気候テック10:米政権も追い風、強化地熱発電のファーボ
ファーボ(Fervo)は、家庭やデータセンターにクリーン・エネルギーを供給するため、米ユタ州に世界最大規模の強化地熱プロジェクトを進めている。 by Celina Zhao2025.10.09
- この記事の3つのポイント
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- ファーボはフラッキング技術を活用した強化地熱システムで24時間365日のクリーンエネ供給を目指す
- 従来は特定地域に限られていた地熱発電を人工的な地熱貯留層創出により幅広い場所で可能にする技術
- 地震リスクや長期許認可手続きが課題だが、2026年に世界最大規模の地熱発電所を稼働予定
地球上には、発電に適した地質条件が奇跡的に揃っている「当たり」の地域が存在する。これらの場所では、高温、多量の水、そして流体の循環を可能にする十分な透水性を備えた岩石という3つの条件が自然に整っている。
強化地熱システム(EGS)は、これらの条件をより多くの場所で人工的に再現し、設置された場所のどこででも安定した再生可能エネルギーを生み出すことを目指す。ファーボの手法は、石油・ガス業界から転用した2つの主要技術に基づいている。
第一に、同社はフラッキング(圧裂)技術を用いて、高圧の水を深部の高温岩に注入し、岩盤に亀裂を入れて開放する。第二に、垂直方向だけでなく水平方向にも掘削を行い、1つの井戸からより多くの高温岩にアクセスできるようにしている。
さらに、これらの戦略を、高速で岩石を削る特殊なダイヤモンド掘削ビットと組み合わせることで、ファーボは従来想定されていたよりも速く、低コストで地熱井を掘削できる。その結果、同社の電力コストは石炭火力や原子力といった他の発電方式と競争力を持つか、より安価になる可能性がある。
ファーボはすでに、自社技術が商業規模で電力供給可能であることを実証している。2023年には、ネバダ州の「プロジェクト・レッド(Project Red)」において、3500キロワットの発電能力を示し、グーグルのデータセンターに電力を供給する地域 …
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