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知性を宿す機械 World’s First Photonic Neural Network Unveiled

光子ニューラル・ネットワークで爆速人工知能

光子ニューラル・ネットワークが超高速コンピューティングを実現するかもしれない。 by Emerging Technology from the arXiv2016.11.21

ニューラル・ネットワークがコンピューティング分野を席巻している。研究者はニューラル・ネットワークにより、以前は人間だけの技能だったことを学習し、判断する機械を構築してきた。物体認識や顔認識、自然言語処理、機械翻訳等、いくつもの技能が、今や機械による定型業務になりつつある。

現在の関心は、さらに高性能なニューラル・ネットワークにより、人工知能の限界を突破する研究だ。焦点は、よりニューロンに近い動作をする回路「ニューロモーフィック・チップ」を製造することだ。だが、どうすれば回路の速度を高速化できるかは模索が続いていた。

11月18日、プリンストン大学(ニュージャージー州)のアレクサンダー・テイト研究員のチームのおかげで、答が得られた。研究チームは世界初の光子ニューロモーフィック・チップを製造し、超高速で計算できることを示したのだ。

光コンピューティングは、以前からずっとコンピューター科学の希望の星だった。光子は電子より帯域幅が広く、より多くのデータを高速に処理できる。だが、光学データ処理システムのメリットは、高額な開発費を上回ることはなく、研究室の中のテクノロジーに甘んじていた。

ただし、光コンピューティングの応用領域はいくつか具体化しつつある。たとえばアナログ信号処理では、光子チップでしか実現でない超高速データ処理は必要だ。

研究チームによって、ニューラル・ネットワークも光コンピューティングの新たな応用範囲になる可能性が出てきた。研究チームは「シリコン光子プラットフォームを活用した光子ニューラル・ネットワークで、電波や制御、科学計算用の新種の超高速情報処理が可能になる」という。

この課題の核心は、各ノード(計算素子)がニューロンと同じ応答特性を持つ光学デバイスを作ることだ。ノードはシリコン基板に彫り込まれた小さな円形の導波路として実装され、その中で光が循環する。光が放出されると、しきい値により、動作しているレーザーの出力を変調する。この仕組みでは、入射する光の小さな変化がレーザーの出力に劇的な影響を与える。

決定的なのは、システム内の各ノードが特定の波長の光にだけ働く(波長分割多重方式)ことだ。全ノードからの光は総パワー検出器で加算されレーザーに送り込まれる。次にレーザー出力はノードに送り返され、非線形特性をもつフィードバック回路が形成される。

重要な問題は、この非線形性はニューロンの挙動をどこまで忠実に模倣できるかにつきる。研究チームは出力を測定し、連続時間再帰ニューラル・ネットワーク(CTRNN)と呼ばれるデバイスと数学的に等価なことを示した。研究チームは「この結果は、CTRNNのプログラミング・ツールをより大きなシリコン光子ニューラル・ネットワークに適用できる可能性があることを示す」という。

重要な成果だ。研究チームが作ったデバイスは、この種のニューラル・ネットワークのために蓄積してきた膨大なプログラミングの英知を今すぐ活用できる。

さらに研究チームは、49の光子ノードからなるネットワークを使ってニューラル・ネットワークを構築したことも示した。光子ニューラル・ネットワークを使って、ある種の差分方程式をモデル化した数学の問題を解き、従来のCPUと比較した。

その結果、光子ニューラル・ネットワークの高速性が如実に示された。研究チームによれば「このタスクでの光子ニューラル・ネットワークの実効ハードウエア加速係数は1960倍と推定される」という。従来のCPUに比べて3桁高い速度が出たのだ。

これは全く新たな産業へのドアを開き、初めて光コンピューティングが主流に躍り出る可能性を示した。研究チームは「シリコン光子ニューラル・ネットワークは、スケーラブルに情報を処理できるシリコン光子システムという、より広いカテゴリーに初めて進出できるかもしれない」としている。

もちろん、実現は第1世代の電子ニューロモーフィック・チップの性能にかかっている。光子ニューラル・ネットワークは、大幅なメリットが広く享受できるようになる必要があり、それにはより詳細な特性評価が必要だ。光コンピューティングの将来はずっと明るくなった。

参照:arxiv.org/abs/1611.02272:ニューロモーフィック・シリコンフォトニクス

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