KADOKAWA Technology Review
×
発表!MITテクノロジーレビューが選ぶ
2022年のイノベーター14人。
【12/15 Summit開催】
古代ローマの円形闘技場、なぜ2000年経っても崩壊しないのか?
Lars | Unsplash
ビジネス・インパクト Insider Online限定
Roman amphitheaters act like seismic invisibility cloaks

古代ローマの円形闘技場、なぜ2000年経っても崩壊しないのか?

地震多発地域にある古代ローマの円形闘技場がいまも崩壊せずに残っているのは、ちょっとした謎となっている。地震波を迂回させられる「耐震透明マント」の研究に取り組んできた南フランスのエクス=マルセイユ大学の研究者は、古代の円形闘技場の形状が、耐震透明マントにおける建造物の規則的なパターンと似通っていることに気づいた。 by Emerging Technology from the arXiv2019.05.30

古代ローマの円形闘技場は、人類最古の建造物の1つだ。円形闘技場の建造物は古代ローマ帝国のさまざまな地域で非常によく保存されている。

このことは、ローマ帝国の支配下にあった多くの地域が地震多発地帯であることを考えると、特に注目に値する。ユーラシアプレートとアフリカプレートの境界付近に位置するこの地域はこれまでに多数の地震を経験し、円形闘技場以外の建物は倒壊した。したがって、円形闘技場が2000年もの間残っている理由は、ちょっとした謎だ。

南フランスのエクス=マルセイユ大学のステファン・ブリュレらの研究チームが最近、その謎を解明するかもしれない研究を発表した。同研究チームは、地中に埋められた、または地表に設置された特定の建造物を、どのように配置すれば地震波の伝わり方を変えられるかを研究している。とりわけ、特定の地域を迂回するように地震波を誘導することでその地域を守れる「耐震透明マント」を研究している。

ブリュレらの研究チームは、ローマの円形闘技場はその形状のおかげで耐震透明マントとして機能しているかもしれないという結論を導き出した。それがローマの円形闘技場が驚くほど長い間崩壊せずに存在してきた理由ではないかという。

これまで物理学者の間では、特定の規則的なパターンを持つ物体が波動と相互作用し、波動を誘導することで波動の振る舞いを変えられることは長い間知られていた。この現象の興味深い特徴は、物体自体は波動自体よりもは …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8脱炭素イノベーション

2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、世界各国で研究開発が加速する脱炭素技術、社会実装が進む気候変動の緩和・適応策などGX(グリーン・トランスフォーメーション)の最新動向を丸ごと1冊取り上げる。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る