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Google’s AI is better at spotting advanced breast cancer than pathologists進行性乳がんを99%検出、グーグルのAIツールが「病理医超え」

グーグルの深層学習ツールは、99%の精度で転移性がんを検知することが可能だ。これは人間の病理医の診断精度を大きく上回る。

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グーグルの深層学習ツールは、99%の精度で転移性がんを検知できる。人間の病理医の大きく上回る診断精度だ。

グーグルの研究チームは、検出が難しいことで知られる転移した(広がった)腫瘍の特徴を、「リンパ節アシスタント(Lymph Node Assistant :LYNA)」と名付けた深層学習アルゴリズムが検知できるように訓練した。世界中で毎年50万人もの人々が乳がんで死亡しており、死亡原因の90%はがんの転移によるものだ。

精度99%は、人間の病理医を上回る。さらにLYNAは、個々のスライド上で小さな転移を見つける際も病理医の能力を上回っていた。人間の病理医は時間的制約の下では微少ながん転移の62%を見逃すことがあるという研究結果が明らかになっている。

LYNAは人間に取って代わるものではなく、人間のスキルを補完するものになりそうだ。転移性腫瘍をより簡単かつ迅速に診断できるようになるだろう。ある研究では、このアルゴリズムはスライドをチェックするのに要する時間を平均で半分に短縮し、スライド1枚につきわずか1分にまで短縮した。

グーグルは、人工知能(AI)を医療に適用するさまざまなプロジェクトを実施中だ。たとえば、子会社であるディープマインドはAIを使って、ロンドンの「ムーアフィールズ眼科病院(Moorfields Eye Hospital)」で眼疾患の兆候を探ろうとしている。次のステップでは、LYNAが実際にクリニックでどの程度使えるかを確認することになるだろう。

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  • 参照元:
  • 画像クレジット: Google
charlotte.jee [Charlotte Jee] 2018.10.16, 14:28
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今日
Facebook has removed hundreds of accounts spewing political spam米中間選挙を前に、フェイスブックがフェイクニュース対策に本腰

米議会中間選挙を数週間後に控え、フェイスブックが対策に動き出した。

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米議会中間選挙を数週間後に控え、フェイスブックが対策に動き出した。

ブログによると、フェイスブックはスパムを禁止する同社の規則に違反していた米国のページ559件と、アカウント251件を削除したという。アカウントの一部は、度々同一のコンテンツを投稿していた。また、スパム発信者は、自らの活動が仕組まれたものであることを隠すために、多くの偽プロフィールを使っていたとされる。フェイスブックが削除したアカウントの一部は、まっとうな政治討論フォーラムに見せかけて、大量のクリックを獲得しようとする誘導ページだったという。フェイスブックはニューヨーク・タイムズに対し、今回の削除数は、選挙運動に影響を与える米国内のページ/アカウント数としては過去最多だったと語っている。

フェイスブックは追放したパブリッシャー名やアカウント名を公表していないが、ワシントンポストなどには数例が掲載されている。その1つが、70万人以上のフォロワーを持つ左派グループ「リバーブ・プレス(Reverb Press)」である。リバーブ・プレスの投稿では、共和党員を指す際に「政治的クズ(political scumbags)」といった言葉が使われていた。もう1つは、「ネーション・イン・ディストレス(Nation in Distress:苦悩する国家)」というページだ。このページは300万人以上のフォロワーを持ち、トランプ大統領を支持した初のオンライン出版物であることを謳っていた。

さらに、フェイスブックは、フェイスブックの利用者情報をかき集めていたロシア企業「ソーシャル・データ・ハブ(Social Data Hub:SDH)」が掲載していた、複数のプロフィールとページも削除している。フェイスブックは現在も、SDHの業務を調査している。報道によると、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は SDHの調査にあたって、ユーザー・データの悪用が明らかとなったケンブリッジ・アナリティカ騒動を参考にしているという。

正当な議論とフェイクニュースの線引きは時に極めて困難だ。最先端の人工知能(AI)ツールでさえ識別には苦労している。それゆえに、フェイスブックは政治的な動機に基づいて検閲しているとの批判を受けるリスクを抱えている。だが、大統領選挙を前にフェイクニュースが氾濫した、2016年の再来を阻止するというフェイスブックの断固たる決意を考えれば、そのリスクを負う価値はある。フェイクニュース氾濫の再発を阻止できる保証は依然としてないものの、少なくとも同社幹部らは、脅威を深刻に受け止めているようだ。

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  • 参照元:
  • 画像クレジット: Glen Carrie | Unsplash
マーティン ジャイルズ [Martin Giles] 2018.10.15, 10:27
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Chinese scientists have created mice that have two moms or two dads同性による「子作り」に成功、中国チームがマウス実験で

北京の研究チームは、幹細胞の混成物とクローン技術を使い、同性の親2匹を持つマウスを誕生させたと発表した。

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北京の研究チームは、幹細胞のマッシュアップとクローン技術を使い、同性の親2匹を持つマウスを誕生させたと発表した。

有性生殖には通常、精子と卵子が必要だ。それぞれが23本の染色体を持ち寄り、46本の染色体を持つ赤ちゃんが生まれる。

母親2匹を持つマウスを作るために、研究チームはまず、通常の半数の染色体(46ではなく23)しか持たないメスのマウス1匹から幹細胞を作り出した。次に、その幹細胞を1つの卵子に注入した。この幹細胞が精子の代わりとなり、健康な子ども数匹が誕生した。

実験に成功した中国科学院(Chinese Academy of Science)の研究チームは、研究内容を米科学誌「セル・ステム・セル(Cell Stem Cell)」で発表しており、かろうじて父親2匹のマウスを誕生させることにも成功している。ただし、父親2匹のマウスを誕生させるには追加の工程が必要で、生まれた子どもの中に健康な個体は1匹もいなかった。子どもたちは体が肥大し、舌が異常に長く、短命だった。

今のところ、同性の親を持つマウスの作製は、主に学術研究を目的としたものであり、 同技術を人間に応用することは目的ではない。

現在、この技術は非常に複雑であり、また、誕生した個体すべてが生存できたわけではない。ただ、今回の研究は、成果をあげることよりも、生殖そのものに関する知識を深めることが目的だったと研究者は語っている。今回のような無性生殖は、動物界の一部で行なわれるものの、哺乳類では起こりえない。研究チームは、哺乳類における無性生殖を成功させるためには、同性同士による生殖を常時阻止する遺伝子をはじめとする、複数の遺伝子の塊を除去する必要があることを発見した。

将来、この技術が成熟していけば、男性2人または女性2人が共同で子どもを作れるようになるかもしれない。しかし、それまでには一層多くの研究を積み重ねていく必要があるだろう。

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  • 画像クレジット: Leyun Wang
アントニオ レガラード [Antonio Regalado] 2018.10.15, 9:48
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How to tell for sure if you’re a victim of Facebook’s huge data breachフェイスブックが情報流出の詳細を発表、対象は3000万人に

フェイスブックは2週間前に発覚したセキュリティ侵害事件で、数千万人のユーザーの機密情報がハッカーによって盗み出されたことを認めた。

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フェイスブックは2週間前に発覚したセキュリティ侵害事件で、数千万人のユーザーの機密情報がハッカーによって盗み出されたことを認めた。

フェイスブックがブログ記事で発表した情報によると、ハッキングの影響を受けるユーザーは、(当初発表された)5000万人には達しないものの、3000万人に及ぶという。しかも、うち1400万件は、信仰している宗教や出身地、職場などの詳細な情報の流出を含むものだった。残りの1600万件については、データ流出の被害がないか、メールなどの連絡先の詳細のみが盗まれたという。フェイスブックは以前、不正アクセスが仮にあったとしても、どんな情報が被害にあったのかは分からないと説明していた。

自分のデータが流出した対象かどうかを調べるには、フェイスブックのヘルプセンターを確認してほしい。フェイスブックは、データが流出した疑いのあるユーザー全員に連絡を取り、怪しいメールなどに対処する方法をアドバイスする予定だ。こうした取り組みは立派だが、そもそも、フェイスブックのセキュリティが十分堅牢でなかったために、デジタルキーに対するハッカーの不正アクセスを阻止できなかったことは残念だ。デジタルキーは、ユーザーとフェイスブックとの接続を保つために使われるもので、これがあればサイトを訪問するたびにログインする必要がなくなる。

犯人は分かったのだろうか? フェイスブックによると、米国連邦捜査局(FBI)が調査を実施している間は、今回の流出事件の犯人についてコメントしないようとFBIに求められているという。

フェイスブックによると、メッセンジャー、インスタグラム、ワッツアップ(WhatsApp)など、他のアプリやサービスは今回のハッキングの影響を受けていないという。そのことはいくらかの慰めにはなるが、今回の事件によって、複数のサービスを運営し、ユーザー・データを共有することのリスクが浮き彫りになった(フェイスブックにおけるアプリやサービスの統合はますます進んでおり、インスタグラムワッツアップの創業者たちが今年フェイスブックを離れた理由の1つとなっている)。これほど多数のサービスのコントロールを1社に許しておくべきがどうか、大西洋の東側でも西側でも、規制当局者は疑問を抱いている。今回の事件でさらにその疑いが深まることは間違いない。

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  • 画像クレジット: Facebook
マーティン ジャイルズ [Martin Giles] 2018.10.15, 7:55
1日前
That Atlas robot might be doing parkour now, but it still can’t chase you up the stairsまたもや驚くべき運動能力を身につけたボストン・ダイナミクス

ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)が開発した最先端の人型ロボット「アトラス(Atlas)」 が、 丸太を飛び越えたり、階段を跳ね上がったりとパルクールをこなしている。この姿を、私たちはどう捉えたら良いのだろうか。まずは、最先端型アトラスの全映像を見てほしい。

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ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)が開発した最先端の人型ロボット「アトラス(Atlas)」 が、 丸太を飛び越えたり、階段を跳ね上がったりとパルクールをこなしている。この姿を、私たちはどう捉えたら良いのだろうか。まずは、最先端型アトラスの全映像を見てほしい。

数年前に開催された大規模なロボット競技会で、アトラスを含む複数の人型ロボットが、転倒したり、倒れこんだり、頻繁に訳の分からない行動をしたりする姿を撮影した面白い映像を覚えているかもしれない。

では、アトラスに一体何が起こっているというのだろうか? 忍者のような敏捷性を突然身に着けたのだろうか? 正確に言うと、そうではない。

脚式ロボットにとって、実世界で移動することは、まだまだ非常に困難である。実際、2本足でバランスをとるだけでも、非常に高度な動的状態の検出技術と制御が必要なのだ。バランスを崩して転倒しやすいロボットたちは、バランスを取りながらドアを開けるといった2つ以上の動作を同時にしようとしたとき、非常に苦労していた。

冒頭で紹介した映像は、アトラスの最新バージョンが非常に見事な動的バランス機能を備えていることを示している。高度な動的バランス機能がなければ、足を素早く地面に置いたときに自然に発生するわずかなスリップに対処できないからだ。この動的バランス技術が、ボストン・ダイナミクスが優れたロボットを開発できる秘訣となっている。

ボストン・ダイナミクスの創業者であり、最高経営責任者(CEO)でもあるマーク・レイバート博士は、最先端型のアトラスには、跳躍する高さを都度判断できる今までにない検出機能をいくつか採用したと話す。「跳躍する高さを見積もるために、アトラスは自身に搭載された視覚システムを使用して、自分の姿勢を水平に調整し、障害物に近づく際に距離を測定します」とレイバート博士は説明する。

さらに、レイバート博士は、この新アトラスに新たなハードウェアをいくつか搭載したことを付け加えた。レイバート博士によると、新アトラスは、2017年に後方宙返りをやって見せたロボットよりも遥かに高性能になっているという。

確かに見事ではあるが、まだまだかなり整備された実験環境下でのパフォーマンスだ。それにアトラスはまだ、人間によるコントロールをかなり必要とする。それゆえ、この新しい映像は一見すばらしいものだが、アトラスを含むロボットは、不慣れで予測不可能な実世界においては、おそらく後ろから誰かを追いかけようとしても、つまずいて転倒する可能性が高いことを覚えておくと良いだろう。

それでも本当にロボットが怖い人は、常にドアを閉めておくと良い(もちろん、追いかけてくるのが このロボットではない場合に限るが)。

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  • 画像クレジット: Boston Dynamics
ウィル ナイト [Will Knight] 2018.10.15, 5:54
3日前
The UK Parliament asking a robot to testify about AI is a dumb idea英国議会、ソフトバンクの「ペッパー」を証人喚問へ

英国議会の特別委員会が、議会の公聴会にロボットを証人として呼び出し、人工知能(AI)とロボット工学について証言するよう求めている。

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英国議会の特別委員会が、議会の公聴会にロボットを証人として呼び出し、人工知能(AI)とロボット工学について証言するよう求めている。

議会に呼び出されるのは、ソフトバンクロボティクスが開発した「ペッパー(Pepper)」だ。ペッパーは、以前にもそのフレンドリーな人間らしいデザインにより、マスコミに大きく取り上げられたことがある。

ユーモアのある画期的な出来事のように思われるかもしれないが、ペッパーによる証言は、世間のAIの能力に対する大きな誤解を招く可能性がある。現在のところAIの技術は、独創的な考えを系統立てて述べることもできないし、高度に制御された環境以外で、即興で発言や行動ができるほど進化してはいない。すでに議会によるこの動きは混乱を招いており、インデペンデント紙は「ペッパーに質問の答えが前もってプログラムされるのか、それともペッパーはAIを頼りに回答するのか」と疑問を投げかけている。誤解がないように言うと、質問の答えが前もってプログラムされることになるはずだ。ペッパーがAIを頼りに回答することは、まだ不可能だからだ。

議会による今回の発表は、無益な宣伝行為だとしてAI研究コミュニティによる批判を受けている。「現在のロボットは知的能力を持っておらず、有意義な証言をすることはできません。ただの人形劇です」とルイビル大学のローマン・ヤンポルスキー准教授はメールで述べた。バース大学のジョアナ・ブライソン博士は、ツイッターで「ロボットが証言をするように見せかけることで、個人や組織は偽証罪を犯すことになります。議会が国家統治という本来の役割を果たさずに、メディアを騒がせているだけです」と述べた。

AIやロボット工学を推進、展開したり、規制したりする公的機関や民間企業は、これらのテクノロジーができること、できないことについて、一般市民を啓蒙し、慎重に情報を伝える責任を担っている。今回の動きは、英国の国会議員がテクノロジーについて十分に理解していない可能性を提起するものだ。ペッパーが、議論に加わってくれるものと期待してはいけないのだ。

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  • 参照元:
  • 画像クレジット: Softbank Robotics
karen.hao [Karen Hao] 2018.10.12, 19:08
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4日前
Astronauts make emergency landing after Soyuz rocket malfunctions on way to the ISSロシアのソユーズが打ち上げ失敗、今後の宇宙計画にも影響

10月11日、ロシアのソユーズ・ロケットが打ち上げに失敗した。国際宇宙ステーション(ISS)に向けて飛び立った2人の宇宙飛行士はミッションを中止し、カザフスタンに不時着した。2人にけがは無かった。

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10月11日、ロシアのソユーズ・ロケットが打ち上げに失敗した。国際宇宙ステーション(ISS)に向けて飛び立った2人の宇宙飛行士はミッションを中止し、カザフスタンに不時着した。2人にけがは無かった。

米航空宇宙局(NASA)によると、1段目ロケットのブースター分離時に問題が発生したため、乗組員はロケットを脱出し、地上に戻ることを余儀なくされたという。乗組員は、通常の着陸角度よりも鋭角に進入する「弾道降下モード」で地球に帰還した。今回の打ち上げは、米国人のニック・ヘイグ宇宙飛行士にとって初めての宇宙飛行となるはずだった。ヘイグ宇宙飛行士と同乗のロシア人のアレクセイ・オフチニン宇宙飛行士の健康状態は良好とのことだ。

ソユーズのブースターに関する主なトラブルは、打ち上げ直前に発射台でブースターが爆発し、宇宙飛行士が緊急脱出した1983年9月の事故以来。CBSの報道によると、このほかソユーズが打ち上げに失敗したのは、1975年のモンゴルでの事故だけだという。

ロシアの宇宙機関であるロスコスモス(Roscosmos)は今後、打ち上げ失敗の原因を調査する予定だが、NASAの計画にも連鎖的に影響を与える可能性がある。

NASAの超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS:Space Launch System)」は、米国の有人宇宙船「オリオン(Orion)」を月周辺まで送り込む計画だったが、計画は繰り返し延期されてきた。当初の打ち上げ予定は2017年12月だったが、2020年中頃に延期され、さらにまたずれ込む見込みだ。SLSが打ち上げられるまで、NASAはISSへの物資供給をロシアのソユーズに依存せざるを得ないが、ロスコスモスが今回の原因を究明するまで、ソユーズのミッションもすべて中止になるだろう。

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  • 参照元:
  • 画像クレジット: NASA
charlotte.jee [Charlotte Jee] 2018.10.12, 10:30
5日前
Huawei announces two AI chips as China continues its move away from US silicon半導体強化へ動く中国、ファーウェイもAIチップ製造へ

中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイ(Huawei)が、人工知能(AI)向けに最適化した2種類のチップを発表した。マイクロプロセッサーの外国依存脱却を目指す中国にとって、国内のテック業界とAIの野望が大きな転換点を迎えたことを象徴する出来事だ。

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中国の大手通信機器メーカーであるファーウェイ(Huawei)が、人工知能(AI)向けに最適化した2種類のチップを発表した。マイクロプロセッサーの外国依存脱却を目指す中国にとって、国内のテック業界とAIの野望が大きな転換点を迎えたことを象徴する出来事だ。

中国のテック業界はますます革新的になってきており、電子機器の製造技術では他国の追随を許さない状況にある。だが、革新的なマイクロプロセッサーの設計と製造に関しては、中国は依然として米国に大きな後れを取っている。つまり、中国には根本的な弱みがある。マイクロプロセッサーなくして、他の多くの産業にイノベーションをもたらすことはできないからだ。

AIの最近の進歩は、優れたアルゴリズム(オープンかつ共有される傾向にある)、大量のデータ(中国はすでに豊富に所有している)、そしてGPU(画像処理装置)などの専門的なハードウェアによってもたらされている。GPUはCPUよりも多層ニューラル・ネットワークを効率よく実行できる。また近年では、さらにAIに特化したチップの設計が登場しており、こうしたチップは深層学習モデルを効率よく処理できる。

中国は、国内のマイクロチップ産業を長年に渡って徐々に育成してきた。だが、今年初め、スマートフォン・メーカーのZTE(中興通訊)に対してホワイトハウスが制裁を課すと、その重要性が浮き彫りになった。制裁によって米国製マイクロチップの供給が途絶えたことで、ZTEは廃業寸前にまで追い込まれたからだ。

ZTEの状況を見た中国のテック企業は、自社の開発計画を加速させるか、開発計画を公開する必要があるとの危機感を抱いたようだ。7月には中国大手検索会社のバイドゥ(Baidu)が自社開発のチップを発表。最近では、電子商取引企業のアリババがAIチップの開発を進める子会社の設立を発表している。スタートアップ企業では、中国科学院から独立したカンブリカン(Cambrican)、暗号通貨のマイニング用チップを基盤として財を成したビットマイン(Bitmain)などがある。

AIブームは中国にとって、新たなチップ設計が花開き、新たな企業が半導体産業に進出するチャンスとなる。中国企業は汎用チップを開発する企業になろうとは思わないだろう。むしろ、大規模なデータ・センターでAIアルゴリズムを訓練するのに使われたり、電子機器や自動運転自動車で使う機械学習のコードを効率よく実行したりするための、構成部品としてのチップの開発に挑むはずだ。

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  • 画像クレジット: David Ramos/Getty Images
ウィル ナイト [Will Knight] 2018.10.11, 12:29
5日前
3D-printed plastic objects can track their own use without any electronics電池不要で服用状況を送信できる、3Dプリンター製スマート薬瓶

薬瓶や義肢といった物体が、電池を使わずに、使用状況を発信できるようになった。

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薬瓶や義肢といった物体が、電池を使わずに、使用状況を発信できるようになった。

ワシントン大学の研究チームは、物体にアンテナを埋め込み、薬瓶の開閉のような特定の動作をしたときにアンテナが作動するようにした。2本のアンテナが送信する後方散乱信号の変化によって、物体がいつ、どのように使われたかを伝えるモールス信号のようなパターンを作り出す仕組みだ。

ワシントン大学の研究チームは、開発したデバイスの活用対象として、義肢などの支援テクノロジーや、毎日の服薬を患者に知らせる「スマートな」薬瓶、インスリンの自己注射を挙げている。今回開発された技術を活用することで、これらの機器が人々にどう使用されているか、正確に確認できるようになるだろう。機器の水濡れや、Wi-Fi信号の切断、電池切れの心配は無用だ。

いまのところ、この機器はまだ試作品だが、 3Dプリントされた材料が双方向の動きを検出し、データを保存できることを示している。チームの次の課題は、日々使用する類の物体に埋め込めるように、試作品の小型化を進めることになるだろう。チームは研究成果を、10月15日にベルリンで開催される 「ACM UIST(ACMシンポジウム・オン・ユーザーインターフェイス&テクノロジー)」で発表する予定だ。

閉じる charlotte.jee [Charlotte Jee] 2018.10.11, 12:02
5日前
Amazon ditched AI recruitment software because it was biased against women「女子大卒は減点」アマゾンのAI採用、男性優遇判明で廃止に

人工知能(AI)アルゴリズムの訓練に使われたデータが、男性の就職希望者を優遇する傾向を生んだ。

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人工知能(AI)アルゴリズムの訓練に使われたデータが、男性の就職希望者を優遇する傾向を生んだ。

ロイター通信の報道によると、2014年、アマゾンは就職希望者に対して1つ星から5つ星でランク付けをする自動システムの開発に着手した。しかし、このシステムが技術職において男性志願者を優遇していることが分かり、2017年に廃止した。

このAIツールは、アマゾンがそれまで10年間に渡って受け取ってきた履歴書のデータを元に訓練された。テクノロジー産業は男性優位分野であるため、履歴書の大部分は男性から送られてきたものだった。

システムは意図せずして、男性志願者を女性志願者よりも優先して選ぶように訓練されていた。報道によれば、「女性の」という言葉や、特定の女子大学の名前を含む履歴書を減点するようになっていた。アマゾンは、システムがこれらの条件を中立なものとして判断するように変更を加えたものの、プログラムが他のあらゆる分野において本当に性別に対する偏りがないか、自信を持てなくなったという。

私たちはAIを本質的にバイアスがないものとして扱うことはできない。バイアスのあるデータでシステムを訓練すれば、アルゴリズムもまたバイアスを含むことになる。もし、今回のような公平性を欠いたAI人材採用プログラムが導入前に明るみにならなければ、ビジネスに長年根付いている多様性の問題の数々は解決されず、むしろ固定化されてしまうだろう。


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  • 参照元: Reuters
  • 画像クレジット: #WOCinTech chat | Flickr
エリン・ウィニック [Erin Winick] 2018.10.11, 10:24
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