KADOKAWA Technology Review
×
夏割実施中!購読料20%オフ。
月面基地は3Dプリントで 「水なし」コンクリートが開発中
Courtesy of Ali Kazemian
宇宙 無料会員限定
The moon is just the beginning for this waterless concrete

月面基地は3Dプリントで 「水なし」コンクリートが開発中

将来、月や火星に建物を作る際には、現地で材料を調達する必要がある。NASAは、火星や月の土を模した材料から作られた硫黄ベースの化合物を使った3Dプリントをテスト中だ。 by Jenna Ahart2024.12.03

この記事の3つのポイント
  1. 硫黄ベースの新コンクリートは水を使わず月面建設に適している
  2. このコンクリートは極端な温度差に耐え硬化が速い
  3. 地球でも水不足地域や被災地での建設に役立つ可能性がある
summarized by Claude 3

米国航空宇宙局(NASA)が月面に恒久的な建物を建設するとしたら、宇宙飛行士の住居は3Dプリント可能で水を使用しない新しいコンクリートで作られるかもしれない。いつの日か、あなたの家もそうなる可能性がある。この硫黄ベースの化合物は、硬化プロセスを加速させ、より迅速な建設を可能にすることで、月面での使用と同じように、地球上でも適用できるようになる可能性がある。

早ければ2026年9月に打ち上げが予定されているアルテミス3号(Artemis III)は、人類が50年以上ぶりに月に帰還することを記念するだけでなく、NASAのベースキャンプ予定地である月の南極点を探査する最初のミッションにもなる。

月に拠点を作るには、発射台、シェルター、放射線遮断装置など、月ベースのインフラを大量に用意する必要がある。しかし、地球上のコンクリートを月面に輸送するには、多額の費用がかかってしまう。わずか1キログラムの物質を月に送るには、およそ120万ドルの費用がかかると、ルイジアナ州立大学(LSU)のロボット建設研究者であるアリ・カゼミアン助教授は言う。その代わりとして、NASAは月の土から新しい材料を作り出し、最終的にはその手法を火星での建築にも応用したいと考えている。

米国土木学会(American Society of Civil Engineers)によると、従来のコンクリートは大量の水を必要とするが、水は月面では不足している物質であり、生命維持や科学研究にとって決定的に重要なものだ。NASAの先行プロジェクトでは、「ルナ・コンクリート」の材料となり得る化合物のテストが実施されたが、水を含まない適切な材料を作るための研究はまだ続いている。

そこでLSUの研究チームは配合を改良し、硫黄をベースにした新しいセメントを開発している。このセメントを溶けるまで加熱し、水を使わずに材料を結合させるのだ。最近の研究では、このチームは水を使わないセメントを月や火星 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【夏割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. What’s behind this summer’s heat, and why 2027 could be worse 記録ずくめの猛暑の夏、しかし本番は来年かもしれない
  2. Scientists just created female clones of male mice オスのマウスからメス作製、日本チームが遺伝子編集で性逆転に成功
  3. Trump’s AI protectionism has come for robotics 中国製ロボットを締め出す米国、その研究は中国製で回っている
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る