KADOKAWA Technology Review
×
Innovators Under 35 Japan 2026 候補者募集開始!
2020大統領選で30億通もの大量SMSが飛び交う理由
Ms Tech | Pixabay
倫理/政策 無料会員限定
Why political campaigns are sending 3 billion texts in this election

2020大統領選で30億通もの大量SMSが飛び交う理由

2020年の大統領選では、携帯電話の電話番号でやりとりできる「テキスト・メッセージ(SMS)」が、かつてないほど大量に送信されている。内容をパーソナライズ化することで規制を回避し、「親密感」を演出できるからだ。 by Tate Ryan-Mosley2020.11.02

オクラホマ州選挙管理委員会は10月20日に、投票所に変更があったとする偽のテキスト・メッセージ(SMS)に関する警告を発した。送信元の電話番号は、男性向けエスコートサービスのものだった。

これは目新しい話ではない。2018年、中間選挙の2週間前には、ミシガン州モンロー郡が偽の情報が記載されたテキスト・メッセージに関して警告を発している。このテキスト・メッセージは、多くの有権者の不在者投票が「未処理」であるという内容だった。中には「トランプ大統領」が差出人となって共和党の公式Webサイトに見せかけたサイトへのリンクをクリックするよう仕向けるものもあった。2016年には、投票先を知らせるように要求するテキスト・メッセージがソマリア人コミュニティに送られていたことをミネソタ州の有権者保護団体が報告している。

大統領選挙の投票日である11月3日までに、米国の有権者は合計で約30億通の政治的テキスト・メッセージを受け取ることになると推定されている。米国の有権者は2億3400万人強なので、大半の米国民に何通ものテキスト・メッセージが送信され、激戦州の住民や重要な有権者層はそれに輪をかけて大量のメッセージを受け取ることになる。データはあまりないが、政治的なテキスト・メッセージは前回の大統領選挙ではそれほど普及していなかった。通信および開示に関する法律の抜け穴を利用し、パーソナライズ(個別化)されたテキスト・メッセージを大量に送信できる新たなツールがこの4年間で開発されてきたのだ。

テキスト・メッセージを迷惑でまったく無意味なものだと考えることは簡単だ。だが、テキサス大学オースティン校のメディアエンゲージメント・センターが実施した新たな研究は、より闇が深く、大きな意味を持つこのトレンドの本質を明らかにした。同研究によると、ピアツーピア(P2P)のメッセージは、「政治的なメッセージの親密さと有効性をより一層高めるものであり、困ったことに、外部の人間からは事実上監査不可能」であるという性質を持っているという。

同論文は、「送られてくるメッセージは組織的でありながら親密であり、今までよりもプライベートな空間に送り届けられるようになっています」と論じている。信頼性が高く、よりプライベートで規制の少ないこのチャンネルで、非常に効果的な政治キャンペーンとデマ工作の両 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion Call for entries for Innovators Under 35 Japan 2026 「Innovators Under 35 Japan」2026年度候補者募集のお知らせ
  2. How virtual power plants could provide energy for data centers データセンターの電力不足、グーグルは市民から集める仕組み導入へ
  3. It’s time to address the looming crisis in entry-level work. 「コーディングを学べ」もう通用せず、AIが若者の雇用を奪い始めた
▼Promotion
社会実装都市「ひろしま」の魅力に迫る ローカル ✕ イノベーション
MITテクノロジーレビューが選んだ、AIの10大潮流 [2026年版]

AIをめぐる喧騒の中で、本当に目を向けるべきものは何か。この問いに対する答えとして、MITテクノロジーレビューはAIの重要なアイデア、潮流、新たな進展を整理したリストを発表する。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る