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The CRISPR books racing to be the technology’s definitive guide一般向け「CRISPR本」が続々、次のベストセラーはどれ?

現代の奇跡「クリスパー(CRISPR)」を大々的に伝える物語が揃いつつある。このDNA切断テクノロジーに関する、少なくとも4冊の一般向けの書籍が出版へ向けて進行中なのだ。

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現代の奇跡「クリスパー(CRISPR)」を大々的に伝える物語が揃いつつある。このDNA切断テクノロジーに関する、少なくとも4冊の一般向けの書籍が出版へ向けて進行中なのだ。

いまのところ限られた情報しかないが、どの本も科学者が人間の遺伝子を変える能力を持つようになったいま、人間の進化自体が危機ににさらされているという考えを揶揄しているようだ。

クリスパーを使った遺伝子操作赤ちゃんが昨年中国で誕生したことで、クリスパーはこれまでになく差し迫った論題になった。そんな中、この4冊の著者は誰が最初に出版に漕ぎ着けるのか? 独自のクリスパー・レースを繰り広げることになるだろう。これらの書籍の概要を判明している範囲で紹介しよう。

タイトル未定(ウォルター・アイザックソン著)
情報筋によると、作家のウォルター・アイザックソンがクリスパーの物語を詳しく調べている。アイザックソンは、アルベルト・アインシュタイン、レオナルド・ダ・ビンチ、そしてスティーブ・ジョブズの伝記を手がけた人物だ。クリスパーの共同開発者であるカリフォルニア大学の生化学者ジェニファー・ダウドナ教授の視点を通して語られる可能性がある。ダウドナ教授は、クリスパーを発明した後、技術がいかに悪用される可能性があるかを世界に警告している。

書籍に仮タイトルがあるかどうかは分からない。だが情報筋によると、アイザックソンは欧州に滞在してクリスパー関連の科学者を取材している。取材対象には、ダウドナ教授とともにクリスパーを共同開発したエマニュエル・シャルパンティエ博士も含まれているようだ。クリスパーの開発は単独の科学者の研究というよりは、研究グループによる成果だったので、アイザックソンお得意の「天才の伝記」として描くのは難しいかもしれない。

アイザックソン本人や、エージェントの「ビンキー」ことアマンダ・アーバンに問い合わせたものの、返答はなかった(アーバンはマンハッタンを拠点とするICMパートナーズ(ICM Partners)に所属する著名エージェント)。明らかなことは、アイザックソンの知名度と壮大なスケールで描く彼の執筆スタイルで、クリスパー物語がベストセラー入りする可能性があるということだ。数百万部の売上が期待される。

『Editing Mankind:Humanity in the Age of CRISPR and Gene Editing(人類の編集:CRISPRとゲノム編集時代のヒト)』(ケヴィン・デイヴィス著)
ケヴィン・デイヴィスは学術誌『CRISPRジャーナル』の編集者で、DNAシーケンシングの高速化と低廉化の競争について著した『 The $1,000 Genome』(2010年刊、未邦訳)の著者だ。デイヴィスはクリスパーに関する新刊の権利をすでにペガサス・ブックス(Pegasus Books)に売却している。来年発売の新刊は、中国と米国での遺伝子編集研究に注目し、科学者が「神のように振舞っている」かを問う内容になるようだ。

宣伝文によると、「患者のために研究の最前線にいる科学者たちを追い、科学者たちの力強い物語から研究の意味をヒューマン・スケールで感動的に描き出す」。

デイヴィスは、昨年中国で起こった遺伝子編集の大失敗を含めて、クリスパーを最前線で見つめてきた。CRISPRジャーナル誌は、フー・ジェンクイ(賀建奎)が執筆した遺伝子組替え人間の倫理的問題に関する長ったらしい論文を掲載した。フーはゲノム編集によって双子を誕生させたと発表した中国の科学者だ。結局、その論文は深刻な倫理と利益相反の矛盾で撤回せざるを得なかった

『Mutants(ミュータント)』( イーブン・カークシー著)
文化人類学者のイーブン・カークシー博士は、来年度からプリンストン高等研究所で勤務する予定だ(現在はオーストラリアのディーキン大学の准教授)。カークシー博士は遺伝子編集と社会的不平等の交差部分に注目するだろう。出版社の目録によると、カークシー博士は「クリスパーによって人類を作り変える科学者、ロビイスト、起業家、そして活動家の国際的な事例について深く掘り下げる予定」。

この本の版権をセント・マーチンズ・プレス(St. Martin’s press)が買い取ったという情報を得たため、カークシー博士とセント・マーチンズ・プレスに問い合わせたが、どちらからもいまのところ返事はない。

タイトル未定(マイケル・スペクター著)
ザ・ニューヨーカー誌のマイケル・スペクター記者がクリスパーの書籍を執筆中だという話はしばらく前からあった。マサチューセッツ工科大学(MIT)の遺伝子ドライブの専門家であるケビン・エスベルト助教授を、スペクター記者が追っていることを私たちは突き止めている。エスベルト助教授は、たとえば、アフリカでマラリア感染を媒介する蚊を駆除するなど、ある環境下で遺伝子編集ツールを自由に使うことに関して率直な発言をしてきた。スペクター記者は以前、ザ・ニューヨーカー誌でエスベルト助教授の特集をしている。スペクター記者へコメントを求める電子メールを送ったが、まだ返信はない。

もしかしたら、私も本を書けばいいのかもしれない。メアリー・シェリーと「サルでも分かるクリスパー」の出会いをテーマにしたらよさそうだ。

閉じる アントニオ レガラード [Antonio Regalado] 2019.08.19, 16:09
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These bionic shorts help turn an epic hike into a leisurely stroll歩きも走りもぐっとラクになる「AIショートパンツ」が登場

エクササイズ器具のことはいったん忘れよう。将来、機械式のパワードパンツを穿いて脚にバネを付け、歩いたり走ったりできるようになるかもしれないのだ。

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エクササイズ器具のことはいったん忘れよう。将来、機械式のパワードパンツを穿いて脚にバネを付け、歩いたり走ったりできるようになるかもしれないのだ。

ハーバード大学とネブラスカ大学(ネブラスカ州オマハ)の研究者が、軽量なエクソスケルトン(外骨格)パンツを開発した。脚の動きに応じたアルゴリズムを使い、歩行とランニングの両方を支援する初のデバイスだ。

このスーパー・ショートパンツは、将来的にウェアラブルな外骨格技術が、人々がさまざまな動作をする際の支援に役立つ可能性を示している。工場や倉庫で働く労働者や、障がいを持つ人の支援には重くてかさばる商用化された装置がすでに使われているが、材料やアクチュエーター、機械学習の進歩により、以前よりも軽くパワフルで適応性の高い次世代型のウェアラブル装置が実現した。

新開発の「エクソスーツ(exosuit)」は、腰と太腿の周りに取り付ける柔らかい素材と、腰背部に取り付けるアクチュエーターで構成されている。エクソスーツの機能は、歩行からランニングへの移行という、別のアクチェーションを必要とする異なる運動を検知するアルゴリズムによって制御されている。エクソスーツの詳細は、サイエンス誌に掲載されている。

エクソスーツの重さは5キログラムで、代謝エネルギー量を歩行時に9.3%、ランニング時に4%減らすことができる。軽量外骨格を専門とするハーバード大学のコナー・ウォルシュ教授は、「削減できるエネルギー量はそれほど多くはありませんが、私たちの研究は携帯型のウェアラブル・ロボットが2つ以上の活動を支援できることを実証しています」と述べている。

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  • 画像クレジット: Science
ウィル ナイト [Will Knight] 2019.08.19, 12:17
3日前
A new clothing line confuses automated license plate readersナンバープレート自動読取機をだます最新ファッションが登場

監視データベースの効率を落とすために、ジャンクデータを監視カメラに送り込む。そんな新しいファッションが登場した。

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監視データベースの効率を落とすために、ジャンクデータを監視カメラに送り込む。そんな新しいファッションが登場した。

ハッカーでファッション・デザイナーのケイト・ローズは、ラスベガスで開催されたハッカーの祭典「デフコン(DefCon)」で、新しいファッション・ブランド「アドバーサリアル・ファッション(Adversarial Fashion)」を発表した。ナンバープレート柄のパーカーやシャツ、ドレス、スカートが自動ナンバープレート読取装置(ALPR:Automated License Plate Readers)の誤動作を引き起こし、一般市民を追跡する監視システムに役に立たないデータを送り込むという(ローズによるプレゼンテーションはこちら)。

ナンバープレートによく似たデザインのこれらの服をALPRは誤って車両として検出し、記録してしまう。ローズによると、そもそもALPRはフェンス(柵)の写真などを誤ってナンバープレートに分類することがよくあるという(上の写真でローズはモデルとして自らがデザインしたドレスを披露している)。ローズの取り組みは、より多くのジャンクデータをシステムに送り込めば、一般市民を追跡する効率が低下し、システムの配備コストが高くなるとのアイデアに基づいている。

米国内には数万台のALPRカメラが点在しており、毎分何千枚ものナンバープレートを読み取って記録している。その数は毎日増えるばかりだ。ALPRはおもに警察と政府機関によって管理されているが、民間人でも購入して運用できる。ALPRは車両ナンバープレートを検出して撮影し、時間、車両データ、場所を記録。警察が捜査中の車両データベースとアルゴリズムが自動的に照合する。法的な問題が懸念される方法で大衆監視を実現しているALPRは、プライバシー擁護者を驚愕させている

ALPRをターゲットとしたのは今回が初のケースだが、監視に対する反撃を目的としたファッション・プロジェクトはこれが最初ではない。研究者らは、人工知能(AI)を欺こうとする衣服、認識システムから顔が隠せるメイク、システムをだましてミュージシャンのモービーだと錯覚させてしまう帽子まで、実にさまざまな敵対的画像を考え出している。

閉じる シャーロット・ジー [Charlotte Jee] 2019.08.16, 16:45
3日前
Facebook paid people to listen to voice recordings, tooフェイスブックも音声を聞いていた=文字起こしを外部に委託

フェイスブックも録音したユーザーの音声を外部の請負業者に聞かせていたことが分かった。

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フェイスブックも録音したユーザーの音声を外部の請負業者に聞かせていたことが分かった。

ブルームバーグは、メッセンジャー・アプリでユーザーが作成した音声データを、フェイスブックが外部の業者に委託して文字起こしさせていたと報じた。音声データがどこで録音されたのか、どのように取得されたのかは明らかにされていないが、中には極めて個人的な内容の会話も含まれているという。フェイスブックによると、請負業者は、フェイスブックの人工知能(AI)ソフトウェアがメッセージを正しく解釈できているか確認するために解析しており、音声データからユーザーは特定できないという。同社の広報担当者は、録音した音声を請負業者に聞かせるプログラムはすでに1週間以上前に一時停止したとブルームバーグに回答している。

似たような話は2019年に入って5回目だ。4月にはアマゾン、7月にはグーグルアップル、8月にはマイクロソフトで同様の取り組みが発覚している。いずれの場合も、音声データを請負業者に聞かせていることをユーザーに通知していなかった。こうしたプログラムの大部分は、その後の調査のために一時中止されている

フェイスブックは今回の影響範囲は、メッセンジャー・アプリでボイスチャットを文字起こしするサービスを選択したユーザーだけだと発表した。このサービスは2015年に始まっている。だが、文字起こしのプロセスに人間が関与していることはこれまで明らかにされていなかった。

録音した音声の内容を人間が確認する作業が広く実施されている事実は、AIの能力が日々向上しているにも関わらず、言葉と意味を認識する能力にまだ限界があることを示している。そして多くのAIサービスの裏側で、いまだ多くの低賃金データ労働者たちがあくせく働いている現実を改めて浮き彫りにするものだ。

閉じる シャーロット・ジー [Charlotte Jee] 2019.08.16, 13:44
3日前
North Korea is funding its weapons program with stolen cryptocurrency北朝鮮、サイバー攻撃で20億ドル稼ぐ=暗号通貨が標的に

北朝鮮のハッカー集団によるハッキング行為は、金正恩政権が外貨を稼ぎ、経済制裁の影響を緩和するための主な手段となっている。AP通信が入手した国連の報告書には、北朝鮮による幅広いハッキング行為の概要が述べられており、ハッカー集団の活動が大量破壊兵器開発の資金源となっていることを指摘する内容だという。

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北朝鮮のハッカー集団によるハッキング行為は、金正恩政権が外貨を稼ぎ、経済制裁の影響を緩和するための主な手段となっている。AP通信が入手した国連の報告書には、北朝鮮による幅広いハッキング行為の概要が述べられており、ハッカー集団の活動が大量破壊兵器開発の資金源となっていることを指摘する内容だという。

先週、複数のメディアは、国連の北朝鮮制裁委員会に提出された報告書の内容を報じている。金融機関や暗号通貨取引所を狙った「広範囲でますます高度化した」サイバー攻撃により、北朝鮮が3年間で20億ドルもの資金を不正に取得したというものだ。AP通信は報告書の長文版を入手しており、サイバー攻撃の詳細について紹介している。それによると、国連の専門家は、北朝鮮が17カ国にサイバー攻撃を仕掛けて資金を奪い、兵器調達に充てたとする、少なくとも35件の事例を調査中だという。

最大の被害国は韓国のようだ。報告書では、韓国へのサイバー攻撃が10件挙げられている。そのうちの4件が、世界最大級の暗号通貨取引所の1つであるビッサム(Bithumb)を狙ったものだ。AP通信は、北朝鮮のハッカーはほかにもインドに対して3件、バングラデシュとチリに対してそれぞれ2件のサイバー攻撃を仕掛けたと報じている

北朝鮮のサイバー攻撃は主に2種類の形態を取っている。1つは、金融機関が海外送金で使うスイフト(SWIFT)システムを狙ったものだ。この場合、ハッカーは銀行員のコンピューターなどからインフラに侵入し、不正なメッセージを送信して証拠を隠滅する。もう1つのサイバー攻撃は、暗号通貨取引所やユーザーからデジタル通貨を盗み出すものだ。また国連の研究者によれば、北朝鮮は「軍の資金源として専門部隊による暗号通貨のマイニング」も手がけているという。

北朝鮮は長期にわたり、インターネットを通じて資金を不正に獲得する戦略に力を注いできたようだ。いまやデジタル通貨を利用すれば、米ドル主導の国際金融システムの外で、資金調達や取引が可能だからだ。

閉じる マイク オルカット [Mike Orcutt] 2019.08.16, 13:20
3日前
The tech employee backlash, Whole Foods edition移民当局へのAWS提供やめて、ホールフーズ社員がアマゾンに抗議

米国の高級食品スーパーのホールフーズ(Whole Foods)の匿名の従業員グループが、米国移民・関税執行局(ICE)に協力していることを理由に、アマゾンに抗議している(ホールフーズは2017年にアマゾンに買収されている)。

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米国の高級食品スーパーのホールフーズ(Whole Foods)の匿名の従業員グループが、米国移民・関税執行局(ICE)に協力していることを理由に、アマゾンに抗議している(ホールフーズは2017年にアマゾンに買収されている)。

「ホールワーカー(Whole Worker)」を名乗るこの従業員グループは、ツイッター・アカウントを通じて投稿した公開書簡で、アマゾンがデータ分析企業「パランティア(Palantir)」にクラウドコンピューティング・サービスを提供していると批判。パランティアは、不法入国者の強制送還に使われているICE向けのシステムを開発・提供している。ホールワーカーは、アマゾンの顔認識テクノロジー「レコグニション(Rekognition)」の司法当局への販売停止も求めるとともに、「社会的に排除されている集団に対する継続的な弾圧に関係している他のあらゆる企業」とのビジネスから手を引くよう要請している(「「政商」化するアマゾン、米政府の重要インフラでシェア圧倒」も参照)。

ホールフーズ従業員の書簡が注目に値するのは、アマゾンのテック系事業に直接関与しない従業員の間にもアマゾンへの不安があることを示しているからだ。ホールワーカーはほかにも、アマゾンの組合潰しの手法に関する45分間の映像を昨年9月にリークしている。この映像は、コメディアンのジョン・オリバーがホストを務める深夜テレビ番組「ラスト・ウィーク・トゥナイト(Last Week Tonight)」で最近紹介された。

アマゾンの従業員らも同社とICEの関係について1年以上前から抗議を続けているが、このところ、反ICE派の主張が勢いを増している。先月にはアマゾンWebサービス(AWS)の従業員が、ICEとの協力を止めるよう求める書簡を社内で回覧した。

だが、ホールフーズ社内で不安がどれほど広がっているのか、あるいは不安が増大しているのかを捉えるのは難しい。ホールワーカーのメンバーはビジネスインサイダーの取材に対して、ホールワーカーには「数十人の」委員会メンバーが存在し、280人が「内部コミュニケーションに関与している」と語った。ホールフーズは2年前の時点で9万1000人を雇用していた。

抗議を受けているのはアマゾンだけではない。多くの大手テック企業の従業員たちは、自社と軍や政府との協力関係を批判している。昨年、グーグルは従業員の不安を受けて、国防総省との人工知能(AI)の共同研究である「プロジェクト・メイブン(Project Maven)」の契約更新を見送った。同様にグーグルは従業員の抗議を受けて、中国版検索エンジン「プロジェクト・ドラゴンフライ(Project Dragonfly)」への取り組みを中止している。マイクロソフトの従業員は、国防総省のジェダイ(JEDI:Joint Enterprise Defense Infrastructure)プロジェクトに入札しないよう求める公開書簡に署名した。

アマゾンは現時点でホールワーカーの書簡に回答していない。しかし、アマゾンは以前のICEとの連携中止を求める要請に関する声明で、テクノロジーの使い方に関する規則は政府が決めることだと回答している。

閉じる angela.chen [Angela Chen] 2019.08.16, 11:40
企画・研究のアイデアに、
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3日前
This implant could prevent HIV infectionHIV感染を防ぐインプラント、メルクが試作

小さなインプラント(埋め込み機器)でヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染を1年間防げるかもしれない。ニューヨーク・タイムズ紙が報じている。

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小さなインプラント(埋め込み機器)でヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染を1年間防げるかもしれない。ニューヨーク・タイムズ紙が報じている。

このインプラントは、マッチ棒サイズのプラスチック製チューブで、腕の皮下に挿入し、抗HIV薬をゆっくりと放出していく。

HIVを持っていない人でも、抗HIV薬を毎日服用し続けることで感染を予防できる。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、このような「PrEP(プレップ:曝露前予防内服)」はHIV感染のリスクが高い人のためのものだ。

HIV予防インプラントのアイデアは、プレップの簡易化を目的としている。数カ月かけて少しずつ抗HIV薬を放出するので、薬の定期的な服用の煩わしさから解放される。避妊用インプラントと同様のアイデアだ。

メルク(Merck)が開発したこの装置は、12人の男性を対象にした3カ月間の予備試験が実施された段階だ。試験では、イスラトラビル(Islatravir)という長期間作用する抗HIV試験薬が使われた。メルクは7月23日、メキシコシティで開催されたHIVに関する学術会議プロトタイプを発表した

ただし、プレップ薬によりHIVウイルス感染の心配から解放される一方、クラミジアや淋病など他の性感染症を頻繁に発症する可能性がある。これは、今年4月に発表された4375人の同性愛者およびバイセクシャルの男性を対象に実施したオーストラリアのある調査によって報告された。

閉じる アントニオ レガラード [Antonio Regalado] 2019.08.16, 6:47
4日前
Data leak exposes unchangeable biometric data of over 1 million people英防犯企業で100万人分のデータが公開状態、生体認証情報も露出

パスワードならいつでも変更できるが、指紋や顔となると別問題だ。

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パスワードならいつでも変更できるが、指紋や顔となると別問題だ。

100万人分を超える指紋データや、顔認識情報、暗号化されていない名前とパスワード、その他の個人情報を含むデータベースがインターネット上で公開され、外部からアクセス可能な状態になっていたことが、英国で明らかになった。ガーディアン紙が報じている。データベースの運営会社であるスプリーマ(Suprema)は、英国の警察や銀行、民間軍事会社も利用している防犯会社だ。

データ漏洩は衝撃的な頻度で発生している。特に近年、企業がクラウドに移行する中、さまざまな設定ミスや不手際が原因で、大量のプライベートなデータがインターネット上で誰でも見られる状態のまま、晒される事件が発生してきた。

今回のインシデントがこれまでと異なるのは、個人データやパスワードに加えて、指紋や顔認識情報などの生体認証データまで含まれていたことだ。

生体認証の利用がますます拡大する一方で、生体認証データの漏洩リスクは大きな懸念や批判の的となっている。ユーザー名やパスワードであれば数回のクリックで変更できる。しかし、顔は変えられない。それとも、「整形手術」という言葉が脳裏をよぎった人はいるだろうか?

スプリーマは、セキュアな建物内の入室と監視を管理する生体認証ロックシステム「バイオスター( Biostar )2」のサービスを運営している。バイオスターのデータベースのデータが外部からアクセス可能であることは、イスラエルの研究者であるノアム・ロテムとラン・ロカール、サイバーセキュリティ企業であるVPNメンター(vpnMentor)が発見した。

「我々はバイオスター2のデータベースの侵入経路を発見した後、スプリーマに連絡し、調査結果について警告しました。しかし全体を通じて、スプリーマの対応は概してとても非協力的でした。我々は何度もメールで同社に連絡を試みましたが、無駄な努力となりました。最終的にはオフィスに電話しましたが、対応はまたしても消極的でした」と研究者は記している。

公開状態にあったのは、合計2780万人分の記録、23ギガバイトのデータだ。今月に入ってこの件が発見されてから約1週間後、問題は解消された。

閉じる patrick.howell.oneill [Patrick Howell O'Neill] 2019.08.15, 10:49
5日前
Google’s algorithm for detecting hate speech looks racially biasedヘイトスピーチ検出AIに人種差別リスク、グーグル系にも

悪意あるオンライン・コンテンツを発見するための人工知能(AI)システムは、アフリカ系米国人と認識されたユーザーが投稿するツイートを「不快」とラベル付けする可能性がはるかに高いことが明らかになった。

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悪意あるオンライン・コンテンツを発見するための人工知能(AI)システムは、アフリカ系米国人と認識されたユーザーが投稿するツイートを「不快」とラベル付けする可能性がはるかに高いことが明らかになった。

ワシントン大学などの研究者グループは、2つのAIシステムを構築し、人間によって「不快」「問題無し」「ヘイトスピーチ」などのラベルが付けられた10万件を超えるツイートのデータセットで試験を実施した。2つのうちの1つのアルゴリズムは、アフリカ系米国人ユーザーによる、まったく問題がないと思われるツイートの46%を誤って「不快」と判定。540万件のツイートで構成されたデータセットを含む、より大きなデータセットを使った試験では、アフリカ系米国人による投稿が「不快」と判定される可能性が1.5倍高くなることが判明した。その後、研究者グループはアルファベット(グーグル)の子会社ジグソー(Jigsaw)の「パーステクティブ(Perspective )」をテストしたところ、同様の人種的なバイアスが認められた。パーステクティブは、オンライン議論のモデレートに使えるAIツールだ。

米国とニュージーランドで起きた白人至上主義者による大規模な銃乱射事件を受け、SNSプラットホームに対する政治家からのヘイトスピーチ排除要請が、これまで以上に高まっている。今回のような研究は、問題への対応の複雑さを強調している。言葉や言い回しが不快かどうかは、誰が話しているのか、そして誰が聞いているのかによって異なる。たとえば、黒人が「Nワード」を使う場合は、白人が使う場合とはまったく状況が異なる(日本版注:Nワードは黒人に対する差別語「nigger」の代替表現)。だがAIシステムは、こうしたニュアンスをまったく理解しないし、現在も理解できていない。

ソフトウェアを使って不快な単語を自動的に排除することは、マイノリティの声を黙殺してしまうリスクがある。またオンライン・コンテンツのモデレート(投稿監視)は極めて精神的な負担が大きく大変な仕事なので、テック企業は人間ではなくAIシステムに作業を任せようとしている(しかもその方がはるかに安い)。だが、今回の研究は、こうしたAIを使った手法特有の大きなリスクを示している。

閉じる シャーロット・ジー [Charlotte Jee] 2019.08.14, 16:52
5日前
Video games don’t depress teens as much as other screen time10代のうつ病、ゲームのプレイ時間は「影響なし」=カナダ調査

ソーシャル・メディアの利用時間やテレビの視聴時間は、8歳から19歳までの子どもたちのうつ病と以前から関連づけられてきた。だが、新たな調査結果は、すべてのスクリーン・タイム(画面閲覧時間)がうつ病を引き起こすわけではないことを示している。

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ソーシャル・メディアの利用時間やテレビの視聴時間は、8歳から19歳までの子どもたちのうつ病と以前から関連づけられてきた。だが、新たな調査結果は、すべてのスクリーン・タイム(画面閲覧時間)がうつ病を引き起こすわけではないことを示している。

モントリオール大学のパトリシア・コンロッド教授らの研究チームは、抑うつ行動に関する自己報告が4種類のスクリーン・タイム(コンピューター、ソーシャル・メディア、テレビ、ビデオ・ゲーム)とどう関係しているかを調べた。

米国医師会が刊行する国際的な医学雑誌『JAMA』に発表されたこの研究を率いたコンロッド教授のチームは、大モントリオール圏で4年間に渡って、男女比がほぼ均等の3826人の7年生(日本での中学1年生に相当)を調査した。

このニュースは古いのでは? と思ったなら、その通りだ。だが、今回の研究で注目すべきは、ビデオ・ゲームだけが唯一、10代のうつ病に与える影響が中立だったことだ。その理由として、ビデオ・ゲームでは多くの場合、10代の若者たちが描かれていないからだとコンロッド教授は考えている。一方ソーシャル・メディアやテレビは、コンロッド教授が言うところの「理想化された人生のイメージ」のために、自尊心の低下と関連している可能性があるという。子どもたちは輝かしく飾り立てられた、純粋で非現実的なイメージと自分自身とを比べてしまうのだ。

コンロッド教授のチームは、スクリーン・タイムが1週間の身体活動に影響を与える証拠を見つけられなかった。「この事実は、テレビやソーシャル・メディアとうつ病との関係は、身体活動の多寡よりむしろ、コンテンツ(内容)と思考によって媒介されている可能性を示しています」。

では、よい影響を与えるスクリーン・タイムは存在するのだろうか? コンロッド教授の答えは「ノー」だ。

今回の調査はまだ初期段階にあり、今後の課題は多い。人口統計に関する視点、つまりうつ病に対するスクリーン・タイムの影響に、性別や社会経済学、それに以前からの健康要素などが与えた可能性を、より詳細に調査する必要があるとコンロッド教授は述べている。研究者たちはスクリーン・タイムがうつ病の原因となるのか、まだ完全には突き止めていない。特有のイメージなのか?  人間をうつ病のリスクに陥らせる特定の行動があるのか? こうした問いに答えるのは容易ではないが、その答えはより健康的な生活を送るのに役立つはずだ。

閉じる tanya.basu [Tanya Basu] 2019.08.14, 14:28
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