気候テック15:再エネを安価に貯蔵、フォーム・エナジーの鉄空気電池
フォーム・エナジーは、再生可能エネルギーの長期貯蔵用の安価なバッテリー「鉄空気電池」の商業化に取り組んでいる。2024年後半には最初の製品を顧客に出荷する予定だ。 by Scott J Mulligan2024.10.16
- この記事の3つのポイント
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- フォーム・エナジーは鉄空気電池で再生可能エネルギーの長期貯蔵を目指している
- 錆の化学反応を利用しリチウムイオン電池の10分の1のコストで製造可能
- 同社は2024年から製品出荷予定だが市場や効率性に課題もある
フォーム・エナジー(Form Energy)は、鉄空気電池を大規模に生産し、それを送電網に組み込むことで、再生可能な資源から作られたエネルギーを長期的に貯蔵することを目指している。鉄空気電池は、鉄が錆びるプロセスを利用して機能する。目新しいわけではないが、まだ商業化されていないテクノロジーだ。
鉄空気電池が放電すると、鉄金属は酸素と結合して酸化鉄(錆)を形成し、電子を放出する。この電子の流れは、電気という形でエネルギーを供給する。逆に、たとえば風力タービンやソーラーパネルから余剰電力が得られると、その電力で逆の化学反応を起こし、鉄空気電池を充電する。錆は酸素を放出し、鉄金属に戻る。
基本データ
潜在的なインパクト
フォーム・エナジーは、鉄空気電池がリチウムイオン電池の10分の1のコストで製造できることを実証している。その主な理由は、製造に使われる主原料が安価で豊富にあることだ。この低コストにより、電力会社が鉄空気電池を使用して最大100時間ぶんのエネルギーを蓄えるという長期貯蔵のシナリオが実現可能になる。
再生可能エネルギーの導入において、貯蔵は極めて重要な問題だ。消費者は常にエネルギーを使用する必要があり、その使用量は1日を通して変動する。しかし、太陽光のような再生可能エネルギーは、太陽が出ているときなど特定の時 …
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