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「米国を再び健康に」
ワクチン削減の保健副長官、
「老化逆転」の野望を語る
Stephanie Arnett/MIT Technology Review | AP Images
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US deputy health secretary: Vaccine guidelines are still subject to change

「米国を再び健康に」
ワクチン削減の保健副長官、
「老化逆転」の野望を語る

小児ワクチンの推奨削減に署名し、医学界から批判を浴びる米保健福祉省副長官のジム・オニール。MITテクノロジーレビューの独占インタビューで熱く語ったのは、老化によるダメージを「医学的な制御下に置く」という長寿研究の野望だった。 by Jessica Hamzelou2026.02.25

この記事の3つのポイント
  1. 米保健福祉省副長官オニールは小児ワクチン推奨を削減し、今後も新データに基づく変更を示唆している
  2. 長寿研究を国家優先課題に位置づけ、ARPA-Hを通じて脳組織置換や臓器再生など革新的治療開発を推進する
  3. 長寿ロビー団体と連携し、実験的治療アクセス拡大や栄養指針見直しなど規制緩和を進める方針を表明した
summarized by Claude 3

この1年間、ジム・オニールは公衆衛生分野で最も影響力のある人物の一人であった。米保健福祉省(HHS)の副長官であり、国の連邦保健・科学機関のトップで2つの役職を兼任し、1兆ドルを超える予算を持つ省を監督している。そして、物議を醸している米国の新しいワクチン接種スケジュールに関する決定覚書に署名した(編集部注:この記事の公開後、米ニュースサイトのポリティコはジム・オニールの副長官辞任を報じた)。

オニールはまた、長寿研究の熱心な支持者でもある。2月初めのMITテクノロジーレビューの独占インタビューで、オニールは生物医学的ブレークスルーに特化した連邦機関である保健高等研究計画局(ARPA-H)が支援する長寿に焦点を当てた研究を通じて、人間の健康寿命を延ばす計画について説明した。同時に、彼は広く推奨される小児向けワクチンの数を減らすことを擁護した。この動きは医学・公衆衛生の専門家から広く批判されている。

MITテクノロジーレビューが2025年に掲載したオニールに関する記事では、保健政策と消費者擁護に携わる人々が、薬事規制に対するオニールのリバタリアン的見解を「憂慮すべき」で「基本的な公衆衛生に反する」ものだと述べている。

オニールは後に、疾病対策予防センター(CDC)の所長代理に任命され、国の公衆衛生機関を統括することになった。

しかし、同じく長寿研究の熱心な支持者たちは、オニールが彼らの大義、すなわち人間の老化を遅らせ、予防し、さらには逆転させる可能性のある治療法の探求に注目と資金をもたらすことを期待していると述べた。以下はインタビューの要点である。

ワクチン推奨はさらに変更される可能性

2026年1月、米国は小児に推奨するワクチンの数を削減した。CDCはもはや、すべての小児に対するインフルエンザ、ロタウイルス、A型肝炎、髄膜炎菌感染症のワクチン接種を推奨していない。この動きは医療団体と公衆衛生の専門家から広く批判された。多くの人が、小児がこれらのワクチンを受けることがより困難になることを懸念している。州の大多数はCDCの推奨を拒否している。

2025年5月に実施された保健福祉省副長官としての役職の承認公聴会で、オニールはCDCのワクチン接種スケジュールを支持すると述べた。MITテクノロジーレビューは彼にそれが事実かどうか、そうであるなら、どうして考えが変わったのかを尋ねた。オニールの答えは、「ワクチンの安全性データと有効性データを研究し、検証し、レビューすることはCDCの義務の一つです。CDCはワクチンについて重要な助言をしており、常に新しいデータと新しいデータの見方を受け入れるべきです」というものだった。

2025年12月初旬、オニールによると、ドナルド・トランプ大統領は「他国がワクチン接種スケジュールでしていることを調べるよう私に求めた」という。オニールは他国の保健省と話し、CDCと米食品医薬品局(FDA)の科学者と相談した結果、「多くの運営部門から、米国は他の先進国のコンセンサス・ワクチン、つまり他国の中核推奨の一部として最も頻繁に含まれる最も重要なワクチンに推奨を集中させるべきだと提案されました」と言う。

「その結果、すべての小児にとって最も重要なワクチンのセットに焦点を当てるため、ワクチン接種スケジュールを更新しました」とオニールは述べる。

しかし、公衆衛生の一部の専門家は、新しい米国のスケジュールがモデルにしたとされるデンマークや日本などの国は、実際には米国と比較できないと述べている。これらの批判についてオニールは、「多くの親が幼い子どもに70回以上もワクチンを接種するのは多すぎると感じており、その中でどれが最も重要かを尋ねる人もいます。私たちは誰のアクセスも奪うことなく、その質問に答える手助けをしたと思います」と答えた。

ワクチン推奨が変更されてから数週間後、CDCの予防接種実施諮問委員会を率いるカーク・ミルホアンは、現在公立学校への入学に必要とされている麻しん(はしか)とポリオのワクチン接種を任意にすべきだと述べた(メディケア・メディケイド・サービスセンターのメフメット・オズ所長は、最近人々に「麻しんワクチンを接種する」よう促している)。

このコメントについてオニールに考えを求めると、「CDCは依然として、国際的なコンセンサスがあるジフテリア、破傷風、百日咳、インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌結合型、ポリオ、麻疹、おたふくかぜ、 …

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