KADOKAWA Technology Review
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AI国際競争に勝つために
いま必要な政策とは何か?
知性を宿す機械 Here’s how the US needs to prepare for the age of artificial intelligence

AI国際競争に勝つために
いま必要な政策とは何か?

オバマ前政権が作ったAI戦略が世界中に大きな影響を与えている一方、AIに無関心な政府によって米国の国際競争力は低下するかもしれない。では、優れたAI計画とはどのようなものだろう? by Will Knight2018.04.19

世界中の政治家が米国政府の最も優れたアイデアを盗んで、人工知能(AI)の進化を最大限に利用する野心的な計画を立てている。

中国やフランスが作ったAI政策は、どれもオバマ政権を模範にしている。政権が終盤に近づいたころ、オバマ政権はAIテクノロジーに関する報告書を発表した。この報告書は、具体的な資金提供にこそ触れていないものの、政府戦略でAIを重要視すべきだとの考えを明確に示すものだった。

政府関係者によると、トランプ政権はオバマ政権のビジョンを放棄するとともに、独自のAI計画を立案するつもりもないらしい。国を挙げてAIに取り組む必要はなく、テクノロジーを繁栄させる最良の方法は政府介入を最小限に抑えることだと考えているようだ。

トランプ政権のこの考え方は大きな誤りだ。AIによる技術革新を実質的に無視する方針をとるなら、米国は経済再起と、賃金上昇と雇用創出に弾みをつけるチャンスを最大限に生かすことはできないだろう。計画の失敗は、AI発祥の地である米国の国際競争力の低下を招く可能性もある。

AIに大きく賭ける姿勢を最近表明したのが、フランスだ。エマニュエル・マクロン仏大統領は3月下旬、AI計画を発表し、16億ドルの資金提供と新しい研究センターの設立、データ共有政策、倫理指針などを明らかにした。マクロン大統領はまた、AIテクノロジーは経済的生産性を全体的に押し上げ、賃金上昇と雇用創出をもたらすとの考えを示し、多くの経済学者や政策専門家の意見に同調する姿勢を見せた。

最も注目に値する国家計画を発表したのは中国だ。中国は昨年、2030年までにAI分野で優位に立つ計画を発表した(「国家レベルでAIに賭ける 中国から何を学ぶべきか」を参照)。計画の詳細は明確ではないが、何十億ドルという資金がAI産業に投入される予定だ。中国の専門家の間でも、AIテクノロジーが経済と社会にどのような影響を与えることになるか議論が交わされている。

他の国々でも、AIの可能性は認識されている。英国政府はAIに関する複数の大規模な研究を発表するとともに、昨年には革新的分野に6億6300万ドルの資金を投じた。大部分はAIへの投資だ。カナダは複数の新しいAI機関を設立し、AIテクノロジーに取り組む企業を誘致するためのインセンティブを導入した。ドイツは独自のAI戦略の準備をしていると言われている。

では、米国が新たにAI基本計画を立案するなら、何を目標とすべきか?

投資の拡大

AI研究への資金提供が最優先、というのがオバマ政権で経済諮問委員会の委員長を務めたジェイソン・ファーマンの意見だ。2016年にAI報告書をまとめたファーマン元委員長によると、基礎研究には政府による支援が必要で、民間による進歩だけでは国家全体の利益にはならないという。

さらにファーマンは、政府によるAIの振興が特に重要だと付け加えた。AIが賃金上昇と新しい雇用機会につながる経済効果をもたらすことができるからだ。「経済学者によると、一般的に投資収益の観点から、米国 …

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