KADOKAWA Technology Review
×
berkeley open arms
カバーストーリー 無料会員限定
This may be the Apple II of AI-driven robot arms

ロボットの「AI化」を加速
UCバークレー発ベンチャー
格安プラットフォーム量産へ

カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、人工知能(AI)実験用のプラットフォームとなり、実質現実(VR)ヘッドセットを使って制御できる最新型のロボット・アームを開発した。同校のライセンス提供を受けたベンチャー企業がこのロボットを量産化し、安価に提供することで、ロボットのAI化を加速させる考えだ。 by Will Knight2019.04.18

工場で働く今日のロボットは正確かつ強力な存在だが、あまり頭はよくない。

その状況を変えてくれるものとして期待されているのが、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが開発した最新型のロボット・アーム。人工知能(AI)実験用の安価ながら強力なプラットフォームを提供するロボット・アームである。研究チームはこのロボットを、1970年代と1980年代に愛好家やハッカーを魅了し、技術革命の先駆けともなったパーソナル・コンピューター「アップル II」にたとえている。

ロボットとAIの研究分野は数十年の間、それぞれ並行して進化を遂げてきた。ところが近年、AIは、画像のラベル付けやビデオゲームのプレイといった抽象的な問題に適用されることで、急速に進歩している。その一方で産業用ロボットは非常に正確に作業ができるものの、骨の折れるプログラミングを必要とし、わずかな変更にも適応できずにいる。近ごろでは、より安価で安全なロボットが登場しているが、特にAIソフトウェアを使用して制御できるように設計されているものは少ない。

「試行錯誤を経てであれ、専門家によるデモンストレーションを経てであれ、ロボットが新しいタスクを学ぶ能力はますます向上しています」。カリフォルニア大学バークレー校の博士研究員でロボットの開発に携わったスティーブン・マッキンリー博士は話す。「ロボット向けにアップル IIタイプのデバイスのよ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Inside the tedious effort to tally AI’s energy appetite 動画生成は別次元、思ったより深刻だったAIの電力問題
  2. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2025 「Innovators Under 35 Japan」2025年度候補者募集のお知らせ
  3. IBM aims to build the world’s first large-scale, error-corrected quantum computer by 2028 IBM、世界初の大規模誤り訂正量子コンピューター 28年実現へ
  4. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る