KADOKAWA Technology Review
×
無料の会員登録で、記事閲覧数が増えます
ビジネス・インパクト Top White House Economist: AI Isn’t Going to Steal Jobs

ホワイトハウスのトップ・エコノミストがAIは仕事を奪わない、と明言

本当に心配なのは、人類がまだ十分な人工知能を持っていないことだ。 by Mike Orcutt2016.10.27

オバマ米大統領のトップ経済アドバイザー、大統領経済諮問委員会のジェイソン・ファーマン委員長はロボットが人間の仕事を奪うことはないと考えている。人工知能に関するファーマン委員長の最大の心配事は、現在のところ、人工知能が十分に進化していないことだ。

人工知能の未来についての議論は、経済学者を二分させている。これまでと同じことが続くと見る学者もいる。つまり、新しいテクノロジーが出現し、ビジネスのやり方が変わるが、結局は経済が順応すると見る。一方で、人工知能は経済のルールを変え、ロボットが人間から仕事を奪い、大規模な失業と不平等が生まれると見る学者もいる。ファーマン委員長は10月26日、ワシントンD.C.のテクノロジー会議で「私は確実に結局は経済が順応する派の考えだ」と述べた。

Jason Furman, chairman of the White House Council of Economic Advisors, addressing reporters in 2013.
大統領経済諮問委員会のジェイソン・ファーマン委員長(2013年)

米国と他の先進諸国では、生産性の伸びが停滞している。また、主要な層の労働力が縮小している。特に25~54歳の男性で顕著だ。それでも、ファーマン委員長は新しいテクノロジーが前例のない失業と不平等を生み出すとは考えていない。

人々は長い間、機械が仕事を奪うのではないかと心配してきた。しかし、ファーマン委員長は、これまで通りだという。つまり、実際には、機械は人々を豊かにする。そして、豊かになった人々がより多くの金を使うのだ。機械が取って代わる仕事も確かにあるが、同時に新しい仕事も生まれ、商品やサービスを供給し、人々は余った金でそれらを買いたがる。「今回だけこれまでと違う理由が見つからない」とファーマン委員長は述べた。

とはいえ、人工知能の成長により、これまでにない課題が生じないとは限らない。政府が公正で安全なやり方で、確実に社会にとって利益を実現する重要な役割を担う必要がある、とファーマン委員長はいう。高い技能を必要としない労働者は特に、ロボットに仕事を奪われるかもしれない。あるいは、司法当局の偏ったアルゴリズムのように、不正な結果を招く可能性もある。

しかし、こうした問題は世界的なベーシックインカム導入のような、新しい経済的解決法を必要とはしない、とファーマン委員長はいう。そうではなく、ファーマン委員長が最も危機感を抱いているのは、人類にはさらに多くの人工知能が必要になることだ。人工知能は経済のほんのわずかな部分でのみ変革をもたらす。人工知能にはもっと重要な役割があり、それは基本的な研究と開発に委ねられているという。政府がこれまでにない立場でそう支援しなければならない。

人気の記事ランキング
  1. LEXUS Visionary Conference Event Report #2 アーティスト、工場労働者、 介護スタッフは、 ロボット/AIで どんな影響を受けるか?
  2. Facebook’s Live-Action Camera Systems Let You Take Steps in Virtual Places フェイスブック、エロ動画に最適なVRカメラを発表
  3. Facebook’s Perfect, Impossible Chatbot フェイスブックが開発中 なんでも応答する 本物のチャットボット
  4. LEXUS Visionary Conference Event Report #1 暦本純一×平野啓一郎対談 「機械が進化しても、 人間もテクノロジーで進化」
  5. Uber Is Engaged in Psychological Warfare with Its Drivers 心理トリックでドライバーをこき使うウーバーの手口
マイク オルカット [Mike Orcutt]米国版 共同編集者
マイク・オルカットはMIT Technology Reviewの共同編集者です。ワシントンDCに駐在して、米国政府がどのように新興技術を取り入れているか(または取り入れていないか)がわかるような動向を追いかけています。また ワシントンでは、新しいテクノロジー的機会や産業に関わったり妨げになったりする出来事や論争を取材しています。連絡は、mike.orcutt@technologyreview.comまでお願いします。
人気の記事ランキング
  1. LEXUS Visionary Conference Event Report #2 アーティスト、工場労働者、 介護スタッフは、 ロボット/AIで どんな影響を受けるか?
  2. Facebook’s Live-Action Camera Systems Let You Take Steps in Virtual Places フェイスブック、エロ動画に最適なVRカメラを発表
  3. Facebook’s Perfect, Impossible Chatbot フェイスブックが開発中 なんでも応答する 本物のチャットボット
  4. LEXUS Visionary Conference Event Report #1 暦本純一×平野啓一郎対談 「機械が進化しても、 人間もテクノロジーで進化」
  5. Uber Is Engaged in Psychological Warfare with Its Drivers 心理トリックでドライバーをこき使うウーバーの手口
ザ・デイリー重要なテクノロジーとイノベーションのニュースを平日毎日お届けします。
公式アカウント