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ワクチン接種後でもマスク着用を推奨、米CDCが方針転換
Spencer Platt/Getty Images
What you need to know about the CDC’s new mask guidelines

ワクチン接種後でもマスク着用を推奨、米CDCが方針転換

米国疾病予防管理センター(CDC)は、新型コロナウイルス「デルタ株」の国内感染者の増加を受けて、感染者が急増している地域ではマスク着用を推奨すると発表した。米国の63%以上の地域がCDCにより「感染率が相当高い」とされている。 by Tatyana Woodall2021.07.29

米国疾病予防管理センター(CDC)は7月27日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染者が急増している地域ではワクチン接種者も、公共の場の屋内でマスクを着用することを推奨すると発表した。さらに、この新たな方針に加えて、幼稚園から高校までの生徒は、登校する際に校内でマスクを着用し続けるように呼びかけた。

なぜCDCは指針を変更したのか?

今回の発表は、今年インドで初めて確認された感染力の強い変異株である「デルタ株」の国内感染者の増加を受けたものだ。この新たな方針は逆行のように思えるかもしれないが、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、慎重な判断に基づくものだと説明した。

ワレンスキー所長は記者会見で、「CDCの指針と推奨は科学に従っています」と述べた。「デルタ株は日々、私たちの裏をかき、厳重な対策がとれていない地域で感染を拡大させようとしています」。

米ジョンズ・ホプキンス大学によると、今年5月の時点でデルタ株は米国内の新規感染の2%に過ぎなかったが、今では新規感染者のサンプルにデルタ株が占める割合は82%となっているという。

指針の見直しの影響は? 

(米国に住んでいれば)影響は恐らくあるだろう。米国の63%以上の地域がCDCにより「感染率が相当高い」とされており、そのような地域では新たな方針が適用されることになる。各郡の感染を追跡しているCDCのコビッド・データトラッカー(Covid Data Tracker)にアクセスすれば、自分の住む地域が新型コロナ感染が急増している地域に該当するかどうかを調べられる。

ワクチンの完全接種を終えていない場合、住んでいる場所によっては、大した変化はないかもしれない。 カリフォルニア州、ニューヨーク州、ネバダ州を含む8つの州では、ワクチン未接種者はすでにマスクを着用する必要があった。

デルタ株はどのように感染拡大しているのか?

ワクチン未接種者がデルタ株の感染拡大を加速させているとCDCは考えている。まれに、ワクチン接種者も感染症を発症し、他者に感染させることがあるが、発症しても比較的軽い症状で済むことが多い。パンデミック初期では、感染者1人が平均2.5人に感染させていた。だがデルタ株の場合、感染者1人が平均6人に感染させている。

「これは、濃厚接触の時間がそれほど長くなくても感染することを意味します。数分ではなく数秒で他者にウイルスが伝染するということです」とウィスコンシン大学の感染症研究者であるアジェイ・セティ准教授は話す。

新たなマスク指針は誰を保護するのか?

新たなマスク着用方針の目的は、感染率の高い地域に住む人や、子どもや基礎疾患を有する人などのリスクの高い人を家族に持つ人など、最も影響を受けやすい人々を保護することだとワレンスキー所長は述べた。

また、重症化や死亡を防ぐワクチンの効果を回避する変異株が今後出現する可能性があるため、迅速に感染拡大を制御することが米国にとって重要だとワレンスキー所長は付け加えた。

ただし、こうした説明をしても、必ずしも米国民が今回の指針変更を受け入れやすくなるわけではない。

「あいにく、特にすでにCDCに批判的な人たちなど、多くの人が今回の指針の見直しを、方針の急転換としてとらえるでしょう」とセティ准教授は話す。

次は何が起こるのか?

国民はパンデミックは終わったと必死で信じたがっているが、公衆衛生政策が無視される限り、パンデミックは終わらないとセティ准教授は言う。

ワレンスキー所長は、米国のワクチン接種率を迅速に上げる必要があると強調した。「米国において、より高いワクチン接種率を達成できていれば、今の状況を、そして何よりも、新型コロナ感染による病気、苦痛、死亡を回避できていたかもしれません」。

ワレンスキー所長はまた、指針が再変更されないとは約束しなかった。「私たちは今後も引き続き、科学にしっかり従い、状況の変化が科学的に明らかになれば指針を更新します」。

この記事は、ロックフェラー財団が支援するパンデミック・テクノロジー・プロジェクトの一環として執筆されたものです。

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MITテクノロジーレビューの新進ジャーナリスト・フェローとして、宇宙、生命工学、AI分野の取材を担当。MITテクノロジーレビューに参加する以前は、ニューヨーク・タイムズ学生ジャーナリズム研究所での執筆、WOSU-NPRでのラジオ番組制作などを経験。大学新聞の編集長として、スポーツ文化からメンタルヘルスまで幅広く取材した。
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