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特別寄稿:新型コロナのデータは公共財、米政府は公開を
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Covid-19 data is a public good. The US government must start treating it like one.

特別寄稿:新型コロナのデータは公共財、米政府は公開を

米国で政府がこれまで公開していた病床数や集中治療室のデータが非公開となった。データは国民の共有資産であり、パンデミックの終息のためにもすぐに公開すべきだ。 by Ryan Panchadsaram2020.07.30

全米でパンデミックが猛威を振るう中、米国民は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集中治療室や病床数に関する、唯一公表されている集約データの情報源から締め出されてしまった。トランプ政権が米国疾病予防管理センター(CDC)から新型コロナウイルス感染症データの管理権限を剥奪した際に、国民からも情報も取り上げてしまったのだ。

私は「covidexitstrategy.org」という超党派プロジェクトを運営している。このプロジェクトは各州が新型コロナウイルスとどの程度うまく戦っているかを追跡している。チームはトランプ政権やオバマ政権での職務経験を持つ公衆衛生と危機対策の専門家で構成されており、病気の蔓延、病院の負担、検査の堅牢性といった重要な尺度で各州を評価している。

なぜ、こうした活動が重要なのか? 危機的状況の中で、データは適切な意思決定に識見を与えるからだ。企業、連邦、州、地方の公衆衛生職員やその他の機関は、どのような対策を展開するか、いつ職場や公共スペースを安全に再開できるのかを決定するために、我々の活動を活用している。100万人近くが我々のダッシュボードを利用した経験を持ち、数千人が200回以上繰り返し使っている。

ダッシュボードの作成は、複数の情報源に依存している。1つは全米医療安全ネットワーク(NHSN:National Healthcare Safety Network)で、CDCが運営しているものだ。7月13日以前、各病院は集中治療室と入院患者用ベッドの利用・稼働状況をNHSNに報告していた。週に3回更新されるこの情報は、米国内の州レベルで病院の患者収容能力の集約データを、公的に利用できる唯一の情報源だった。

現在、31州が新型コロナウイルス感染症による入院患者数の増加を報告しており、集中治療室と入院患者用ベッドの稼働率から、各州の医療システムが、患者が急増した場合にどの程度対応できるかが分かる。

情報のリアルタイムでの入手は不可欠だ。政府はCDCのシステムは反応が遅く、データ収集を合理化する必要があると述べた。米国保健福祉省(HHS)は病院にデータをHHSプロテクト(HHS Protect)と呼ばれる新システムに報告するよう指示した。

残念ながら、病院からのデータを新システムに集約したことで、他のすべての人は蚊帳の外に置かれてしまった。7月14日、CDCはWebサイトから最新のデータを削除した。我々が毎晩、サイト更新作業をしているときに、データが無くなっていることに気づいた。強力な世論の圧力により、既存の感染マップとデ …

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