NASAの「火星ヘリコプター」 地球上での試験を完了
このヘリコプターは来年、火星に飛び立つ予定だ。
米国航空宇宙局(NASA)の火星ヘリコプターは、地球上での一連の試験を問題なく終えた。ヘリは(計画通り)約5センチメートルほどしか上昇しなかったものの、研究チームはヘリコプターを火星に向かわせる準備が整ったことを確認した。
プロジェクト・マネージャーのミミ・アウンはプレスリリースの中で、「次は火星に向かい、火星上を飛びます」と述べている。このヘリコプターは、2020年火星探査ミッションの一環として、2021年前半に火星に着陸する予定だ。着陸後すぐに、火星初の試験飛行が始まる。各テストフライトはわずか90秒で終わるが、大気中での科学的ミッションの範囲を広げるための概念実証として役立つだろう。
ヘリコプターを火星で飛ばすのは、地球上よりもはるかに難しい。火星の大気密度は地球のおよそ100分の1であり、重力は地球のわずか3分の1だ。最近実施された溶岩洞内の地図作成ドローンの試験でも、こうした条件を考慮する必要があった。そのためNASAは、火星環境をシミュレーションできるジェット推進研究所の試験施設を利用して試験を実施した。