KADOKAWA Technology Review
×
自動化はメガシティへの一極集中を加速する
Justin Saglio
Automation Will Make Megacities Grow Way Faster

自動化はメガシティへの一極集中を加速する

小都市の仕事ほど、機械に奪われやすい。MITメディアラボの研究者はこう指摘する。メガシティへの一極集中は小都市を消滅させる可能性がある。 by Jamie Condliffe2017.11.14

ロボットと人工知能(AI)が労働市場に大きな激変を引き起こそうとしている。当然、労働者の居住地にも劇的な影響を与えるはずだ。

マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究者であるイヤッド・ラーワン准教授についての記事を先日、掲載した。ラーワン准教授は、小都市が自動化の影響を最も受けると主張している人物だ。研究の中で、ラーワン准教授は、大都市には判断や解析を伴う仕事が過度に集中し、小都市には単調で事務的な仕事が過度に集中すると結論付けている。仕事が機械化されることで、小都市がさらに苦しむことを意味する。

ラーワンは11月8日、マサチューセッツ州ケンブリッジで開かれたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech」で講演し、メガシティの急成長について説明した。「都市化現象は現在起きています」「人工知能(AI)は都市化に歯止めをかけることができません。実際、都市化は加速するでしょう。なぜなら、小都市の仕事は自動化で大量に奪われるからです。生き残るには、大都市へ移らなければなりません」。

問題は、労働者が移動すると、小さな町はどうなるかということだ。ラーワン准教授は「小都市は完全に捨てられ、誰もがメガシティに移住する可能性があります。ですが、スムーズに移動するかどうかは不明です」と語った。ラーワン准教授の主張は正しい。住宅戸数、インフラ、求人市場は、大幅で急速な人口増加にうまく対応できないでいる。

ラーワン准教授はこう提案する。政策立案者は、人口の少ない地域の活用法を考え直さなければならない。一連の新規産業に投資し、自動化の波に飲まれた地域から移転可能な就業機会を提供する必要がある。

人気の記事ランキング
  1. Singapore’s police now have access to contact tracing data シンガポールの接触追跡アプリが方針転換、犯罪捜査でも利用可に
  2. The winners of Innovators under 35 Japan 2020 have been announced MITTRが選ぶ、日本発の35歳未満のイノベーターを発表
  3. Don’t panic about the latest coronavirus mutations, say drug companies 新型コロナ「変異種」を過度に恐れる必要がないこれだけの理由
  4. Don’t worry, the earth is doomed 人類を滅亡に導く、15の破壊的リスク
  5. The kitchen of the future is here, it’s just not evenly distributed 電子レンジ、真空調理器超える「キッチン・テクノロジー」の未来
タグ
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。
Innovators Under 35 Japan 2020

MITテクノロジーレビューが主催するグローバル・アワード「Innovators Under 35」が2020年、日本に上陸する。特定の分野や業界だけでなく、世界全体にとって重要かつ独創的なイノベーターを発信していく取り組みを紹介しよう。

記事一覧を見る
人気の記事ランキング
  1. Singapore’s police now have access to contact tracing data シンガポールの接触追跡アプリが方針転換、犯罪捜査でも利用可に
  2. The winners of Innovators under 35 Japan 2020 have been announced MITTRが選ぶ、日本発の35歳未満のイノベーターを発表
  3. Don’t panic about the latest coronavirus mutations, say drug companies 新型コロナ「変異種」を過度に恐れる必要がないこれだけの理由
  4. Don’t worry, the earth is doomed 人類を滅亡に導く、15の破壊的リスク
  5. The kitchen of the future is here, it’s just not evenly distributed 電子レンジ、真空調理器超える「キッチン・テクノロジー」の未来
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.2/Winter 2020SDGs Issue

今、世界中の企業や機関の技術者・研究者たちが各地で抱える社会課題を解決し、持続可能な世界の実現へ向けて取り組んでいる「SDGs(持続可能な開発目標)」。
気候変動や貧困といった地球規模の課題の解決策としての先端テクノロジーに焦点を当て、解決に挑む人々の活動や、日本企業がSDGsを経営にどう取り入れ、取り組むべきか、日本が国際社会から期待される役割について、専門家の提言を紹介します。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る