AIでも「米国第一」、トランプ政権が発表したしょぼすぎる政策
トランプ政権は5月10日、「AIに関する特別委員会」の発足を発表した。同政権はAI分野にも「アメリカ・ファースト」を貫き、AI研究を推進すると同時に社会への影響に備えるとしているが、他の施策との矛盾は明らかで、取り組み自体も他国に比べると小規模に思える。 by Will Knight2018.05.11
トランプ政権が新しいタスク・フォースの設立を発表した。人工知能(AI)に対して「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」のアプローチを押し進めるためである。
科学・技術政策担当のマイケル・クラチオス大統領副補佐官は5月10日、米国科学技術政策局(NSTC)の下に招集されたホワイトハウスの会合で、「AIに関する特別委員会」の発足を発表した。この会合では、政府のリーダー、複数の業界の代表、数名の著名なAI専門家などが一堂に会した。
AIに特化した今回の会合と特別委員会は、米国政府がAIの影響を真剣に捉えていることの現れと言える。これまで政府は、こうした姿勢を明確にはしてこなかった。トランプ大統領が選挙演説で復活を訴えた産業は、すでに自動化により分解、再整備されている。また、スティーヴン・マヌーチン財務長官は以前、ロボットとAIが人間の雇用を奪うという考えについて「兆候すら見えない」と発言していた。
しかし、AIを促進し、経済に及ぼす影響に対して計画を立てるという割には、米国以外の国が発表した巨額の資金や大胆な構想と比べて、新設の特別専門委員会は小規模に思える(「AI国際競争に勝つためにいま必要な政策とは何か?」を参照)。
さらに、トランプ政権のAIへのアプローチにおける明らかな矛盾から脱け出すのは困難だ。政府はテクノロジーに資本を投下させ、他国よりリードしたがっているくせに、包括的な計画や新しい資金 …
- 人気の記事ランキング
-
- Namibia wants to build the world’s first hydrogen economy 砂漠の国・ナミビア、 世界初「水素立国」への夢
- Promotion MITTR Emerging Technology Nite #33 バイブコーディングって何だ? 7/30イベント開催のお知らせ
- Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
- Google’s new AI will help researchers understand how our genes work グーグルが「アルファゲノム」、遺伝子変異の影響を包括的に予測
- It’s pretty easy to get DeepSeek to talk dirty 「お堅い」Claude、性的会話に応じやすいAIモデルは?
- See stunning first images from the Vera C. Rubin Observatory ルービン天文台が初画像を公開、宇宙観測を変える「10年の夜明け」