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米移民捜査官追跡マップの削除相次ぐ  政権圧力と表現の自由の攻防
ASSOCIATED PRESS
Another effort to track ICE raids was just taken offline

米移民捜査官追跡マップの削除相次ぐ  政権圧力と表現の自由の攻防

米移民捜査官の追跡マップを提供する市民プロジェクトが、プラットフォームから相次いで削除されている。政権は「身元晒しによる暴力扇動」、支援者は「説明責任のための透明性」と主張。表現の自由めぐり攻防続く。 by Eileen Guo2025.11.24

この記事の3つのポイント
  1. 米移民執行局捜査官の目撃情報をマッピングする市民プロジェクトがプラットフォームから削除された
  2. ICE追跡アプリは移民コミュニティの安全確保ツールとして機能、政府当局は捜査官への攻撃増加の原因と主張
  3. 削除圧力にも関わらずプロジェクトは独自サイトで再開され、表現の自由と透明性確保の課題が浮き彫りに
summarized by Claude 3

移民・関税執行局(ICE)の捜査官の目撃情報をマッピングするクラウドソーシング・プロジェクト「ピープル・オーバー・ペーパーズ(People over Papers)」が10月5日、構築基盤となっていた共同掲示板プラットフォーム「Padlet(パドレット)」によって停止された。これは、テクノロジー・プラットフォームによって相次いで削除された、ICE追跡イニシアチブの1つである。

Padletのカスタマーサービス担当者は、プロジェクトの作成者の一人であるセレステに対し、どのポリシーに違反したかを明示することなく、「このマップはコンテンツポリシー違反のため削除されました」と伝えた。セレステは安全上の理由から姓を公表していない。

しかしこの数日前、右派インフルエンサーのローラ・ルーマーがこのプロジェクトについて、PadletのCEOに向けてツイートしていた。

@padletが急進的左翼の国内テロリスト、不法滞在者とその支援者によって法執行活動を妨害し、ICE捜査官を嫌がらせするために使用されていることをご存じですか」と彼女は書いた。「Padletのコンテンツポリシーには、嫌がらせ、ストーカー行為、プライバシー侵害、暴力の扇動、その他の違法行為は禁止されていると明記されています」。

同じスレッドで、ルーマーは9月下旬、「ICEBlock(アイスブロック)」を含む複数の類似アプリがアップルとグーグルのアプリストアから削除されたのは自分の働きかけによるものだ、と主張した。

ルーマーの発言は、ICE追跡プロジェクトが、ICE捜査官への襲撃の「1000%増加」の原因だとする国土安全保障省(DHS)および司法省(DOJ)当局者の主張と呼応している。これには、7月にテキサス州のICE施設で2人のICE捜査官が負傷した銃撃事件や、抗議の一環としてICE捜査官の自宅にゴミを置いていく行為が含まれる。

米国土安全保障省長官のクリスティ・ノームは、ICE捜査官に対する「暴力」を、「彼らやその安全を脅かすあらゆる行為、つまり彼らの身元を晒すこと、作戦中にいる場所を撮影すること」であると定義している。一方、同省の広報担当次官補トリシア・マクラフリンは、ICE捜査官を違法に嫌がらせした者に対して「法の最大限の範囲で起訴する」と述べている。

Padletの運営会社は、ピープル・オーバー・ペーパーズのプロジェクトを削除した理由について、MITテクノロジーレビューからのコメント要請に応じなかった。

一方でセレステは、ルーマーの主張を否定していると我々に語った。「私たちの活動には違法な点は一切なく、今後も表現の自由の権利を行使し続けます」と彼女は述べた。「私たちはいかなる暴力も容認しません」

透明性か、身元晒しか?

セレステは1月に「ピープル・オーバー・ペーパーズ」を立ち上げた。きっかけは、自身のコミュニティでのICE手入れ情報を共有していた他のTikTokクリエイターたちとつながったことだった。それから10カ月の間に、同プロジェクトはユニークビジター数が1900万人を超え、1日平均20万〜30万人のユーザーを記録している。

彼女は、「人々に自分たちのコミュニティで何が起きているのかを知らせる」ため、また「おそらく後に極めて暗い時代として振り返られるであろう歴史を記録し、情報を収集する」ために、手入れのマッピングというアイデアを思いついたという。

彼女のプロジェクトは、アプリストアから削除されたICEBlockアプリや、ストップ・アイス・レイド・アラート・ネットワーク(Stop ICE Raids Alert Network)を含む、移民執行官による手入れに関する匿名報告をマッピングするボランティア主導の取り組みのひとつである。

こうしたマップは「敵対的な領域における保護、連帯、生存戦略を提供する」上で重要な役割を果たしていると、疎外されたコミュニティによるソーシャルメディア活用を研究する南カリフォルニア大学の研究者アリッサ・リチャードソンは、今夏MITテクノロジーレビューに語った。彼女は「かつて黒人旅行者がグリーンブックを使って人種的恐怖の風景を安全に移動したように、これらのデジタルツールはラティーノ系家族が監視とリスクに満ちた空間を移動するのを助ける、移民コミュニティにとっての現代版グリーンブックなのです」と述べている。

テクノロジー・プラットフォームにマップの削除を求める圧力は、ICEの追跡や、手入れを行うマスク着用の捜査官の特定といった取り組みを阻止するための政権による戦略の一環にすぎない。9月初旬、国土安全保障省(DHS)は、ストップ・アイス・レイド・アラート・ネットワークのInstagramアカウントを含む多数の非営利団体や緊急対応ネットワークに関する情報を求めて、メタ(Meta)に召喚状を送付した。この召喚状は現在、法廷審問までの間一時的に差し止められている。

これらのアプリに関連して、少なくとも1人が職を失ったとされている。ICEBlockアプリを運営していた男性の妻、キャロリン・ファインスタインは、夏に司法省から解雇された。彼女はこれが夫の活動に対する報復だと述べている。

「連邦職員の責任を問う取り組みを鈍らせようとすることは、言論や活動を萎縮させる効果があります」。電子フロンティア財団(EFF)の市民自由部門の責任者であるデビッド・グリーンは言う。彼は、捜査官の特定は身元晒しには該当しないと主張する。なぜなら「法執行官がマスクをして、自分たちが奉仕する人々に対して責任を負わないという考えは、米国の価値観に真っ向から反するからです」と言う。

「身元晒し自体を暴力行為だとみなすには、法的問題に関して我々が従来用いてきた暴力の定義とは異なるものが必要になるでしょう」。公職者への脅威を研究するチャップマン大学の社会学教授のピーター・シミは述べている。

一方、「ピープル・オーバー・ペーパーズ」のマップは、Padletから削除されてからわずか6時間後に再びネット上で公開された。今度は、セレステのチームが5月から準備してきた独自のWebサイトだ。もともとは翌週ローンチ予定だったものだ。

セレステは、怯んでいないという。「私は個人的に非常に頑固な性格です。誰かに『やってはいけない』と言われれば言われるほど、やりたくなるんです」と語る。

さらに彼女はこうも言う。「この情報が私たちのプラットフォームに投稿されなければ、Facebook、Instagram、TikTok、その他のSNSに投稿されるでしょう。人々はどんな形であれ、互いに情報を伝え続けると思います」。

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特集・調査担当の上級記者として、テクノロジー産業がどのように私たちの世界を形作っているのか、その過程でしばしば既存の不公正や不平等を定着させているのかをテーマに取材している。以前は、フリーランスの記者およびオーディオ・プロデューサーとして、ニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ナショナル・ジオグラフィック誌、ワイアードなどで活動していた。
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