KADOKAWA Technology Review
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鳴り止まない迷惑電話がなくなる日は来るのか?
Will We Ever Stop the Robocallers?

鳴り止まない迷惑電話がなくなる日は来るのか?

米国では自動営業電話の被害が深刻化している。政府は1年前から対策に乗り出しているが、問題解決には近づいていない。 by Mike Orcutt2017.07.18

米国連邦通信委員会(FCC)が、自動営業電話(ロボコール)を厳重に取り締まる新たな取り組みに乗り出した。聞き覚えがある話だと思うかもしれないが、それはこの委員会が1年ほど前にも大がかりなロボコール対策に取り組んでいるからだ。当時と比べても問題解決にはあまり近づいていない現状が、この問題の複雑さと困難さを示している。

昨年夏、FCCは産業界主導の「ロボコール対策作業部会」を立ち上げた。30社あまりのテック企業から代表者が参加したこの作業部会に対し、FCCは 「迷惑ロボコールを防ぎ、検出し、フィルターをかけるための包括的な解決策」を探り出し、報告するよう求めた。当時のトム・ウィーラーFCC委員長は、ロボコールは「災難」だと口にした(関連記事「」)。

作業部会は、昨年10月に発表した報告書の中で複数の対策を提示しながらも、「この問題に普遍的解決策は存在しない」と結論付けた。その一方で、状況は悪化の一途を辿っている。米国に暮らす人々に掛かってくる迷惑電話の件数は毎月20億回以上に上り、新たに就任したFCCのアジット・パイ委員長によると、一般消費者からFCCに寄せられるクレームの数で最大となっている。7月13日にワシントンで開かれた会議の中でパイ委員長は「米国民は猛烈に怒っています」と述べた。

パイ委員長は、着信がロボコールでないかを確かめるための新しいシステムが必要だと考えているが、インターネットを介した音声通話技術により、正当な着信の認証はとりわけ困難となっている。世界中のスパム業者が米国の電話番号を自動ダイヤルする安価な機器を所持しており、発信者番号通知システムをごまかして偽の電話番号を表示させることは比較的簡単にできてしまう。FCCは現在、通信やインターネットに関わる業界団体が提案した新たな着信認証システムに関する意見を求めている

昨年の報告書でも概要が示されたこの着信認証システムは、インターネットで利用される技術の標準化を策定する組織「インターネット技術タスクフォース(IETF)」が開発した新プロトコル に基づいている。 新プロトコルは、サービス事業者が発信者に対して暗号化署名を付与できるようにするもので、これにより、通信過程で通信事業者を識別し、発信者が正規の電話番号を使用しているかどうかが検証できる。

こういった仕組みを取り入れることは簡単に思えるが、実際に電話通信システム全体に行き渡らせるのは困難で、すぐには実施できないだろう。まず第一に、多くの通信事業者にとって、この取り組みへの参加を動機付ける要素がほとんどない。なぜなら、通信事業者は利用者の通信量が多ければ多いほど利益が得られ、そこに通信の内容は関係ないからだ。また、FCCのマイケル・オライリーコミッショナーも、前述のワシントンにおける会議の中で「こういった管理体制の創出、促進、あるいは義務付けは、実質上、テクノロジーの強制に非常に近く、FCCの適切な役割ではありません」と発言した。

(関連記事: Reuters, 「実は利害が一致? 通信事業者と迷惑電話 」)

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クレジット Photograph by Saul Loeb | Getty
マイク オルカット [Mike Orcutt]米国版 准編集者
暗号通貨とブロックチェーンを担当するMITテクノロジーレビューの准編集者です。週2回発行しているブロックチェーンに関する電子メール・ニュースレター「Chain Letter」を含め、「なぜブロックチェーン・テクノロジーが重要なのか? 」という疑問を中心に報道しています。
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MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
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