KADOKAWA Technology Review
×
10/9「生成AIと法規制のこの1年」開催!申込み受付中
米国で蔓延するオピオイド中毒、「飲むセンサー」で服薬を追跡
eTectRx
ニュース 無料会員限定
Digital Pills Track How Patients Use Opioids

米国で蔓延するオピオイド中毒、「飲むセンサー」で服薬を追跡

薬と一緒に飲み込む経口摂取型のワイヤレスセンサーと、センサーの電波を受信するウェアラブル型受信器の試験が、米国の病院で実施されている。医師から出された薬を患者が正しく服用しているか追跡調査するためのもので、オピオイドなどの依存性の高い薬の過剰摂取を防ぐのにも役立つとされている。 by Emily Mullin2017.12.27

患者が処方されたとおりに薬を飲んでいるかを追跡する手段として、消化管を通り抜けながらスマホにメッセージを送信する新しいピル・カプセルが登場した。ある試算によれば、投薬の指示に対するノンアドヒアランス(患者が治療に対して非積極的であること)の問題は、年間およそ12万5000人を死に至らしめ、そして少なくとも入院の原因の10%になっているという。

経口摂取型の追跡テクノロジーは、オピオイドのような依存性の非常に高い医薬品を患者が飲みすぎていないかを確認するためにも、すぐに利用できる。ボストンのある病院の研究者らは、内科医が正しい量の薬を処方し、患者が必要以上に薬を服用しないようにするために、このハイテク・ピルが役立つと考えている。

ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の救急医であり、医療毒物学者であるエドワード・ボイヤー医師とピーター・チャイ医師は、米国内でオピオイドの濫用が進むにつれ、初めてオピオイドを処方された患者が、その薬をどのように服用するかを突き止めたいと考えた。

チャイ医師によれば、患者が薬をどう飲んでいるかのパターンを特定できるようになれば、そのパターンに変化があったとき(例えば患者の薬の服用量が増えた場合や、オピオイドの服用時間としてもっとも危険である就寝前に飲むようになった場合など)に内科医が介入するのに役立つという。

医師らは、ワイヤレス・センサー付きの経口摂取型ゲルカプセルを開発しているフロリダ州ニューベリーを拠点とする …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The coolest thing about smart glasses is not the AR. It’s the AI. ようやく物になったスマートグラス、真価はARではなくAIにある
  2. Sorry, AI won’t “fix” climate change サム・アルトマンさん、AIで気候問題は「解決」できません
  3. Space travel is dangerous. Could genetic testing and gene editing make it safer? 遺伝子編集が出発の条件に? 知られざる宇宙旅行のリスク
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る