KADOKAWA Technology Review
×
バイデン政権の「爆速」気候変動対策、大統領令をフル活用
Doug Mills-Pool/Getty Images
持続可能エネルギー Insider Online限定
Biden directs billions in federal spending power to climate change

バイデン政権の「爆速」気候変動対策、大統領令をフル活用

バイデン新政権が公約で打ち出していた気候変動対策をスピーディに実行に移している。パリ協定への復帰、公用車のゼロエミッション車への切り替えなどだ。ただ、現状はすべて大統領令によるもので、安定的な取り組みを担保するには法制化が必要だ。 by James Temple2021.02.10

ジョー・バイデン大統領は、気候変動対策の進展を加速するという公約を果たすことに邁進し、就任早々、大統領権限で実行できる一連の政策を矢継ぎ早に打ち出している。

1月27日、バイデン大統領は、米国のエネルギー政策と優先事項に大きな変化をもたらす、気候変動に関する2つ目の大統領令と覚書に署名した。その中では、政府機関に米国製のゼロエミッション車(走行時に二酸化炭素などの排出ガスを出さない電気自動車、水素自動車など)や脱炭素型の電力の購入や、ほぼすべての石油・ガス掘削に対する公有地の新規借地契約の停止、化石燃料への助成金の撤廃を指示している。

また、バイデン大統領は気候変動を国家安全保障計画の中心に据え、ますます深刻になる酷暑、火事、洪水、飢饉がどれほど世界的な紛争をあおる可能性があるかを評価するように政府機関に要求している。そして、パリ協定の下で、より大胆な米国の排出量削減目標を定めるプロセスも始まる。

こうした最新の大統領令は、バイデン大統領が大統領就任初日に示した気候変動への取り組みに続くものだ。パリ協定復帰手続きの開始、メタン排出への新規制、自動車燃費基準の制定などが含まれる。

市場への強力な後押し

これらの命令は、電気・水素自動車はもちろん、風力、太陽光、地熱発電などの再生可能エネルギーの国内市場を強力に後押しするだろう。数十億ドルの政府支出がこれらの産業に向けられ、その一方で新しいプロジェクトや工場への資金供給がより簡単になるように規制を確実に緩和するだろう、とジョシュ・フリードは話す。フリードは、ワシントン D.C.にある中道左派のシンクタンク、サード・ウェイ(Third Way)で気候とエネルギーに関するプログラムを率いている。

例えば、自動車に関する命令は、最終的に合計で約65万台になる公用車(トラック、バス含む)のゼロエミッション車 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
日本発「世界を変える」35歳未満のイノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

記事一覧を見る
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8
MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8脱炭素イノベーション

2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、世界各国で研究開発が加速する脱炭素技術、社会実装が進む気候変動の緩和・適応策などGX(グリーン・トランスフォーメーション)の最新動向を丸ごと1冊取り上げる。

詳細を見る
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る