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今日 アマゾンの宅内配達サービスにさっそく脆弱性が判明
Amazon Key Lets Delivery People into Your House—and It Just Got Hackedアマゾンの宅内配達サービスにさっそく脆弱性が判明

アマゾンが最近開始した不在時配達サービスの防犯装置に、大きなセキュリティ・ホールがあることが明らかになった。たぶんこうなることはわかっていた、とだけ言っておこう。

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アマゾンが最近開始した不在時配達サービスの防犯装置に、大きなセキュリティ・ホールがあることが明らかになった。たぶんこうなることはわかっていた、とだけ言っておこう。

アマゾン・キー はスマートロックとクラウドベースのセキュリティカメラを使用して、外出中でも配達員が家の中に荷物を配達するサービスだ。配達員はアマゾン経由でドアの開錠を要求し、客はアマゾンのクラウド・カム(CloudCum)を通して配達員の行動を監視できる。配達員による盗難なんて起きるはずがない、と信頼させる、すばらしい方法だ。しかもこの便利さ、たったの250ドルで手に入るのだ。

ただ1つ、問題が持ち上がった。ワイアードの報道によると、ライノ・セキュリティ・ラボ(Rhino Security Labs)の研究者は、Wi-Fi経由でクラウド・カムにコマンドを送り、カメラをオフラインにすることが可能だと実証したという。確かに不安ではあるものの、とんでもないことではない。カメラがオフラインであることがわかれば、何か対策ができるはずだ。

だが、映画オーシャンズ11のように、カメラはオフラインであることを顧客に明らかにしたりはしない。最後のフレームで映像は止まったままだから、いつも通りの風景に見える。その間に、誰かが食器棚を探し回って勝手にシリアルを食べ、あるいはテレビを盗んでしまっているかもしれない(こちらのほうが可能性は高い)。

とはいえアマゾンは、権限を与えた人にしかスマートロック(これもシステムの一部を構成している)を開けることを許可しないのだから、悪意を持った従業員がいなければ犯罪行為は起きないはずだ。しかも、アマゾンは不正行為に対して保障を提供している。加えて今後、ソフトウェアを更新して、配達時にカメラがオフラインになった場合には顧客に警報を送るという。

このニュースは、スマートデバイスとホームセキュリティ、不在時配達、そして巨大テック企業の組み合わせはもっと慎重であるべきだという警告かもしれない。特に、現在のスマートデバイスは民主党全国委員会のサーバーと同程度の安全性であり、家庭に侵入することは良識ある犯罪者にとって魅力的な提案だ。

「アマゾン・キーは最も共感できないシリコンバレーの産物」という見事な意見がサービス開始直後、ワシントンポスト紙に掲載された。

シリコンバレーのイノベーターたちの思考過程は奇妙である。多くの人が気付いているのは、ほとんどのよくある提案は、25歳の男性である私が「母が今でもしてくれたらいいなと思う」ことに分類されるようなことだ。(中略)
グーグルの駐車場に車を停めたり、食事の代わりにソイレントを飲むような生活をしたりしている人にとっては、驚きとして受け取られるもしれない。だが、ただの便利さ以上のことを大事にしている人もいる。

アマゾン・キーに関しては、明確なトレードオフがある。利便性をとるか、普通の玄関ドアが維持できるセキュリティとプライバシーを継続するかのいずれかだ。両方を得ることは決してできない。

家の持ち主が直接コントロールするなら、スマートロックはありだろう。自分の先入観であれ本能的直感であれ、訪問者を自分自身で吟味し、自身の判断に基づいて開錠を許可できるからだ。アマゾン・キーでは、巨大テック企業、アマゾンにその判断を委ねることになる。

もちろん、リスクと利便さに対して人は異なる欲求を持っている。だが家庭のセキュリティを重視している人にとって、アマゾン・キーはもともと悪いアイデアだったし、いまではさらにひどいものに見えるだろう。

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  • 参照元: WiredWaPo
  • 画像クレジット: Amazon
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.11.17, 20:39
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今日 グーグル、組み込み機器向け「テンソルフロー・ライト」を発表
It’s About to Get Way, Way Easier to Put AI Everywhereグーグル、組み込み機器向け「テンソルフロー・ライト」を発表

グーグルは、安価な小型スマート端末が便利にする世界という未来像を抱いている。そして、グーグルのソフトウェアがすべての端末に搭載されることも望んでいる。 数年前、グーグルはテンソルフロー(TensorFlow)というオープ …

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グーグルは、安価な小型スマート端末が便利にする世界という未来像を抱いている。そして、グーグルのソフトウェアがすべての端末に搭載されることも望んでいる。

数年前、グーグルはテンソルフロー(TensorFlow)というオープンソースの機械学習ソフトウェア・ライブラリーの提供を開始した。以来、爆発的な人気を博し、現在ではエアビーアンドビー(Airbnb)、イーベイ(eBay)、ウーバー(Uber)、スナップチャット(Snapchat)、ドロップボックス(Dropbox)などが人工知能(AI)の開発に役立てている。その売りは明確だ。テンソルフリーを使えば、AIに関する博士号を持っていなくても、比較的経験の浅い利用者でも、ニューラル・ネットワークを構築して訓練することができる。結果として、テンソルフローはグーグルの事業計画の中核になっている。続いてグーグルは、テンソルフロー・モバイル(TensorFlow Mobile)という軽量版を開発した。これはAIソフトウェアを携帯電話でも効率的に使うため、サイズを縮小して設計されたものだ。

それでもグーグルにとっては十分とはいえない。グーグルは新たに、テンソルフロー・ライト(TensorFlow Lite)という、さらに軽量化したバージョンを開発者向けに公開した。テンソルフロー・ライトは軽量AIソフトウェアで、スマホだけでなく、プリンターや冷蔵庫、サーモスタット、スピーカーといった単純なコンピューター、つまり組み込み機器でも使用できる。

テンソルフロー・ライトがうまくいけば、AIを日常的に利用できる大転換点となるだろう。

現時点では、機械学習を利用している小型ポータルブル端末上でAIアルゴリズムを実行させるのは難しい。実際、AIアルゴリズムを効率的に実行できる小型端末は、今のところアップルのiPhone Xなどの最新スマホだけだ。一方で、古い端末や性能の劣る端末では、AIに処理させたい問題をインターネット経由でクラウドに送信し、サーバーが処理した結果を端末に送り返す。たとえば、アマゾンのアレクサ(Alexa)に何かを話しかけたときに返答が遅いのは、これが大きな理由だ。インターネット接続を必要としないデバイスに完全なAIの機能を搭載すれば処理が速くなる可能性があり、データを握られる心配をしている人も安心だ。きわめて基本的なチップに単純なAIを組み込める可能性も高まり、スマート端末を実際に使い捨てにできるようにもなる。

AIソフトウェア業界がグーグルの独占状態になりつつあることに危惧を抱いたマイクロソフトとアマゾンは連携して、テンソルフローに対抗するグルーオン(Gluon)を開発した。何をそれほど懸念しているのだろうか? 実は、ソフトウェアライブラリーは開発した企業のクラウド・サーバーのほうが簡単に使えることが多い(必ず使わなければならないということではない)。マイクロソフト、アマゾン、グーグルはいずれも大規模なクラウド・ビジネスを展開しているが、グーグルは驚くほどの遅れを取っており、マイクロソフトとアマゾンは、グーグルとの差をできるだけ維持しようと考えている。グーグルもその差を座視するつもりはなく、テンソルフロー・ライトによって追撃を始めた。

 

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今日 おいしい、ヘルシー、環境に優しい食品をAIシェフが考案
This AI Chef Wants to Put You on an Environmentally Conscious Dietおいしい、ヘルシー、環境に優しい食品をAIシェフが考案

あなたが次に食べるベジバーガーは、ひよこ豆と黒豆、それにひとつまみの人工知能(AI)で作られているかもしれない。

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あなたが次に食べるベジバーガーは、ひよこ豆と黒豆、それにひとつまみの人工知能(AI)で作られているかもしれない。

チリのスタートアップ企業ノットカンパニー(NotCompany)は、食事による環境への影響を減らすために、機械学習を使って動物性食品を排除しようとしている。ノットカンパニーのアルゴリズムは補完関係にある材料を組み合わせて、おなじみの味を模した新しいレシピを作ってくれる。

情報サイト「ザ・リンガー」の紹介記事にあるとおり、ノットカンパニーのジュセッペ(Giuseppe)と呼ばれるAIは、環境や健康に与える影響、味を考慮しながら、材料の化学成分、分子構造、栄養成分データセットを調べることで、ぴったりな代替材料を見つけ出す。ノットカンパニーの最初の商品であるマヨネーズは、乳製品を使わずにエンドウ豆、バジル、じゃがいも、菜種油を使って作られた。マヨネーズの次は、チョコレートとギリシャヨーグルトを市場に投入する予定だ。

AIを使って新しいレシピを創り出すことは、まったく新しいアイデアというわけではない。数年前、IBMは使用する材料を勧めたり、新しい料理を考え出したりする技術をワトソン(Watson)ブランドで開発した。AIが考える料理法は完璧ではなかったが、巧妙なからくりではあった。

肉を置き換えることもまた、シリコンバレーでは長らく気に入られている目標だ。代替肉の分野で活動しているスタートアップ企業はいくつかある。インポシブル・フーズ(Impossible Foods)は「血のしたたる」完全菜食バーガーを作り、ハンプトン・クリーク(Hampton Creek)は独自の完全菜食マヨネーズを作っている(ハンプトンは自社の商品を食料品店から買って販売数を水増ししていたスキャンダルによって評判が悪くなった)。

しかしながら、テック指向の食品をめぐっては最近、少し疲れも見られる。最近の研究では肉をなくすことが、多くの人が期待している温室効果ガスの排出削減に繋がらない可能性が示唆され、ハンプトン・クリークの商品は安全性への不安から、大手小売業者ターゲット(Target)の棚から最近外された

ノットカンパニーはジュセッペの用途をほかにも見つけられるかもしれない。まだ社名は明らかにされていないが、あるスキンケア企業が研究開発に活用できないか、興味を持っているという。

 

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  • 参照元:
  • 画像クレジット: Niklas Rhöse | Unsplash
jackie.snow [Jackie Snow] 2017.11.17, 14:15
今日 直径1メートルの部品も製造可能、GEの新型3D金属プリンター
Metal 3-D Printing Is, Finally, Overcoming Its Limitations直径1メートルの部品も製造可能、GEの新型3D金属プリンター

長い間、金属の3Dプリント手法は費用と時間がかかりすぎ、製造できる部品の耐久性も低く、従来の製法とは比べるべくもなかった。しかし、そのような状況は急速に変わりつつある。

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長い間、金属の3Dプリント手法は費用と時間がかかりすぎ、製造できる部品の耐久性も低く、従来の製法とは比べるべくもなかった。しかし、そのような状況は急速に変わりつつある。

11月14日、世界最大の付加製造業者向け見本市「フォームネクスト(Formnext)」で、ゼネラル・エレクトリック(GE)が最新型の金属3Dプリンターのベータ版(掲載画像)を発表した。大半の金属3Dプリンターと同様に金属粉末にレーザーを照射して固形金属形状に変化させる仕組みだが、旧型機につきまとっていたサイズ面での制約を解消することを目指して設計されており、 最大で直径1メートルの金属部品を製造できる。GEによると、サイズの上限をさらに引き上げることも可能だという。

まだ製品名の決まっていないこの新型プリンターは、構想からわずか9カ月でベータテストにこぎつけ、既にジェットエンジンの燃焼器ライナーの製造に使用されている。GEはここ数年にわたり、ジェットエンジン用部品をはじめとする自社製品の金属部品製造に3Dプリンターを使用しているが、新型機はGE以外の企業にも利用されることになるだろう。GEは、航空機、自動車、宇宙航空、石油・ガス産業にターゲットを絞り、来年度から大々的に新型3Dプリンターの販売を開始するとしている。

GEの新型3Dプリンターは金属3Dプリント技術の急速な進歩を反映しており、この技術が製造業向けのより実用的なツールになりつつあることを示している。今年10月、ローレンス・リバモア国立研究所の研究者たちは、従来の3Dプリントで製造した部品と比較して3倍の強度を持つスレンレス製部品を製造する新たな手法を開発したと発表した。つまり、構造的な完全性を損なう心配なしに、重要な機能を担うパーツを3Dプリントで製造できるようになったのだ。一方、スタートアップ企業デスクトップ・メタルは、速度面の課題解決に取り組んでいる。来年度の発売が予定されている同社の製造機器は、レーザー式3Dプリンターの100倍の速さで金属部品を生産できるという。

閉じる erin.winick [Erin Winick] 2017.11.17, 10:54
今日 自動化よりITスキル不足で職を失う、米シンクタンクが警告
Tech Illiteracy Will Get You Fired Before Automation Does自動化よりITスキル不足で職を失う、米シンクタンクが警告

ロボットが人間の仕事を奪いに来るとか言われているが、そうなる前に自分のコーディングやパワーポイントのスキルをブラッシュアップしたほうがいい。米ブルッキングス研究所が最近発表したレポートにも、そう書かれている。デジタル化が米国の労働市場に対してどのような意味を持つかを調査したこのレポートでは、米国の職業の90%にあたる545の職業についてデジタル化の影響を分析している。

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ロボットが人間の仕事を奪いに来るとか言われているが、そうなる前に自分のコーディングやパワーポイントのスキルをブラッシュアップしたほうがいい。米国のシンクタンク、ブルッキングス研究所(Brookings Institution)が最近発表したレポートにも、そう書かれている。デジタル化が米国の労働市場に対してどのような意味を持つかを調査したこのレポートでは、米国の職業の90%にあたる545の職業についてデジタル化の影響を分析している。

調査の結果は、きわめて妥当と思われる。現在、デジタルに関するスキルのレベルの低い人への需要があるのは、調査した職業のうちわずか30%だ。これは2002年の56%を下回っている。例を挙げよう。ブルッキングス研究所の指摘によると、とりわけ、倉庫業の作業員、機械工、在宅介護職員のような職業すべてで、テクノロジーの活用が急増している。おそらく、それぞれの業務で、在庫の確認用にハンディスキャナのようなものを、自動車の故障箇所の診断にコンピューターを、介護の際にデジタル医療機器を使用していることが理由だろう。

そのほか、2010年以降に生まれた仕事の65%以上で、中程度のデジタルに関するスキルが最低条件として要求されており、よりデジタル化が進んだ仕事ほど給与が高くなることが調査でわかった。「デジタルに関するスキルがないか非常に低いレベルで構わないような仕事の求人は先細っています」と、ブルッキングス研究所のマーク・ムロ上級研究員はワイアードに語っている。「エコノミック・インクルージョン(すべての人に経済活動に参加する機会を提供すること)は今や、労働者のデジタルリテラシーを前提にしています」。言い換えれば、数年以内に失職するということに関して、より差し迫った懸念は、ロボットに仕事を取られることではなく、個人のテクノロジーに関するスキルが一定の水準に達しているかどうかなのだ。

興味深いねじれ現象と言えるのが、ソフトウェア開発のような最もデジタルの意味合いの強い職業で、その分野で働くために必要とされるデジタルスキルの量が緩やかに減少している実情である。ムロ上級研究員がロイター通信に語ったところによると、おそらくこれは、こうしたハイテク産業で専門化が十分と言える状態まで進んだことが原因だ。ハイテク産業ではより柔軟な管理スキルの重要性が増している。しかし、他の人たちにとっては、より難しいスキルのブラッシュアップが要求される時代なのだ。

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1日前 24カ国以上で政府がネット世論を操作、人権団体が指摘
Last Year, Social Media Was Used to Influence Elections in at Least 18 Countries24カ国以上で政府がネット世論を操作、人権団体が指摘

ソーシャルメディアはもはや、子猫の写真を見たり叔父さんが政府に対してどう思っているのかを知るためのものではない。各国政府が選挙に影響を与え、民主主義の崩壊を助長する道具になっていると、民主主義擁護団体フリーダム・ハウス(Freedom House)の最近のレポートは語る。

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ソーシャルメディアにあるのはもはや、子猫の写真や政治的なパロディだけではない。政府が選挙に干渉し、民主主義の崩壊を助長する道具になっていると、国際的な人権団体であるフリーダム・ハウス(Freedom House)の最近のレポートが指摘している。

レポートによると、2016年中に米国を含む少なくとも18カ国で、ソーシャルメディアを通して選挙が操作されたことが明らかになった。また、捏造された情報の拡散が7年間にもわたって世界中のインターネットの自由を妨げ、人権活動家やジャーナリストに暴力的な攻撃を与える要因にもなったとも書かれている。

昨年の米国大統領選、そして英国のEU離脱(Brexit)でのロシアの干渉は、すでに十分に裏付けがされている。だが、フリーダム・ハウスのレポートは、国レベルの選挙を操作しようとしたのが外国勢力だけではないことを明らかにしている。トルコ、ベネズエラ、フィリピン、その他の24カ国以上が、国内に「意見形成者」を作り上げ、政府の論点を拡散し、反対派を黙らせた。こういった方法でオンラインの議論を方向付けしようとしている国の数は、フリーダム・ハウスが2009年に追跡を始めてから年々増加しているという(上の図は、フリーダム・ハウスが作成したインターネットでの自由が保証されている国を表す)。

レポートは、中国やロシアのような国では、プロパガンダを拡散したりサイトを閉鎖したりするために、オンラインの軍隊を少なくとも10年間使ってきたと指摘している。加えて、ボットアルゴリズムなどの自動化されたシステムによって、民主主義を阻害する新しい方法が次々と作り出されている。これらは追跡が困難で、まだ実態は判明していない。

いくつかの国で動きがある。EUはねつ造ニュースと戦う専門家グループを創設するとともに、偽情報に対処するための意見を求めている。ドイツは特別の対策を講じ、今年実施された選挙を前に、選挙システムが他国から干渉されないことを確認した。

さらに思い切った方法をとっている国もある。ソマリア北西部で独立を宣言しているソマリランド共和国は、近々行われる選挙期間中、十数個ものソーシャルメディア・サイトを封鎖しようとしている。人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは、ソーシャルメディアが自由で公平な選挙に必要だと警告している。しかし、ソマリランドは、大量の作り話がウィルスのようにオンラインに広がってしまった今、この戦法が必要だと確信しているようだ。

閉じる jackie.snow [Jackie Snow] 2017.11.16, 19:35
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2日前 再分裂回避でも変わらない、ビットコインの視界不良
Bitcoin Cash Had a Big Day, Hinting at a Deep Conflict in the Cryptocurrency Community再分裂回避でも変わらない、ビットコインの視界不良

ビットコインの主導権をめぐる争いは激化している。11月8日、ビットコインを2つに分ける分裂計画は見送られた。だが、この激しい戦いは停戦とはならなかった。

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ビットコインの主導権をめぐる争いは激化している。11月8日、ビットコインを2つに分ける分裂計画は見送られた。だが、この激しい戦いは停戦とはならなかった。

11月第2週の週末は、予定されていたハードフォーク(強制分裂)の支持者たちが、ビットコイン・キャッシュ(BCC)に群がったようだ。ビットコイン・キャッシュは3か月前、暗号通貨業界に衝撃を与えたハードフォークによって生まれた新しい暗号通貨だ。ビットコインの価値は急落したが、ビットコイン・キャッシュの価値は急上昇し、 一夜にして4倍となった(ハードフォークについては「

今回の分裂騒動は、より多くの取引を処理するための、ビットコインのソフトウェアのアップグレードをめぐる長期にわたる激しい対立の一部だ。ビットコインが実用的で主要な決済手段となるためには、ソフトウェアのアップグレードが必須だと多くの人は考えている。今月予定されていたハードフォークが実施されていればビットコインの中心的な開発者は離れてしまったかもしれないが、ブロックチェーンを構成するブロックサイズ(10分ごとに処理が可能な取引の数)を増やすことで、問題に対処できたかもしれない(「What Bitcoin Is, and Why It Matters」参照)。

投資家の熱狂は引き続き最高水準にあるとはいうものの、3カ月間の間に何度もハードフォークが起きるのは良いことではなく、ビットコインの根底にある混乱を浮彫りにしている。11月第2週末まで、ビットコイン・キャッシュはまったくの脇役だった。だが現在では主役に躍り出て、状況によってはビットコインの価値に深刻な影響を与える可能性が示されている。

今起こっていることのすべてが何を意味するのかを述べるには時期尚早だろう。だが、ビットコインをめぐる戦いに終息する気配がないことは確実だ。

 

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  • 参照元:
  • 画像クレジット: BTC Keychain | Flickr
マイク オルカット [Mike Orcutt] 2017.11.16, 18:11
2日前 人間の体内で遺伝子編集する初の試みが実施へ
For the First Time, Gene Editing Is Taking Place Inside the Human Body人間の体内で遺伝子編集する初の試みが実施へ

ブライアン・マドゥーという男性が文字どおり実験台となる。マドゥーは公式に、自分の体内で遺伝子編集を実施する最初の人間になるからだ。今回の遺伝子編集では、断片化したDNAを含むIV遺伝子を、彼自身の遺伝物質に挿入する。

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ブライアン・マドゥーという男性が文字どおり実験台となる。マドゥーは公式に、自分の体内で遺伝子編集を実施する最初の人間になるからだ。今回の遺伝子編集では、断片化したDNAを含むIV遺伝子を、自身の遺伝物質に挿入する。

AP通信が報じたところによると、サンガモ・セラピューティクス(Sangamo Therapeutics)が開発した治療法では、「ジンクフィンガー」として知られる手法を用いて、マドゥーのDNAを切り取り、修復遺伝子を挿入するのだという。計画通りに進めば、マドゥーが患う肝臓疾患のハンター症候群に効果のある酵素を、自らの体内で生成できるようになる。マドゥーは心からそうなることを祈っている。というのも、彼はこの病気のせいで、現在までに26回も手術を受けているからだ。

遺伝子編集が人体に用いられた実績はもちろんある。サンガモはこれまでにもHIV用の治療法などの開発をしてきた。しかしそれらの治療法では、細胞を体外に取り出して遺伝子を改変し、体内に注入していた。実際に人体の内部で遺伝子を編集するのは今回の実験が初めてである。クリスパー(CRISPR)遺伝子編集ツールを体内で利用する手法は、まだ開発途中なのだ。

他の多くの治療法と同様に、遺伝子編集による治療で取り返しのつかないことが起こる可能性は否定できない。遺伝子編集は人間のDNAを恒常的に変化させ続けるのだ。つまり、この治療が目論みどおりに成功すれば、患者の体への効果が持続するが、この手法によりDNAが不正に編集されれば、事態は悪化の一途をたどるかもしれない。私設の研究施設で独自に開発した遺伝子編集の試みがとんでもないリスクを伴うというのは、これが理由だ(「One Man’s Quest to Hack His Own Genes」を参照)。

3カ月後にマドゥーは、この治療法への適性があるかを判断するための試験を受ける。遺伝子療法による治療についてマドゥーは、「ナーバスになっていますが、興奮もしています」とAP通信に語った。「このリスクを取るのは本望です。この治療法が自分や他の人々の救いになることを望んでいます」。

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  • 参照元: AP
  • 画像クレジット: Daan Stevens | Unsplash
ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.11.16, 10:10
2日前 米国でELD設置が義務化、トラック運転手を守れるのか
New Technologies Are Coming to Trucking, and Truckers Are Nowhere Near Ready米国でELD設置が義務化、トラック運転手を守れるのか

まもなく米国のトラック運転手は、新しい技術を受け入れなくてならない。だが、これは始まりに過ぎない。走行時間を記録し、1日11時間までという運転時間の制限規制を確実に守らせるために、12月18日以降、米国政府はトラックに電子運行記録装置(Electronic Logging Device:ELD)の設置を義務付ける。

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まもなく米国のトラック運転手は、新しい技術を受け入れなくてならない。だが、これは始まりに過ぎない。走行時間を記録し、1日11時間までという運転時間の制限規制を確実に守らせるために、12月18日以降、米国政府はトラックに電子運行記録装置(Electronic Logging Device:ELD)の設置を義務付ける。

ELDメーカーのキャリアリスト(CarrierLists)によると、調査したトラック2300台中でELDをすでに設置している、または設置を検討しているトラックはわずか45%だという。要するに、タイムリミットまでおよそ1カ月しかない状態で、ELDを設置する検討すらしていない運転手が半分以上ということになる。運転手の中には規制に抗議し、スト決行を表明する人もいる。 ELD設置の義務化により、運転時間が制限されて収入が減り、おまけに長距離トラック用のドライブインでは大混雑が起きる、とも話している。

だが、この争いは無謀で非現実的だ。ELDはせいぜい些細な技術で、なんの邪魔にもならないからだ。そんなことに関わっている間に、トラック運転手たちは自動運転トラックという銃を突き付けられているのだ。2年前にELDの設置義務化が決定したとき、自動運転トラックなどまだはるか先の話だった(「2017年版ブレークスルー・テクノロジー10:自動運転トラック」参照)。今となっては、ELD設置の義務化は、トラック運転手が来たるべき変化に対してどれだけ脆弱な状況に置かれているかを際立たせているに過ぎない。1日に11時間しか運転できない人間と、ほぼ24時間走れる自動運転トラックとではは、まるで勝負にならないからだ。

変化は間違いなく近づいてきている。テスラは11月16日に電気セミトラック(分離している荷台を牽引するトラック)に関する発表をする予定で、プラトゥーン走行(複数の車両が車間距離を詰めたまま一つに連なって走行すること)ができる自律型電気トラックが現実のものとなる可能性があるからだ。2016年、無人トラック開発企業オットー(Otto)のトラックが初めて約193キロを走り、2000ケースのバドワイザーを運んだ。宣伝効果を狙った実験的なものだったが、オットーのリオール・ロン共同創業者は、今後10年間のうちに自動運転トラックが広く活用されるようになると確信している。

こうも言い換えられる。トラック運転手たちはELD設置義務化に対する2年の猶予期間中になんの備えもしなかった。そして、自動運転トラックに対する、10年という長い猶予期間はもうすでにスタートしているということだ。

 

閉じる erin.winick [Erin Winick] 2017.11.15, 21:40
3日前
Boston Dynamics’s Newest Four-Legged Robot Is a Smooth Operator驚くほど滑らかになったボストン・ダイナミクスの新型歩行ロボ

黒と黄色で4本足、顔はレジのスキャナーみたい。これなんだ? 答えは簡単。ボストン・ダイナミクスのスポットミニ(SpotMini)だ。同社の小型4本足ロボットの最新バージョンであり、上の映像でその姿を見ることができる。

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黒と黄色で4本足、顔はレジのスキャナーみたい。これなんだ? 答えは簡単。ボストン・ダイナミクスのスポットミニ(SpotMini)だ。同社の小型4本足ロボットの最新バージョンであり、上の映像でその姿を見ることができる。

スポットミニという名前のロボットが世に現れたのは、これが初めてではない。ボストン・ダイナミクスは、2016年にこれと似て非なるロボットを披露している。そのロボットには頭の代わりにロボット・アームがついていて、家の中で動き回るのもどこかぎこちない感じであった。しかし、新しいスポットミニには明確なアップグレードが施されている。頭蓋骨の中はセンサーだらけ、ロボットにしては驚くほどなめらかで洗練された動きをする。これはすごいと言わざるを得ない。この映像でスポットミニが見せている、しなやかで猫を思わせる動き。こんな動きを可能にするモーターと制御ソフトウエアを併せ持つボットは稀である。

新しいスポットミニに関しては、ボストン・ダイナミクスから間もなく発表予定であること以外は、ほとんど知られていない。これまで、ロボットの研究開発だけに力を入れてきたボストン・ダイナミクスの歴史を考えると、商品化に乗り出すとは考えにくい。しかし、ソフトバンクが同社を買収したことで、その姿勢が変わる可能性もある。どんな発表があるのか期待したい。

閉じる ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2017.11.15, 14:55
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