米政府系サイトが続々閉鎖、
科学者らが緊急保存作戦
米国の新政権発足から3週間で、公衆衛生や環境関連など数千件の政府Webページが閉鎖された。データの永久消失を懸念する科学者らは、独自のアーカイブ活動に奔走している。 by Scott J Mulligan2025.02.13
この3週間で、米国の新政権は公衆衛生、環境正義、科学研究に関連する数千件の政府Webページを閉鎖した。この大規模な削除は、新政権が多様性や「ジェンダー・イデオロギー」に関連する政府情報の削除を推進していることや、さまざまな政府機関の慣行を見直していることに起因している。
米国国際開発庁(USAID)のWebサイトは現在閉鎖されており、childreninadversity.govなどの関連サイトや、国勢調査局、米国疾病予防管理センター(CDC)、司法計画室の数千ページも削除されている。
「このような事態はこれまで見たことがありません」。カリフォルニア大学アーバイン校の法学教授で、元国連の「意見及び表現の自由に関する特別報告者」であるデビッド・ケイは話す。「何が起こっているのか、正確に把握している人は誰もいないと思います。確認できるのは、政府のWebサイトが閉鎖され、公共の利益に不可欠なデータベースが失われているということです。USAIDのWebサイト全体がダウンしています」。
しかし、政府のWebページが次々に消えていく中、複数の組織が永久に失われる前に可能な限りのデータや情報をアーカイブしようと取り組んでいる。科学者や歴史家が将来活用できるよう、失われた記録を保存することを目的としたものだ。
データ・アーカイブは本来、党派に関係ない活動のはずだが、今回の政権の動きは保存活動に携わる人々が立ち上がるきっかけとなった。
「私は、現政権の行動は科学全体に対する攻撃だと考えています」。ミシガン大学名誉教授で、情報学が専門のマーガレット・ヘドストロームはこう話す。
さまざまな組織ができる限り多くのデータを収集しようと奔走している。最大規模のプロジェクトのひとつが、エンド・オブ・ターム(EoT)Webアーカイブだ。これは、大統領任期終了時に政府の全データをコピーすることを目的とした、多数の組織による超党派の連合だ。EoTアーカイブでは、個人が特定のWebサイトやデータセットの保存を推薦することもできる。
「私たちにできることは、公開された情報を収集し、アーカイブし、将来にわたって一般公開できるようにすることです」。EoTアーカイブの運営者の一人で、スタンフォード大学の米国政府情報司書であるジェームズ・ジェイコブスは話す。
データ収集に関して独自のテーマを持っている組織もある。たとえば、オープン環境データプロジェクト(OEDP:Open Environmental Data Project)は、気候科学と環境正義に関するデータの保存に取り組んでいる。O …
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