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有名バイオハッカー、無免許医療行為の疑いで聴取へ
Celebrity biohacker Josiah Zayner is under investigation for practicing medicine without a license

有名バイオハッカー、無免許医療行為の疑いで聴取へ

DIY遺伝子療法で有名なバイオハッカーが、無免許での医療行為の疑いで、近くカリフォルニア州当局の聴取を受けることが明らかになった。 by Antonio Regalado2019.05.24

ピアスと尖ったヘアスタイルで知られるジョサイア・ザイナーは、ゲームの進め方を知っている。元米国航空宇宙局(NASA)の科学者であるザイナーは、一躍ソーシャルメディアの有名人になり、自分自身に医療処置を施すパフォーマンスをして「バイオハッカー」志望者に遺伝子工学キットを販売することで生計を立てている。

これまでにザイナーは、空港のホテルの部屋の中で便微生物移植を実施したり、カンファレンスでクリスパー(CRISPR)を自分の腕に注射したりする行為で世間を騒がせている。カメラが回っていないときには自らユーチューブの動画に登場し、お金を支払う顧客にバイオハックのやり方を教え、米国食品医薬品局(FDA)はイノベーションを阻んでいると威勢よく批判している。

だがいま、ザイナーは、カリフォルニア州で無免許で医療行為をした疑いで取り調べを受けようとしている。5月8日にカリフォルニア州消費者問題局がザイナーに送付した文書によると、生物物理学の博士号を持つザイナーの「無免許医療行為に対する苦情」が当局に寄せられたという。

ザイナーは、取り調べを受けるために6月に出頭し、その際、「希望するならば弁護士を連れてくる」よう求められた。

信じられません!自分の体を使って遺伝子実験をして、公的に入手可能な知識にアクセスする方法を人々に示したことで、無免許で医療行為をした罪に問われています。

真実は… https://t.co/j9Yoy0rKPR

— ジョサイア・ザイナー(@4LOVofScience)2019年5月14日

カリフォルニア州当局の広報担当者は、調査の存在を裏付けたり、ザイナーに対する具体的な嫌疑についてコメントしたりすることはできないと述べた。

バイオハックまたはDIYバイオロジーとは通常、大学の実験室や企業以外の場所で簡単な実験をする人々の活動を指す。だが、バイオハッカーの中には、さらにもう一歩進んで、さまざまなタイプの自家製遺伝子治療薬を注射したり飲んだりする人もいる。

当局から送られた文書のコピーを自身のインスタグラムに投稿したザイナーは、「自分の体を使って遺伝子実験をして、公に入手可能な知識にアクセスする方法を人々に示した」ことで、不当な迫害を受けていると主張した。またザイナーは、誰にも治療をしていないと述べている。

「私はこれまで一度も、注射または服用できる物質を誰かに与えたり、病気治療を目的とする物質を誰かに売ったり、治療や治癒をもたらしていると主張したりしたことはありません。このような日が来ると分かっていたからです」とザイナーは記している。

カリフォルニア州医事局に苦情を提出するのは誰でもできるが、調査が実施されているのであれば告発に信頼性があると見なされていることになる。無免許医療行為は、カリフォルニア州では軽罪または重罪になる可能性があり、最高3年の懲役と最大1万ドルの罰金が科される。

MITテクノロジーレビューはザイナーにコメントを求めたが、ザイナーは好意的に書かれるとは思えないとしてコメントを拒否した。

ザイナーは、ユーチューブ動画やその他の場所で、#RightToTry(試す権利)#RightToLive(生きる権利)#BodyAutonomy(体のオートノミー)などのハッシュタグを用いて、政府が治療の実現を阻んでいるとたびたび主張している。

ザイナーは、米国政府が「最先端の治療を受ける機会や、場合によっては基本的な医療を利用する機会すらも人々に与えることを拒んでいる」ため、「人々が亡くなっています」と投稿している。「それにもかかわらず、私に禁錮刑をちらつかせています」。

これまでのところ、バイオハッカーたちは注目に値する遺伝子療法を何1つ開発していない。また彼らは時に、役立つものを何も生み出しそうもない無謀なサーカスのような雰囲気の中で実験をしている。バイオハッカーたちが自己実験して名声を求める中、ザイナー自身も「間違いなく誰かがいつか死傷する羽目になるだろうと思っています」と述べた。

ザイナーの反抗的な発言は、収益性が高いと彼が主張する企業、オーディン(Ordin)に人々の注目を集めるビジネスモデルの一部を成している。ザイナーがガレージで運営し、最高経営責任者(CEO)を務めるオーディンは、蛍光酵母を作る209ドルのキットを含むさまざまなDIYバイオロジーキットを販売している。

FDAは以前、ザイナーに光るビールを作るキットを販売しないよう警告した。さらに、ザイナーや他のバイオハッカーが、DIYの遺伝子治療薬を自分の体に注射する動画を投稿した後、DIY遺伝子治療キットを他人に販売することは違法であると警告する文書を出した。

ザイナーはメディアの大きな注目を集める存在であり、普段からさまざまな重い病気と闘う人々から連絡を受け、アドバイスを求められている。ザイナーによると、そのような問い合わせには通常、答えていないという。

「弁護士を見つける必要があります」とザイナーはツイートしている。「顧問弁護士が必要です。人々はあらゆる理不尽な言いがかりをつけて私を責めています」。

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アントニオ レガラード [Antonio Regalado]米国版 医学生物学担当上級編集者
MIT Technology Reviewの生物医学担当上級編集者。テクノロジーが医学と生物学の研究をどう変化させるかについて追いかけ、記事を書いています。2011年7月にMIT Technology Reviewに参画する以前はブラジルのサンパウロを拠点に、科学やテクノロジー、ラテンアメリカ政治について、サイエンス誌や他の刊行物向けに記事を書いていました。2000年から2009年にかけては、ウォールストリートジャーナルで科学記者を務め、後半は海外特派員を務めていました。
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