、カメラのより高性能な焦点合わせといった他のアプリにも利用できるだろう。

実際のところ、アイフォーンの次期製品にレーザー・センサーが備えられるかどうかはまだ定かではない。しかし、実現すれば大きな意味がある。

(関連記事:Fast Company、「アップル、スマートグラスとAR対応iPhoneを真剣に検討中」、「自律自動車の重要部品「ライダー」に盗用と在庫・性能不足問題」)

人気の記事ランキング
  1. This new image shows off magnetic fields swirling around a black hole 周囲の磁場くっきり、初撮影チームがブラックホール最新画像を公開
  2. What are the ingredients of Pfizer’s covid-19 vaccine? ファイザーの新型コロナワクチンの成分は?専門家が解説
  3. Error-riddled datasets are warping our sense of how good AI really is AIモデル評価用データセットに多数の誤り、実は優秀ではなかった?
  4. Covid-19 immunity likely lasts for years 新型コロナ、免疫は長期間持続か=米新研究
  5. Google’s top security teams unilaterally shut down a counterterrorism operation グーグルが報告した手練れのハッキング集団、実は欧米の工作員
タグ
クレジット Photograph by NeONBRAND | Unsplash
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. This new image shows off magnetic fields swirling around a black hole 周囲の磁場くっきり、初撮影チームがブラックホール最新画像を公開
  2. What are the ingredients of Pfizer’s covid-19 vaccine? ファイザーの新型コロナワクチンの成分は?専門家が解説
  3. Error-riddled datasets are warping our sense of how good AI really is AIモデル評価用データセットに多数の誤り、実は優秀ではなかった?
  4. Covid-19 immunity likely lasts for years 新型コロナ、免疫は長期間持続か=米新研究
  5. Google’s top security teams unilaterally shut down a counterterrorism operation グーグルが報告した手練れのハッキング集団、実は欧米の工作員
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.3/Spring 2021
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.3/Spring 2021Innovation Issue

AI/ロボット工学、コンピューター/電子機器、輸送、ソフトウェア、インターネット分野で活躍する13人の日本発のイノベーターを紹介。併せて、グローバルで活躍する35人のイノベーターの紹介と、注目のイノベーション分野の動向解説も掲載しました。
日本と世界のイノベーションの最新情報がまとめて読める1冊です。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る