KADOKAWA Technology Review
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【3/14】MITTR主催「アクセシビリティとテクノロジー 」開催 申込受付中
構想者
35歳未満のイノベーター[日本版] 2022構想者
物事を少し違った視点で捉えることで、テクノロジーが力を発揮する新たな用途を見つけ出す。

Shunsuke Aoki 青木俊介 (32)

所属: チューリング(TURING)/国立情報学研究所

人間を超える自動運転車の「シンギュラリティ」時代へ。自動車による死傷事故ゼロの未来を目指す。

豊富な資金力を持つ巨大テック企業や自動車メーカーが、自律自動車の開発を進めている。米国や中国ではロボタクシーの運用も一部で始まっているが、人間が運転する自動車や自転車、歩行者の行動を全て予測することは難しく、ごく限られた場所での実証実験やデモ走行の域を出ていないのが現状だ。

青木俊介(Shunsuke Aoki)は、「カメラ画像による運転状況認識人工知能(AI)の開発」「エンドツーエンドの深層学習による超人間級AI運転手の開発」の2つの研究を軸に、完全な自律自動車システムの完成を目指している。米国カーネギーメロン大学の自動運転システム研究グループに2020年まで5年間在籍していた青木は、周囲の車両・インフラ機器と連携・協調することでより安全に走行できる自動運転ソフトウェアを開発した。技術の一部は、共同研究を通してゼネラルモーターズの自動運転モジュールにも採用されている。

青木のアプローチが斬新なのは、既存の自動運転ソフトウェアの多くが人間が定めたルールに従うのに対し、「運転における判断・行動決定を超人間級AI運転手に任せる」という考え方を採っている点にある。これは「AIの判断・意思決定能力が人間の性能を上回る」という仮説に基づく非常に大胆な発想だが、将棋・囲碁・eスポーツなどの特定分野ではAIの判断能力が人間を上回ることがすでに証明されている。青木は「このシンギュラリティを自動車の運転行動でも実現できる」と確信していると言う。

青木は自らの研究成果の社会実装を進めるために、2021年4月に日本の国立情報学研究所で青木研究室を開設。2021年8月には、スタートアップ企業であるTURING(チューリング)を創業し、創業10カ月で合計10億円の資金を調達した。チューリングではこれまで青木が設計・開発してきたカメラベースの完全自動運転技術を実際の車両に搭載。開発しているシステムは画像情報を入力とし、アクセル値・ブレーキ値・ステア操作角を出力とするエンドツー・エンドの巨大深層学習ネットワークを有しており、より安全・安定した自律走行が可能な自動運転システムとなっている。シートベルトやエアバッグのように「AI自動運転機能」が必須になる未来、そして自動車による死傷事故がゼロになる未来を目指す。

(中條将典)

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