気候テック15:あらゆる食品を植物由来原料で再現するノットコ
MITテクノロジーレビューが選ぶ「気候テック企業15」の1社であるノットコ(NotCo)は、マヨネーズやミルクなどの動物由来食品を模倣したヴィーガン食品を開発し、15カ国で販売している企業だ。 by Muriel Alarcón2023.10.23
ノットコ(NotCo)はチリの植物由来食品メーカーである。植物由来食品は、動物由来の同等品よりも気候に優しいと言われており、同社の牛乳、マヨネーズ、ハンバーガーパテは、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンなど他の南米諸国の消費者からも支持を得ている。
ノットコは「ジュゼッペ(Giuseppe)」と呼ばれる機械学習アルゴリズムを使って調合法を開発している。同社によれば、動物由来食品の構造、弾力、風味、食感、香りなど、あらゆる感覚的特徴を植物由来の原料で再現できるという。ジュゼッペはそれらの食品の分子組成に基づき、ハンバーガー、チキン、ミラネサ(ラテンアメリカで人気の牛肉または鶏肉を使ったカツレツ料理)など特定の製品に近づけるための組み合わせを、30万種類の原料リストから選んで提案する。
ノットコは2017年に最初の製品「ノットマヨ(NotMayo)」を発売した。ノットマヨは、キャノーラ油、グレープビネガー、マスタードシードから作られたマヨネーズの代用品である。現在、数十種類の製品ラインを、オンラインおよび15カ国の大手食料品チェーンで販売している。販売先には、米国のホールフーズ(Whole Foods)やチリのハイパーマーケットチェーンであるジャンボ(Jumbo)も含まれる。ノットコの製品は、スターバックスやバーガーキングなど、他のブランドの製品にも使われている。また、ノットコはいくつかのブランドと提携し、チリ国内のダンキン(Dunkin)のフランチャイズ店専用に作られた「ノットマンジクサー(NotManjxr)」(チリの典型的なキャラメルの代用品)など、植物由来の新製品を開発している。
基本データ
潜 …
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