「死戦期呼吸」を音で識別、突然死をアプリで防ぐ
心停止になった際に、手遅れになる前に外部に助けを求められるアプリケーションをワシントン大学の研究チームが開発した。心停止時に患者が発する特徴的な呼吸音(ギャスピング音)を聞き分けるように訓練した機械学習アルゴリズムを利用する。 by Charlotte Jee2019.06.25
もしあなたが不運にして心停止という事態に見舞われた場合、生存率は芳しくない。米国内では毎年約40万人が心停止を経験しており、そのうち助かるのは6%以下だ。心停止は自然死の中でもっとも多い死因だ。しかし、いち早く救助されると生存率ははるかに高くなる。心停止の発生直後に蘇生処置を受けると、生存率が2倍あるいは3倍になる。
スマートスピーカーやスマートフォンのマイクを利用して心停止の前兆を検知し、本人に代わって助けを呼ぶ新しいアプリケーションが、不幸にして心停止を起こした人の生存率を上昇させる可能性がある。
ワシントン大学の研究チームが開発したこのアプリケーションは、息苦しさにもがく時に出る特徴的なギャスピング音(死戦期呼吸として知られている心停止直後の呼吸音)を、機械学習を利用して識別する。ギャスピング音は心停止の症状全体の半分以上に見られる初期徴候である。
研究チームは、ワシントン州のキング郡で着信した緊急電話の死戦期呼吸の音声の録音を用いてシステムを訓練した。合計82時間にも及ぶ729件の通話録音を使って訓練した後、いびきや睡眠 …
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