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The wheels may be coming off Facebook’s digital currency project LibraFB「リブラ」に大打撃、ビザやマスターカードも離脱を表明

10月11日、フェイスブックのデジタル通貨である「リブラ(Libra)」の計画が大きな打撃を受けた。ビザ(Visa)、マスターカード(Mastercard)、イーベイ(eBay)、ストライプ(Stripe)が相次いで、ペイパル(Paypal)に追従する形で、フェイスブックがリブラの管理のために立ち上げた非営利組織「リブラ協会」からの離脱を表明したのだ。

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10月11日、フェイスブックのデジタル通貨である「リブラ(Libra)」の計画が大きな打撃を受けた。ビザ(Visa)、マスターカード(Mastercard)、イーベイ(eBay)、ストライプ(Stripe)が相次いで、ペイパル(Paypal)に追従する形で、フェイスブックがリブラの管理のために立ち上げた非営利組織「リブラ協会」からの離脱を表明したのだ。

これらの企業が離脱したことで、リブラ協会への参加を表明している企業は23社となった。フェイスブックはリブラの計画を今年の6月に発表した。発表時には、フェイスブックの他に、ビザやマスターカード、ペイパル、ウーバー、スポティファイ(Spotify)といった大手企業を含む27の企業が、フェイスブックがリブラの発展・維持のためにスイスに設立したリブラ協会への参加に署名したことも併せて発表された。フェイスブックは、来年を予定しているリブラの立ち上げまでに、参加企業数を28から100にまで増加させるとしていた。

しかし先週、参加企業のうち数社が同協会からの離脱を検討しているという噂が浮上した後、ペイパルが最初に離脱を宣言した。そして今、大量離脱の雰囲気が漂い始めている。

リブラの構想は、世界中の政策立案者や中央銀行から冷ややかな目で見られており、そのことも参加表明企業の離脱を後押ししている可能性がある。7月、フェイスブックでリブラ計画を率いるデビッド・マーカスは、リブラに懐疑的な姿勢を示す米国の政策立案者たちから集中砲火を浴びた。フランスとドイツは、リブラを阻止することで合意した

10月7日の週には、ハワイ州選出のブライアン・シャーツ米上院議員とオハイオ州選出のシェロッド・ブラウン上院議員が、ビザやストライプ、マスターカードのCEO(最高経営責任者)に書簡を送り、リブラについての「深い懸念」を表明すると同時に、リブラ計画に関与すると規制当局による厳しい調査に直面する可能性があると警告した。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、リブラ協会の立ち上げメンバー(のうち離脱していない企業)は、10月14日にスイス・ジュネーヴで会合を開き、憲章の確認と理事の任命をすることになっている。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、10月23日に下院金融サービス委員会でリブラに関する証言をする予定だ。

10月11日夜に投稿されたツイッターのメッセージで、フェイスブックのマーカスは、「圧力が強かった」と述べ、「リブラ計画が続行するのに必要な規制が明確になるまで待つ」というビザとマスターカードの決定を尊重すると述べた。そして、「今回の離脱から、リブラの命運を読み解くことはお控え頂きたい」と付け加えた。

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  • 画像クレジット: Flickr | romana klee
マイク オルカット [Mike Orcutt] 2019.10.14, 12:29
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1日前
A Senate report has ideas for fighting disinformation. Don’t hold your breath.米上院委員会、大統領選に向けたデマ対策で報告書

米上院委員会は、2020年の米国大統領選挙における外国からの干渉を防止するための勧告を盛り込んだ超党派の報告書を公開した。 報告書にはテック企業、米連邦議会、大統領に向けた提案が含まれているが、その内容は楽観的であると言わざるを得ない。

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米上院委員会は、2020年の米国大統領選挙における外国からの干渉を防止するための勧告を盛り込んだ超党派の報告書を公開した。 報告書にはテック企業、米連邦議会、大統領に向けた提案が含まれているが、その内容は楽観的であると言わざるを得ない。

すべての組織的な偽情報活動は、複数のプラットフォーム上で展開されるため、テック企業間でより多くの情報を相互に共有すべきであると報告書は指摘している。また、企業は、問題を発見できそうな外部の研究者と、より多くの情報を共有すべきだともしている。

確かに、この部分はさほど難しくないかもしれない。 フェイスブックがツイッター からの通報をもとに中国の組織的な偽情報活動とリンクしたページを削除したというようなやり取りが、すでにいくつか実際になされている。 まったくの部外者と情報を共有することは、さらに範囲を広げ、効果的なものとなるであろう。 ソーシャルメディアのプラットフォーム企業は、詳細なデータを研究者やアナリストに提供することを嫌がることで知られている。 ユーザーのプライバシーを侵害する恐れがあるというのだ。 しかし、研究者たちは、こうした企業はデータを共有することで競争力と収益が低下することを恐れているのだという。堂々巡りが続いている状態だ。

今回の報告書は、政治広告に誰が資金提供しているのか、より簡単にわかるようにする連邦法を作るべきだと提案している。それがそんなに簡単だったら、とっくの昔にそうしていただろう。 民主党の有力な大統領候補であるエイミー・クロブチャーを含む3人の上院議員は2017年、広告主の素性を明らかにすることを求める法案「Honest Ads Act(誠実な広告法案)」を提案した。しかし、一部の評論家が、政治広告が他国で購入されることはほどんどないのでこの法案は不要だと発言したり、また一方でその法制度の実践の難しさを懸念する向きがあったりしたことなどから、法案は頓挫したままとなっている(グーグルは、自社システムがワシントン州のオンライン開示規制に準拠していなかったとして、同州での政治広告の掲載を停止した)。

極めて皮肉なことに米上院委員会は、「2020年の大統領選挙に外国からの干渉が試みられる危険性についての国民の認識を強化する」必要があるとしている。これはどの程度、現実性があるのだろうか? ドナルド・トランプ大統領は現在、ウクライナの大統領に対して自分の政敵について捜査するよう圧力をかけようとしたとして領弾劾調査の真っただ中にある。 渦中にあるトランプ大統領が、外国からの干渉の試みの危険性について国民に説明することは当面ないと考えた方がよさそうだ。

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  • 画像クレジット: Pixabay
angela.chen [Angela Chen] 2019.10.13, 9:27
1日前
The US just blacklisted 8 Chinese AI firms. It could be what China’s AI industry needs.米国が中国のAI企業など28組織をブラックリストに、その影響は?

米商務省は、外交政策上の利益に反する行為を理由として、大手テック企業8社を含む中国の政府機関と民間企業28組織をエンティティ・リスト(輸出管理規則リスト )に追加すると発表した。

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米商務省は、外交政策上の利益に反する行為を理由として、大手テック企業8社を含む中国の政府機関と民間企業の計28組織をエンティティ・リスト(輸出管理規則リスト )に追加すると発表した

米国企業はエンティティ・リストに登録された企業や機関に対して、米国政府の承認なく技術を販売することが事実上できなくなる。

米国政府は、今回リストに追加される企業や機関は、新疆ウイグル自治区でウイグル人やその他の主にイスラム教を信奉する少数民族に対する人権侵害に関与していると説明している。

具体的にどのような企業がリストに追加されたのか? とりわけ目立つのが、中国政府が推進する人工知能(AI)研究チームに従事する企業だ。AI研究チームは、AI技術における世界のリーダーを目指す戦略の一環として中国政府が組織したものだ。監視カメラ技術の「ハイクビジョン(海康威視数字技術)」、音声認識の大手「アイフライテック(科大訊飛)」、画像認識の「メグビー(曠視科技)」と「センスタイム(商湯科技開発)」、マシン・ビジョンや音声認識の「YITU(依図科技)」などがある。ファーウェイ(華為)が最近リストに登録されたのに続く今回の措置は、米国の製品やサービス、技術ノウハウを貪欲に吸収しながら勢いづく、中国のAI産業の成長を阻止しようとする米国の新たな試みでもある。

どんな影響が出るのだろうか? 中国のAI産業はAIチップを必要としており、その90%を外国から輸入している。米国を拠点とするエヌビディア(Nvidia)は、深層学習アルゴリズムの実行においてもっとも人気のあるGPU(画像処理装置)の開発・生産において支配的地位にある。エンティティ・リストに登録された企業は、エヌビディアのような企業からのAIチップなどの製品の供給が途切れる恐れが出てくる。米国の大学との協力や、中国から米国企業などへの投資にも支障があるかもしれない。

米国にとって逆効果となる可能性はあるのだろうか? 中国政府は以前からAIチップ生産に関する弱みを認識しており、国内のチップ製造産業の発展を推進してきた。たとえば、この数カ月の間にファーウェイアリババ(阿里巴巴)が、強力な専用半導体を発表した。今回、中国政府機関と企業がリストに加えられたことにより、中国政府・企業の双方が国内のチップ製造産業への投資を大きく増やし、結果的に中国の技術的自立を加速させる可能性もある。

エンティティ・リストに登録された複数の中国企業は、誤解を受けていると主張している。ハイクビジョンとメグビーは、自社のテクノロジーが良い影響をもたらすように努めているとの声明を発表した。「当社が知る限り、新疆ウイグル自治区におけるプロジェクトから得られた売上は、2018年の総売上の約1%です」とメグビーは述べた。「なお、2019年6月30日までの6カ月間において、新疆ウイグル自治区から発生した売上はありませんでした」とも付け加えている。

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  • 画像クレジット: Mark Schiefelbein/AP
カーレン・ハオ [Karen Hao] 2019.10.13, 7:55
2日前
Lithium-ion’s pioneers nabbed the Nobel. Now we need the next battery breakthrough.名城大・吉野教授らリチウムイオン電池の先駆者にノーベル化学賞

化学は進歩し続けるが、リチウムイオン電池ほどの影響力を持つ発明はそうそう生まれないだろう。

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化学は進歩し続けるが、リチウムイオン電池ほどの影響力を持つ発明はそうそう生まれないだろう。

軽量でコンパクトなリチウムイオン電池は、スマホやノートパソコン、電気自動車、そして電力システムを含むさまざまな用途に役立てられ、現代世界の大きな動力源となっている。10月9日、リチウムイオン電池の開発で主要な役割を担った3人の科学者がノーベル化学賞を受賞し、90万ドルを超える賞金を分け合った。

エネルギー密度が極めて高く、携帯用製品に適した電池を作り出すためには、軽量で反応性に富む素材が必要だ。スウェーデン王立科学アカデミーの解説によると、リチウムはこの条件にピッタリで、固体元素の中で最も軽く、電子を放しやすい性質を持っている。電子とはマイナス電荷を帯びた粒子で、電池の電極間を流れる電子の働きによって電流が発生する。

ノーベル委員会は、1970年代初期に「最初の実用的リチウム電池を開発した」ニューヨーク州立大学ビンガムトン校のスタンレー・ウィッティンガム教授、1980年代に「リチウム電池の可能性を倍増させた」テキサス大学オースティン校のジョン・グッドイナフ教授、 1985年に電池の素材を純粋なリチウムから(電子の欠落または余剰によって電荷を帯びた)リチウムイオンに切り替えることで、火災を起こしやすかったリチウム電池の安全性を高めることに貢献した名城大学の吉野彰教授に賞を授与した。

安全性の向上が、リチウム電池を商品化する鍵だった。1991年、ソニーと旭化成が初めての生産に着手し、リチウムイオン電池は間もなくビデオカメラ、コンピューター、MP3プレーヤー、携帯電話などの製品に利用されるようになった。リチウムイオン電池の性能と価格は改善され続け、その需要・生産は学界と産業界の予想を上回る勢いで急速に拡大してきた。

それでも、リチウムイオン電池の能力にも限界がある。それに加えて、安全面での問題も進行中だ。電気自動車とガソリン車の価格差を縮めるためには、もっとコストを下げなければならない。トラック輸送業、海運業、航空輸送業などの大半を電気化するには、軽量性もパワーもまだ不足している。電池を研究する専門家の多くは、太陽光発電や風力発電が主要な発電手段となっていく中で、発電量の揺らぎを調整するために十分安価で長期的に持続するエネルギー貯蔵を実現するためには、リチウムイオン電池とは全く異なる化学的アプローチが必要になるだろうと述べている。

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  • 画像クレジット: Courtesy: Tesla
ジェームス・テンプル [James Temple] 2019.10.12, 17:55
2日前
Hong Kong protesters get pro bono cybersecurity help from Silicon Valleyセキュリティ・キー500個を米企業が無償提供、香港の抗議活動支援

米国企業の大半が先週見せたのは、中国の経済力や、批判を検閲する姿勢を前にして、あからさまにしっぽを巻いている姿だった。

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米国企業の大半が先週見せたのは、中国の経済力や、批判を検閲する姿勢を前にして、あからさまにしっぽを巻いている姿だった。

10月9日、強力な対抗手段が香港に到着した。民主主義推進派の香港のサイト「スタンドニュース(Stand News)」によれば、民主化を支持するジャーナリストや抗議活動家向けにハードウェア・セキュリティ・キー500個が、シリコンバレーの企業であるユビコ(Yubico)から無償で届いたのだ。セキュリティの専門家によるとハードウェア・セキュリティ・キーは、オンライン・アカウントを標的とするハッカーに対する最も効果的な防御の1つだという。

「確かにキーを送りました」。ユビコのアシュトン・タッパー広報担当者はそう話す。「ユビコには、大きなリスクにさらされている人々をオンラインで保護するという長年の使命があります。当社は、オープン・インターネットや言論の自由に取り組む多くの非営利団体と連携しています」。

ユビコには、ジャーナリストと連携して彼らのサイバーセキュリティを守ってきた実績があり、そのような関係はますます一般的になっている。グーグルやファイアアイ(FireEye)といったテック企業には、ジャーナリストなどの保護を支援する独自のアウトリーチ(「手を差し伸べる」の意)・プログラムがある。筆者自身も、その活動の一環としていくつかのキーを受け取った。

ハードウェア・セキュリティ・キーは、オンライン・アカウントが持ちうる2要素認証のもっとも強力な形式だ。他の形式の2要素認証とは違って、コピーされたり、フィッシングに引っかかったりすることがないからだ。

セキュリティ・キーの威力や重要性を理解するのに一番いい方法は、実際のデータを見ることだ。独自のハードウェア・キーを販売しているグーグルは今年、自社のセキュリティキーがアカウント乗っ取り行為を100%阻止していることを示す研究を発表した。2018年にグーグルは、従業員がセキュリティキーを使用し始めてから自社のアカウントが乗っ取られた例は皆無だと述べている。

中国はサイバー空間で世界最強の存在の1つだ。香港という半自治地域への支配を強めようとする中国政府の試みに抗議する民主化運動のために、現地は敏感なホットスポットとなっている。

香港のジャーナリストや抗議活動家は、サイバーツールを躊躇することなく使って、敵対者と見なしたあらゆる集団を追跡する姿勢を示している国からのリスクにさらされている。中国は、国内や世界各地で情報キャンペーンを公然と展開し、香港の抗議活動に関する政府側の筋書きを広めている。

しかしながら、リスクはそこで終わりではない。世界各地のこれまでの活動が示す通り(最も知られているのは、2016年の米国大統領選挙におけるロシアの活動)、ハッキングは地政学的目標を達成するための情報キャンペーンと連動して使われることがあるのだ。

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  • 画像クレジット: Photo: cloud.shepard/Flickr (CC BY 2.0)
patrick.howell.oneill [Patrick Howell O'Neill] 2019.10.12, 17:19
4日前
Astronomers have just discovered 20 new moons orbiting Saturn土星で新しい衛星が20個発見、太陽系で最多に

天文学者のチームが、土星を周回する新しい衛星20個を発見した。 これまでに発見された土星の衛星は合計82個となり、木星の79個を上回り、もっとも多くの衛星を持つ惑星となった。

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天文学者のチームが、土星を周回する新しい衛星20個を発見した。 これまでに発見された土星の衛星は合計82個となり、木星の79個を上回り、もっとも多くの衛星を持つ惑星となった。

発見された衛星の直径は約5キロメートルと非常に小さい。20個の衛星うちの17個は、土星を前後逆向きに周回している。つまり、土星の自転方向と反対に移動しているということだ。土星からの距離にもよるが、これらの衛星は約2年~3年余りかけて土星の軌道を一周している。新しい衛星を発見したカーネギー研究所(Carnegie Institution for Science)のチームを指揮している天文学者のスコット・シェパード博士によると、発見した衛星はより大きな衛星の衝突によって形成されたと見られるという。シェパード博士は、昨年、木星を周回する新しい12個の衛星を発見し、この分野で素晴らしい業績を上げている。

新しい衛星は、ハワイの休火山、マウナ・ケア山頂にある「すばる望遠鏡」を使って発見された。すばる望遠鏡は口径8.2メートルで、 世界最大の望遠鏡の1つだ。今回の発見は、10月7日に国際天文学連合(International Astronomical Union)の小惑星センター(Minor Planet Center)によって発表された。

カーネギー研究所は、発見した衛星に名前を付ける公募を開始した。衛星の名前は、属するグループに応じて、ガリア、ノルウェー、またはイヌイットの神話に由来する名前でなければならない。12月9日 までに、 Twitterアカウントの@SaturnLunacy へ、あなたが考えた名前を送ってみよう。

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  • 画像クレジット: NASA | JPL-Caltech | Space Science Institute.
シャーロット・ジー [Charlotte Jee] 2019.10.10, 6:40
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4日前
Forget fake news—nearly all deepfakes are being made for pornディープフェイクは「ほぼポルノ」、フェイクニュースとは無関係

合成画像や合成動画を検知するツールを開発しているディープトレイス(DeepTrace)の新しい報告書によると、インターネット上には少なくとも1万4678件のディープフェイクが存在するという。しかし、その大半は選挙を混乱させるために作られたものではない。

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合成画像や合成動画を検知するツールを開発しているディープトレイス(DeepTrace)の新しい報告書によると、インターネット上には少なくとも1万4678件のディープフェイクが存在するという。しかし、その大半は選挙を混乱させるために作られたものではない。

ディープフェイクは2017年の後半に登場した。本来ディープフェイクという言葉は、有名女優の顔とアダルト映画スターの体を組み合わせた、人工知能(AI)によって生成された偽のポルノを指していた。その後、「ディープフェイク」の意味は拡大され、あらゆる種類の内容を操作された映像を指す言葉となった。マーク・ザッカーバーグがフェイスブックについて偽のスピーチをする映像もその1つだ。ディープフェイクは真実の終わりと民主主義を揺るがす恐怖を煽っている。

先のディープトレイスの報告書によると、ディープフェイクの大半は政治に影響を与えるために作られたものではない。ディープフェイクの96%は、単純な昔ながらのフェイクポルノである。「ディープフェイク・ポルノは、女性だけを狙って被害を与える現象です」と報告書は述べている。すべてのフェイクポルノには女性が含まれており、その大半は有名な女優やミュージシャンだ(ユーチューブ上にあるポルノではないディープフェイクの大半には男性も入っている)。数自体はそれほど多くはないが、急激に増えているのは懸念すべき点だ。

ディープフェイクの問題には議員たちも注目している。カリフォルニア州では、ディープフェイクを制限する2つの法案にギャビン・ニューサム知事が署名したばかりだ。1つは、選挙までの2カ月間、政治家を対象とした悪意のあるディープフェイクの作成と配布を違法とするものだ(すでに米国自由人権協会(ACLU)と電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation)は、この法律は対象が広すぎて政治的言論を損なうとして、反対の姿勢を見せている)。2つ目のディープフェイク法は、ディープフェイクの実際の使い方により迫ったものだ。この法律により、同意なしに自分の画像がディープフェイク・ポルノで使用された場合、被害者は訴訟を起こせることになる。

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  • 画像クレジット: MS.TECH; ORIGINAL PHOTO FROM PIXABAY; PHOTO POSED BY MODELS
angela.chen [Angela Chen] 2019.10.10, 6:27
4日前
The Pentagon wants to launch satellite constellations to track missiles米国防総省が最大1200基の衛星打ち上げを計画、極超音速兵器に対抗

米国防総省は、地球低軌道におけるミサイル防衛システムや他の軍事用途を強化する衛星コンステレーション(人工衛星群)の開発と配備を目指している。

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米国防総省は、地球低軌道におけるミサイル防衛システムや他の軍事用途を強化する衛星コンステレーション(人工衛星群)の開発と配備を目指している。

米軍全体で取り組む宇宙関連プロジェクトを指揮するために3月に設立した宇宙開発庁(SDA:Space Development Agency)が、「国家防衛宇宙体系(National Defense Space Architecture)」の制定を提案しているとブルームバーグが報じた。最大1200基もの人工衛星で構成するこのシステムは、複数の層の衛星コンステレーションを形成する。衛星コンステレーションは、中国やロシアのような国家が極超音速兵器(音速の5倍での飛行が可能)を使った攻撃を始めた場合、米軍に警告を発するのに用いられる。米国防総省は、計画を実現するために予算案110億ドルを要求した。

同様の監視のために使用されている現在の衛星コンステレーションは、高高度の軌道を周回する数基の人工衛星だけで構成されている。より大規模な低軌道上のネットワークは、ミサイルの脅威をより高い信頼度で察知し、陸海空の防衛システムに対してより高速に情報を伝達できるとSDAは考えている。SDAは2022年までに20基の人工衛星を使用し、2025年までにシステムの中核を形成する250基の人工衛星の運用を目指している。ただし、SDAがどのように2025年までに複数の層から成るコンステレーションを軌道に打ち上げ、設置するのかについては、まだ疑問が残されている。

スペースX(SpaceX)ワンウェブ(OneWeb)など、米軍以外の多くのグループが独自の衛星コンステレーション・システムを開発しようとする中での今回の提案だ。しかし、SDAの提案は軍事目的で使用する大規模なコンステレーションの、初の主要な計画概要と考えられる。この計画は、他のコンステレーション計画と同様、さらに数千もの物体を宇宙に送り込むことは、人工衛星の衝突や損傷のリスクを増加させるだけだとの懸念を煽るだろう。

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  • 画像クレジット: United Launch Alliance / Department of Defense
neel.v.patel [Neel V. Patel] 2019.10.10, 6:06
5日前
A brain-controlled exoskeleton has let a paralyzed man walk in the lab麻痺患者がパワード・スーツで歩行に成功、脳波で操作

脳で操作するパワード・スーツにより、麻痺患者が再び歩行することに成功した。研究室内の安全性が確保された環境だが、被験者はほかにも脳に装着した2つのセンサーを使ってパワード・スーツの腕と手を操作した。リヨン在住の被験者ティボーは、4年前に高さ12メートルのバルコニーから転落し、肩から下が麻痺状態となった。

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脳で操作するパワード・スーツにより、麻痺患者が再び歩行することに成功した。研究室内の安全性が確保された環境だが、被験者はほかにも脳に装着した2つのセンサーを使ってパワード・スーツの腕と手を操作した。リヨン在住の被験者ティボーは、4年前に高さ12メートルのバルコニーから転落し、肩から下が麻痺状態となった。

ティボーは、運動を制御する脳の部分に64の電極を含むインプラントを2個埋め込む手術を受けた。これらのインプラントが脳波を読み取り、ソフトウェアがそれを変換して運動の指示を出す。クリナテック(Clinatec)とグルノーブル大学が開発したこのパワード・スーツに関する論文はランセット誌(The Lancet)に掲載されている。

ティボーは、天井からハーネスで吊り下げたパワード・スーツを動かすため、脳の信号を使ってコンピューター・ゲームのアバターを操作する訓練を何カ月も実施した。その結果、パワード・スーツを装着してゆっくりと歩行し、思い通りに停止できるようになった。

将来的に、似たようなテクノロジーによって車椅子患者も脳で考えただけでロボット・スーツを動かせるようになることが期待される。驚くべきブレークスルーだが、実用化されるのはまだ何年も先だ。例えば、研究室の外でもパワード・スーツで歩けるようにするには、スーツが自ら安全にバランスをとる必要がある。

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  • 画像クレジット: Fonds de Donation Clinatec
シャーロット・ジー [Charlotte Jee] 2019.10.09, 6:55
5日前
The Nobel Prize in physics has gone to the discovery of an exoplanet orbiting a starノーベル物理学賞、系外惑星の発見などで3氏が受賞

スイス人天文学者のミシェル・マイヨール博士とディディエ・ケロー博士は10月8日、今年のノーベル物理学賞のうちの1つを受賞した。太陽型の恒星を公転する太陽系外惑星を最初に発見し、天文学において太陽系外惑星科学の夜明けを開いた業績によるものだ。

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スイス人天文学者のミシェル・マイヨール博士とディディエ・ケロー博士は10月8日、今年のノーベル物理学賞のうちの1つを受賞した。太陽型の恒星を公転する太陽系外惑星を最初に発見し、天文学において太陽系外惑星科学の夜明けを開いた業績によるものだ。

1995年、マイヨール博士とケロー博士は、地球から50光年以上離れた太陽型恒星「51ペガシ(ペガスス座51番星)」を周回する惑星をペガスス座の方向に発見した。二人は分光器を使用して、51ペガシから放射された光の小さなゆらぎを検出し、この変動が同星から690万キロメートル離れた軌道を周回する、大きく、熱く、ガス状の太陽系外惑星の重力効果によって引き起こされていることを見い出した。後に「51ペガシb」と名付けられたその太陽系外惑星は、カリフォルニア州のリック天文台を使用した別のチームによって1週間後に確認された。

太陽系外惑星が最初に発見されたのは1992年であった(地球から2300光年離れたパルサーを公転する一対の惑星の発見による)。しかし、「51ペガシb」は、天文学者が太陽型の恒星を公転する太陽系外惑星として最初に発見した惑星だった。

51ペガシbの発見以降、天文学者は銀河系全体で4000を超える太陽系外惑星を発見した。その種類やサイズは広範囲にわたる。現在では、恒星の大半の周囲を惑星が周回しているのではないかと考えられている。20世紀のほとんどを通じて信じられていた固定観念が根本から覆されたのだ。発見された太陽系外惑星の中には、地球の他にも生命が住める世界を発見できるのではないかという期待をもたせるようなものも数多くある。

今年のノーベル物理学賞のもう1人は、カナダ人科学者のジェームズ・ピーブルス博士が、ビッグバンから放射されたかすかな名残の光(宇宙マイクロ波背景放射)の研究により受賞した。現代宇宙論の枠組みを作ったピーブルス博士の理論は、最終的にはダークマターとダークエネルギーの特徴づけにつながり、普通の物質で作られているのは宇宙の5%にすぎないという認識にもつながった。

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  • 画像クレジット: ESO
neel.v.patel [Neel V. Patel] 2019.10.09, 6:50
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